西武ドームとは、埼玉県所沢市にある西武鉄道が所有するドーム球場である。日本プロ野球パシフィック・リーグの埼玉西武ライオンズが本拠地として使用。2015年3月1日からは西武プリンスドームに改称する。
1979年に開場した西武ライオンズ球場(通称は「西武球場」。西武山口線・狭山線の西武球場前駅に名前が残っている)が元となったドーム球場。1998年から球場に屋根を付ける工事が行われ、1999年に完全な屋根が完成する。既存の球場をドーム化するというものは世界的にも稀な例である。ネーミングライツによってインボイスSEIBUドーム、グッドウィルドームという名称だった時期があった。2015年からは同じ西武グループであるプリンスホテルが命名権を取得し西武プリンスドームとなる。なお、厳密に言うと西武ライオンズ球場よりさらに前に西武園球場が存在していた。ライオンズが移転する前に大規模な改修工事(実際には完全に作り変えたといっていい)を行って西武ライオンズ球場が完成した(ちなみに西武鉄道がクラウンライターライオンズを買収したのは改修工事が始まった後)。
なお、一般的にドーム球場は東京・大阪・ナゴヤ・福岡・札幌の5つを指して「5大ドーム」と呼ばれるが、ここは含まれていない。前述の成り立ちのほかに施工が唯一鹿島建設なのも関係しているのだろう(5大ドームは全て竹中工務店の施工)。
プロ野球12球団の本拠地12球場中で最小の面積というほどファウルグラウンドが極端に狭く、外野のファウルフライがレアであるほど。これは後述のフィールドシート設置のためにブルペンの位置が変わったため。ライオンズが勝利したときは花火の打ち上げが行われるのが恒例だったが、2011年からは花火の映像が流れるだけになった。
外野席はベンチが一部あるのみで、ほとんどが人工芝(ドーム化される前は天然芝だった)の上に直接座るかたちとなる。そのためシートを持参すると便利。シートの固定のためのテープは養生テープ限定なので注意。外野席は完全にホーム側とビジター側で分かれており、ホーム側ではビジターチームの、ビジター側ではホームチームの応援グッズの使用は禁止されている。内野席は自由席、指定席A、B、C(指定席Cは巨人・阪神戦 のみ)、ベンチサイドシート、フィールドビューシート、ダグアウトテラス、ネット裏スペシャルシートがある。ネット裏スペシャルシートは2枚1組で2万円 とかなり高いが、座席が革張りであり、専用のスタッフが注文を取りに来るなど他の座席とはサービスが一線を画している。これ以外にも予約専用のスイートルーム(1組6名21万円)がある。年間チケットはベンチサイドとネット裏。2009年から三塁側をホームであるライオンズが使用しているので、特に普段対戦しないセ・リーグのファンはチケット購入時は気をつけよう。
前述のとおりホームは三塁側。2008年までは一塁側だったのだが、これは単にホームは一塁側を使用するものだと思われていたためというのが理由である。三塁側に変更になったのは、事務所や練習場、西武第二球場といった各種球団施設が三塁側にあることや、店舗等が充実しているといったことが理由である。
ドーム化にしたがってグラウンドが現在の大きさに広げられたほか、2007年~2009年にかけて改修工事が行われている。芝が張り替えられたほか、フィールドシートの設置、売店やトイレの新設、エレベーターの設置、トイレのなどが改修された。
パリーグの本拠地6球場の中で、唯一本拠地のチーム以外が主催の試合を行ったことがない。コボスタ宮城は現在の改築された状態では楽天しか主催していないが、それ以前はロッテ(当時オリオンズ)が本拠地としていた時代もあり、他球団も試合を主催していた。千葉マリンスタジアム(QVCマリンフィールド)はヤクルトが大学野球の時期に主催していた時代があった。西武・ナゴヤ以外のドーム球場はすべて巨人が主催しているし、その他の球団の主催も時折行われている(ライオンズ自身も日本ハム移転前の札幌ドームで主催試合を行ってる)。ちなみに西武園球場時代はオープン戦の開催はあったらしい。
食事に定評がある。種類が多く、味も他球場と比較して評判がいい。やはり接客を専門とするプリンスホテルのテクニックが応用されているのだろうか。完全に密閉されていないために消防法に引っかからず、火を使うことができるというのも大きいだろう。食事の売店は球場内だけでなく球場外にも多数存在する。球場に入った後も一時退出が可能であるため、自由席であっても席を確保した後に球場外の食事を購入することもできる。
狭山丘陵に位置するため、開幕直後やシーズン終盤は非常に冷え込む(特にナイトゲーム)。ライオンズが日本シリーズに出場した時は「何も知らない○○ファンが凍死する」というスレがプロ野球板に立つのが定番となっているほどである。その時期に観戦する場合は関東だと甘く見ずに防寒対策をしておこう。
反面、夏場は熱がこもり非情に蒸し暑くなるため、ファンからは「西武サウナドーム」と揶揄されている。
また、壁がないため雨天中止はなくとも客席に雨が吹きこんでくることがあるなど、観戦にはいろいろ注意が必要な球場である。
最寄駅は西武球場前駅。最寄駅からの距離は本拠地12球場中最短である。さらに西武球場前駅は西武狭山線、西武山口線の終点で、頭端式ホームであるため、試合終了時には西武狭山線に10両列車が2~3台は待機している。都心まで時間はかかるものの、待たずに電車に乗れるというメリットがある。さらに言えば球場と鉄道が同じグループ企業であるため、試合が長引いても臨時列車が出るため、最低でも池袋や新宿までは行くことができる。
西武ドームのすぐそばには二軍の本拠地である西武第二球場がある。ここには客席らしい客席はなく、観戦する際は適当に土手に座って見ることとなる。こちらも西武ドームと同じ年に三塁側をライオンズが使用することとなった。2013年にはラバーフェンスが新設された。かつては練習専用の西武第三球場もあったが、現在は駐車場およびサッカーパークとなっている。
野球以外では国際バラとガーデニングショウや高校生クイズ関東大会、コンサートなどで使用されている。コンサートでは、渡辺美里が長年にわたってこの地で毎年夏にコンサートを行っていた。恒例となっていたが、現在は行われていない。また、水樹奈々が2009年夏にLIVE DIAMOND(1Day)、2010年夏にLIVE GAMES(2Days)、2013年夏にLIVE CIRCUS (2Days)を実施。ももいろクローバーZも2012年夏(1Day)・2013年春(2Days)と年末(1Day)にコンサートを行っている。アイドルマスターに関しては2015年夏(2Days)にライブを開催する予定。
球場内 |
外野席 |
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最終更新:2025/12/10(水) 22:00
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