3歳牡牝限定クラシック競走・最終戦
菊花賞
GI・京都競馬場・芝3000m
菊花賞(きっかしょう)とは、日本中央競馬会の主催で開催されるGI競走である。
※発音は促音の「っ」が一般的だが、英字表記だと「Kikuka-shō」で促音の表記ではなかったりする。
京都競馬場の芝3000m外回りで行われる、3歳(旧4歳)馬限定のGI競走。皐月賞、東京優駿(日本ダービー)から続くクラシック三冠競走の最終戦となる。春の二冠競走同様、去勢された騸馬は出走できない。
3歳馬にとって非常に重要なレースであるため、かつては2000m前後の中距離が本領の馬も不利を承知で出走を目指すのが半ば当然となっていた。だが90年代以降、世界的に中距離レースの実績が重視されるようになるにつれて、菊花賞を回避して古馬対決となる天皇賞(秋)やジャパンカップへ挑戦する馬も増えた。さらに賞金や斤量面での魅力から凱旋門賞に挑戦する3歳馬も多くなっている。一方、菊花賞を勝った馬は古馬になっても安定した戦績を記録することが多いことから、翌年以降の飛躍を占うレースとしての注目度は上がっている。
3000mという長距離が故に牝馬には過酷で、出走するケースは稀。1970年~75年にビクトリアカップ、76年に改称してエリザベス女王杯(京都・芝2400m・3歳牝)が施行され、3歳牝馬路線にも秋の三冠レースが出来たため、そのあたりを境にして出走馬は更に少なくなった。
…→1967年(ヤマピツト)→1968年(フアインローズ)→1977年(ケイツナミ)→1995年(ダンスパートナー)→2009年(ポルカマズルカ)→2019年(メロディーレーン)→2021年(ディヴァインラヴ)あたりが有名)。
ちなみに、皐月賞と菊花賞を制した二冠馬は8頭存在するが、東京優駿と菊花賞を制した二冠馬になると変則三冠馬のクリフジ(1943年・優駿牝馬優勝)とタケホープ(1973年)の2頭しかいない。距離的には皐月賞(2000m)より東京優駿(2400m)の方が菊花賞に近いのに、ダービーで強い勝ち方をした馬が(故障して回避したケースを除いても)菊花賞で敗れることが妙に多いのだ。「天皇賞(秋)の1番人気は勝てない」をはるかに上回る不気味なジンクスである。
(ちなみに春の二冠馬は15頭、三冠馬は7頭)
現在、3歳馬が出走できるJRAのレースにおいて、菊花賞より早い時期に3000m以上の距離を走るレースは存在しない。
1999年に同条件開催であった嵐山ステークスがレース間隔の都合上廃止されたことで、すべての出走馬にとって3000mという距離は未知の領域である。
3コーナー手前の上り坂から発走し、そのまま外回りコースをおよそ1周半走る。直線部分が長いので枠順による有利不利はさほどないが、コーナーを6回走るため、基本的にはインコースを確保した馬が有利になる。
京都競馬場名物・3コーナーの”淀の坂”を2回越えるタフなコースだが、ホームストレッチを2回走る点も騎手にとっては要注意ポイントになる。経験の浅い馬達は、観客の声援でかかってしまったり、一週目のゴール板で終わりだと誤認して折り合いを欠いてしまうことがあるのだ。加えてスタート直後に”淀の坂”を登って下りてくるため、ホームストレッチ突入時にはスピードが乗っていることが多く、これをいかに御するかも課題となる。
過酷なコースに耐え抜く身体の強さと、最後まで根性や闘争心を持ち続ける精神面の強さが必要になる。
そのため菊花賞は『最も強い馬が勝つ』と言われている。
| 競走名 | 格付 | 施行競馬場 | 施行距離 | 間隔 | 優先出走権 |
|---|---|---|---|---|---|
| セントライト記念 | GII | 中山競馬場 | 芝2200m | 5週 | 3着内 |
| 神戸新聞杯 | GII | 阪神競馬場 | 芝2400m | 4週 | 3着内 |
セントライト記念と神戸新聞杯が優先出走権をかけたトライアル競走に設定されているが、菊花賞本番とは開催条件が違いすぎるので、馬券予想の参考としてはあまり重視されていない。
