クルツ・ウェーバーとは、賀東招二執筆のライトノベル「フルメタル・パニック!」、及びそれを原作とするアニメシリーズ、また、大黒尚人執筆のスピンアウト作品「フルメタル・パニック!アナザー」の登場人物である。CVは三木眞一郎。
概要
ミスリル西太平洋戦隊“トゥアハー・デ・ダナン”陸戦ユニットのSRT(特別対応班)に所属するドイツ人。階級は軍曹(後に曹長)。コールサインはウルズ6。主人公の相良宗介(ウルズ7)とは、メリッサ・マオ共々チームを組んで出撃することが多い。
肩まで伸ばした金髪と碧眼、整った顔立ちに長身という、絵に描いた様な美青年で、ファッション雑誌のモデル経験も有る。
黙ってさえいれば高級パブやダンスホールに居てもおかしくない男だが、その性格は外見に反比例するかの様に下品で高潔さの欠片も無く、平然と下ネタも口走るので、一言でも喋るとすぐに上記のイメージは木っ端微塵になってしまう(決してモラルやプライドが無いわけでは無い)。
そんな性格だが、狙撃に関しては生身、AS問わずミスリル随一にして世界有数の実力を持っており、1km先の500円玉をドーナツ状に射抜く様な真似を鼻歌交じりにやってのける、真正の天才でもある(格闘に関してはマオから「チンピラ」とまで酷評されてしまったレベルの低さだが)。
物語開始の数年前、傭兵としての職にあぶれていた所をミスリルのリクルーターにスカウトされる。その後ある事件が切っ掛けでマオに見出され西太平洋戦隊へ着任。この事件の際、宗介とも初めて顔を合わせている。
後述するが、彼は傭兵部隊であるミスリルでも珍しく、正規軍に所属した経験が無い(劇中に登場するミスリル構成員の多くは、各国正規軍で優秀だった人物がスカウトされている事が多い)。
この為、ミスリルに入隊して以降も訓練や規律が大嫌いで、マデューカスの様な軍紀に厳しい上官からは少々疎まれ易い傾向にある。
とにかく口が悪く、態度も悪い彼だが、実際には人一倍仲間想いな一面も持っており、いざという時は自分の命を危険に晒してでも仲間を助ける事を厭わない。作者曰く、「『下品』ではあっても『ゲス』ではない」男。
過去、真剣にギターに打ち込んだ事があり、マオの前で久しぶりに披露した時は錆付きを感じさせない腕前を披露した。
経歴
新聞社の特派員だった父親の仕事の都合で、中学時代までは東京の江戸川区に住んでおり、学校も一般の公立校に通っていた。
その為、アフガン育ちの宗介よりよほど日本の文化や常識に詳しく、日本語の語彙も多い(と言うか、母語であるドイツ語より日本語の方が上手いらしい)。また、ヤクルトファンでもある。
好物は納豆ご飯で、酒も日本酒党。メリダ島基地のバーには「良い日本酒が無い」と日頃から嘆いているほど。焼き鳥も好きらしい。どう見ても日本のおっさんだこれ。
しかし、中学生の頃に家族が空港で日本赤軍による爆弾テロに巻き込まれ、全滅。仇を取ろうと独りで実行犯を追って中東へ渡り、ヴィルヘルム・カスパー率いる狙撃兵部隊に拾われた。初めて放り込まれた実戦で早速その才能を開化させ、彼等から教えられる技術を瞬く間に吸収し、ものの一年で部隊の中でもカスパーに次ぐ実力を持つに至った。
だが、その後、狙撃目標とは直接関係ない少女を巻き添えにしたことが原因で彼はカスパーとは袂を分かち、ミスリルに拾われるまでの数年間、フリーの傭兵として世界各地の紛争地帯を転戦する(その時、宗介と交戦した事も有るのだが、ミスリルに入隊した今でも二人は互いにその事を知らない)。
実はカスパーと袂を分かつ原因となった先述の出来事の際に負傷した少女の治療のため、多額の借金を抱えている。
活躍
長編一巻では搭乗機のM9を撃破され、敵地をさすらう羽目になるなど酷い目に遭ったが(結局これは、ラムダ・ドライバの有無と言う機体の性能差によるもので、彼に限らずミスリルのメンバーは大概酷い目に遭うことになる)、その後はその超人的といえる狙撃技術で活躍する場面も多い。
「走っているトラックの荷台から、敵の砲塔に狙撃を成功させる」といった描写は、クルツの狙撃技術を語る上で度々引き合いに出される場面である。
チームのなかでも特に相良宗介、メリッサ・マオとはトリオを組むことが多い。
後の作品である『機動戦士ガンダム00』で、「テロで家族を失った凄腕の狙撃手で、紛争地帯で生きてきた主人公少年兵の兄貴分で、なおかつ中の人も同じ」と言うキャラクターが登場したため、何かと比較される事が多いものの、日本酒やら焼き鳥やら缶ビールが似合うドイツ人ってのは彼の貴重な個性だと思います。
関連コミュニティ
関連項目
- フルメタル・パニック!
- ミスリル(フルメタル・パニック!)
- 相良宗介
- M9 ガーンズバック
- 残念なイケメン
- ロックオン・ストラトス←実は親戚?それとも生き別れの三人兄弟?
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