石原慶幸(いしはら よしゆき)とは、広島東洋カープに所属するプロ野球選手(捕手元祖飛ぶキャッチャー)である。
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県岐阜商で甲子園に2度出場し、高校時代は通算60本塁打を放つスラッガーであった。
ちなみに後輩には、後にカープに入団するペローンこと、青木高広がいた。ペローン曰く「雲の上の存在」だったらしい。
その後、東北福祉大学を経て2001年、広島東洋カープにドラフト4巡目指名で入団。当時の正捕手・西山秀二の後釜を担う存在となり、先輩捕手の倉義和とともにカープ捕手の双璧をなしている。
プロでの経験を重ねるごとに堅実な守備、そして意外性(通称:インチキ)のある打撃に磨きがかかっている。
石原には飛ぶキャッチャー以外にも「うーたん(ウータン)」という呼び名があり、こちらもよく使われる。
こちらは顔立ちなどがオランウータンに似ているからという理由でコーチが呼び始めたもの(ちなみに石原本人は当初やめてほしいと言ってたそうだが、最近は愛称として定着してる事もあってかあまり気にしていないようである)。
後述にある通り、試合中に我々の予想を遥かに超える現象を起こす選手である。
特に3、4打席何も結果が出ていない状況で終盤打順が回ってくると何かが起こると言われている。
2012年はシーズン開幕後すぐに故障により離脱すると、一軍復帰後も倉との併用が続き、2007年以来5年ぶりにに出場試合数が100試合を切った。しかし、6月14日(対千葉ロッテマリーンズ戦)で1000試合出場を果たし、7月には月間サヨナラ賞を受賞した。
ランナーは三塁に栗原健太、カウントは一死、ここで石原はスクイズを行う。しかし、西武ライオンズバッテリーには読まれており綺麗に外されてしまった。普通ならばバットを突き出したままストライクを取られる場面である。
しかし、石原は違った。なんと、外された事が分かるや否や鯉のぼりのように宙を舞いボールに当てようとしたのである。
この事件以来ファンの間では飛ぶキャッチャーと呼ばれるようになった。翌2007年10月1日にも同じようにスクイズを外され見事な跳躍を見せている。
余談だが、「飛ぶキャッチャー」という呼び名自体は2006年以前から使われている。これは当時の石原のリードがファンの間であまり評判ではなかったことに起因するものだが、この時点ではあまり知られた言葉ではなく、本格的にこう呼ばれだしたのは前述のスクイズ決行からである。
2006年9月7日の横浜ベイスターズ戦、5-5で迎えた延長10回裏・2死満塁の場面でバッターは佐伯貴弘。
ピッチャー、永川勝浩の投げた球を佐伯がファウルした際に、佐伯が球審にアピール。
佐伯の振ったバットがキャッチャー石原のミットに当たったことが認められ、三塁走者がホームイン。サヨナラ打撃妨害という前代未聞の珍事が起きた。
また、9月7日は石原慶幸の誕生日であったことから「誕生日にサヨナラ打撃妨害を犯した、おそらく世界唯一の選手」と思われる。
2009年のWBCでは捕手の3番手として候補に残り、WBC日本代表に選ばれた。広島東洋カープとしては唯一の選出選手であった(その後、本大会中に負傷した村田修一の代わりに栗原健太が緊急召集された)。
しかし、出番は全くと言っていいほどなく、石原の登場を期待する声が高まってきた。
そんな時、第2ラウンドの韓国戦で城島健司が退場になる。するとその裏の守備でキャッチャー石原がコールされ、野球chでは石原スレが計10スレを超えるなど派手な祭りになった。
なお、バッターボックスには立っていないため、出場した野手としては唯一、打撃成績がない。
2011年5月14日、読売ジャイアンツ(以下巨人)戦の9回裏。3-4と1点リードの巨人は、抑えの新外国人守護神レビ・ロメロを投入した。
しかし、先頭打者に出塁を許すと犠打・連続四球で1死満塁と、カープは一打逆転サヨナラの場面を迎える。
その後、代打・前田智徳の場面でロメロの暴投により、三塁走者がホームに帰り同点。カープはこの時点で負けがなくなり、スタジアムの雰囲気は最高潮に達した(2011年はルール上、9回以降は試合時間が3時間半経過でイニングを打ち切るため)。
その後二死満塁となり、緊張高まるこの場面で打者・石原慶幸を迎えた―。
そしてロメロの投じた初球はなんと、打者・石原の左手首を直撃するデッドボール。
その場で倒れる石原であったが、すぐに起き上がりガッツポーズ。
野球の試合で、バッターボックスで倒れながらもガッツポーズなど、まずお目にかかれない光景である。
スタジアムは一瞬、何が起こったかわからない空白の時間の後に、大歓声に包まれた。
押し出しサヨナラデッドボール、誰もが予想しえなかった幕切れ(世紀の大インチキ)であった。
石原はその試合で3打数無安打ながらヒーローインタビューに呼ばれ、「ヒーローは僕で良いのかどうかわかりませんが」「身体に当たって本当に良かった」というコメントを残した。
余談だが、翌日には「石原慶幸サヨナラデッドボール記念Tシャツ」が限定販売されているという。
2012年7月17日、中日ドラゴンズ戦の9回裏。それまで0-2で負けていた広島だが、9回に岩瀬仁紀を捉え2-2の同点とし、なおも1死満塁の場面。土壇場で同点に追いついた状況と一打サヨナラの状況が重なり、球場は最高のボルテージに。
迎えたバッターは打率.260の石原。どういう打席になるのか・・・ファンが固唾を飲んで見守る中・・・。