1999年までは11月1週の開催だったため、京都大賞典から出走してくる馬もいた。また、同年までは同じ理由により10月中旬の開催だった京都新聞杯がもう一つのトライアル競走に設定されていたが、翌年からは5月に移設され、日本ダービーの前哨戦となった。
各トライアル勝馬の競走成績には如実な差がある。1986年から2017年の成績で見ると神戸新聞杯組からは15頭・京都新聞杯組からは8頭が菊花賞を制しているのに対し、セントライト記念組からの菊花賞馬は3頭しか出ていない。2015年にセントライト記念1着のキタサンブラックが菊花賞馬となったが、セントライト記念組の菊花賞制覇自体2001年のマンハッタンカフェ以来14年ぶりであり、優勝馬に限定すると1984年のシンボリルドルフ以来31年ぶりのことであった。
※1:三冠達成 ※2:阪神競馬場での開催 ※3:三冠(+無敗で)達成 ※4:最年少勝利騎手(19歳) ※5:世界新記録(当時) ※6:現レコード ※7:最年長勝利騎手(50歳) ※8:阪神3000mレコード
| 八大競走 | |
| 桜花賞 - 皐月賞 - 優駿牝馬 - 東京優駿 - 菊花賞 - 天皇賞(春) - 天皇賞(秋) - 有馬記念 | |
| 同格とされた競走 | |
|---|---|
| ジャパンカップ | |
| ジャパンカップ創設後に八大競走に準じるとされた競走 | |
| 宝塚記念 - エリザベス女王杯 | |
| 競馬テンプレート | |
| 中央競馬の世代別GI | |
| 五大クラシック | |
|---|---|
| 桜花賞 - 皐月賞 - 優駿牝馬 - 東京優駿 - 菊花賞 | |
| その他の世代別GI | |
| 2歳 | 朝日杯フューチュリティステークス - 阪神ジュベナイルフィリーズ - ホープフルステークス |
| 3歳 | NHKマイルカップ - 秋華賞 |
| 廃止・変更された競走 | |
| 2歳 | 阪神3歳ステークス |
| 3歳 | ビクトリアカップ - エリザベス女王杯 |
| 競馬テンプレート | |
掲示板
333 ななしのよっしん
2025/10/26(日) 16:26:49 ID: HQ27KNGCUx
ドゥレッツァもアーバンシックもエネルジコも3000以上がベストってタイプじゃないし、世代限定戦でみんな適性がない中で本当にルメールがしっかり勝たせてる感じがする
334 ななしのよっしん
2025/10/26(日) 21:37:11 ID: 9fGZF3l+5O
美浦馬に乗ってるルメールが勝ってるからってのはあるが、美浦勢何気に5連勝か……。
それこそこの連勝が始まった2021年までは2000年代の菊勝った美浦勢はマンカフェとフィエールマンしかいなくて、余程の名馬じゃないと美浦が勝つのは無理って風潮だったのに、潮目変われば一気に変わるもんだなぁ
335 ななしのよっしん
2025/10/31(金) 09:36:01 ID: kJS1JoJS+P
21年:その後春天、宝塚を勝つタイトルホルダー。ここまでが所謂格言通りの『強い馬』だったかも
22年:アスクビクターモア。有馬記念出走予定も回避し古馬になるも、以降は馬場や状態面で苦しみ、さらに熱中症で現役中に他界、申し訳ないが『強い馬』よりも『不運な馬』の印象強し。
23年:ドゥレッツァ。菊花賞以降もちょくちょく怪我しており、ついでに菊以降勝利無し。勝ちきれない辺り『強い馬』と言い切れない微妙さ。
24年:アーバンシック。赤ちゃん。勝った菊に出てた彼以外の馬はちゃんと活躍してるのが多いだけに何故なのか。『強い馬』というより『変な馬』。
25年:エネルジコ。菊花賞から1週間経たずに浅屈腱炎発症。まさしく『強い馬』であると同時に『出し尽くした馬』。
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最終更新:2025/12/05(金) 16:00
最終更新:2025/12/05(金) 16:00
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