実にリーグ18年ぶりとなるサヨナラスクイズを決め、「飛ぶキャッチャー」という愛称を定着させた過去2回のスクイズ失敗による汚名の返上を果たした。なお、この結果により7月の「スカパー! サヨナラ賞」にも受賞した。
2012年9月5日、中日ドラゴンズ戦の6回裏ツーアウト、バッター井端弘和の場面で起こった。
先発の大竹寛は、ドラゴンズの右バッターに対し内角を中心に攻め、好投していた。
井端に対し1ストライク1ボールとなった所で石原は内角にツーシームを要求。
この球を井端は捉えきれず、自らの左足踝を直撃する自打球となってしまった。
非常に痛がる井端を尻目に石原は、ここで何故か井端のバットを立てるという行動を見せる。
恐らくバットを取りやすくするため、あるいは手持ち無沙汰だったためと思われるが
この謎の気遣いは一見するとかなりシュールな光景である。
2013年5月7日、横浜DeNAベイスターズ戦の6回表、1-4で3点ビハインドの場面。
ツーアウトながらランナー一塁で、9番の井納翔一への初球に内角へのストレートを要求。
ピッチャーの久本祐一がわずかに下に放ってしまい、石原はこの球をミットからボールをこぼしてしまう。
後逸とはならず、わずかに左へこぼしただけだったが、ランナーが一塁にいるため焦る石原。
そのため白線上のボールに気付かず、更に井納がさり気なく足で隠したため、完全に見失ってしまう。
久本が「下!」とボールを指差したものの、その様子を察知した一塁の石川雄洋は進塁の気配を見せる。
目で牽制しつつも、なお進塁の気配を見せる石川に対し石原はなんと足元の砂を掴んで牽制した。
砂を拾うことでボールを掴んでいるように見せかけ、石川の進塁を阻止したのである。
ちなみに一塁ランナーの石川はその後横浜の主将剥奪と共に二軍落ちとなってしまった。
打撃不振が主な理由とされているが、この石原のプレーの影響もあったのかもしれない。
広島 応援歌 |
(2013年終了時点)
年度 | 所属 | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | 広島 | 5 | 10 | 10 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | .300 | .300 |
2003年 | 116 | 338 | 396 | 19 | 65 | 14 | 2 | 4 | 21 | 0 | 10 | 0 | 17 | 6 | 78 | 6 | .213 | .268 | |
2004年 | 135 | 435 | 174 | 32 | 114 | 22 | 0 | 6 | 35 | 0 | 9 | 1 | 21 | 8 | 70 | 6 | .288 | .336 | |
2005年 | 74 | 194 | 240 | 13 | 42 | 6 | 0 | 2 | 12 | 0 | 3 | 2 | 11 | 4 | 29 | 6 | .241 | .298 | |
2006年 | 85 | 267 | 240 | 17 | 53 | 9 | 0 | 3 | 11 | 2 | 6 | 2 | 15 | 4 | 43 | 6 | .221 | .276 | |
2007年 | 89 | 284 | 256 | 24 | 72 | 12 | 0 | 3 | 15 | 2 | 6 | 0 | 16 | 6 | 47 | 9 | .281 | .338 | |
2008年 | 123 | 457 | 422 | 36 | 112 | 19 | 0 | 9 | 50 | 6 | 10 | 2 | 22 | 1 | 80 | 7 | .265 | .302 | |
2009年 | 124 | 422 | 364 | 31 | 75 | 15 | 1 | 10 | 37 | 2 | 11 | 4 | 39 | 4 | 90 | 11 | .206 | .287 | |
2010年 | 122 | 408 | 369 | 33 | 97 | 19 | 0 | 8 | 41 | 4 | 6 | 1 | 29 | 3 | 81 | 10 | .263 | .321 | |
2011年 | 110 | 342 | 299 | 15 | 60 | 10 | 0 | 4 | 27 | 2 | 14 | 3 | 22 | 4 | 49 | 7 | .201 | .262 | |
2012年 | 77 | 250 | 217 | 22 | 52 | 15 | 0 | 1 | 22 | 0 | 9 | 1 | 22 | 1 | 27 | 7 | .240 | .311 | |
2013年 | 121 | 398 | 327 | 32 | 81 | 9 | 0 | 7 | 35 | 0 | 15 | 3 | 45 | 8 | 76 | 12 | .248 | .350 | |
通算:12年 | 1181 | 3805 | 3379 | 275 | 826 | 150 | 3 | 57 | 306 | 18 | 99 | 19 | 259 | 49 | 681 | 100 | .244 | .302 |
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最終更新:2024/05/28(火) 23:00
最終更新:2024/05/28(火) 23:00
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