待てば熟す
同期生の成功や後輩の素質を
いまは素直に讃えよう
もちろん僕も胸を張りたい
けれどもう少し時間が必要だ
タイムパラドックス(Time Paradox)とは、1998年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。
6歳から本格化し、当時の最高齢記録となる8歳での平地GⅠ勝利を記録、ダートGⅠ5勝を挙げて世代賞金王にもなった晩成の名馬。引退後のそっくりさんとの仲良しエピソードでも知られる。
主な勝ち鞍
2004年:ジャパンカップダート(GⅠ)、ブリーダーズゴールドカップ(GⅡ)、平安S(GⅢ)、アンタレスS(GⅢ)、白山大賞典(GⅢ)
2005年:川崎記念(GⅠ)、帝王賞(GⅠ)、JBCクラシック(GⅠ)
2006年:JBCクラシック(GⅠ)
概要
父*ブライアンズタイム、母*ジョリーザザ、母父Alzaoという血統。
父はナリタブライアンやマヤノトップガン、サニーブライアン、タニノギムレットなどを輩出し、90年代において*サンデーサイレンスや*トニービンと覇を競った大種牡馬。ダート種牡馬としても活躍し、本馬の他にはフリオーソなどを輩出している。
母はアイルランド産のフランス調教馬で16戦4勝。
母父アルザオは競走馬としては目立った成績は残していないが、種牡馬としては成功を収め、特に日本ではディープインパクトの母*ウインドインハーヘアの父として血統表のあちこちに名を刻んでいる。
近親では、いとこにサクラローレル(母*ジョリーザザの半姉*ローラローラの産駒)、甥にタイムフライヤー(全妹タイムトラベリングの産駒)がいる。
1998年5月23日、社台グループの白老ファームで誕生。幼駒の頃は「人の隙を見つけてはいたずらをするような賢い面があった」そうである。
オーナーは一口馬主クラブの社台レースホース。募集価格は70万円×40口(=2800万円)だった。
社台サラブレッドクラブのページによると馬名の由来は、
「時間旅行によって生じる矛盾」の意。父ブライアンズタイムより。ゲートが開いてからゴールまでは時間旅行。矛盾が起きているかのような好時計が掲示されることであろう。
とのこと。
時の砂をひっくり返せ
3歳~5歳(2001年~2003年)
二冠牝馬ベガで知られ、後にはアドマイヤムーン、ブエナビスタなどを管理する栗東の松田博資厩舎に入厩。厩舎の1歳下の後輩に、後々彼の前に高い壁として立ちはだかるアドマイヤドンがいた。
タイムパラドックスは若駒の頃は体質が弱く、デビューは3歳の3月になってからだった。しかし阪神・ダート1800mの新馬戦を7馬身差で圧勝すると、中1週で向かった同条件の500万下も快勝。
これで、よっしゃ芝でもいけるんじゃね?めざせダービー!と青葉賞(GⅡ)に乗りこんだが、あえなく11着撃沈。ダート馬あるある。しかもレース後に骨折が判明し3歳シーズンの残りを棒に振ることになってしまい、芝への挑戦はこれが最初で最後となった。
明けて4歳となり、ダート1800mに条件を戻して年明けの平場の1000万下条件で復帰したが、3戦して4着→2着→7着と勝ちきれずまた8ヶ月弱休養。その間に500万下に降級となり、10月に復帰して降級初戦を快勝すると、12月に1000万下を2連勝[1]して準OPに昇格。5歳となり、1600万下も2月の2戦目で勝ち抜けてオープン昇格を果たす。
しかしオープンでは実績馬たちに格の違いを見せ付けられ、仁川S(OP)は斤量3kg差もある実績馬ハギノハイグレイドに蹴散らされて2着。ダート重賞初挑戦のアンタレスS(GⅢ)はドバイに行けなかったゴールドアリュールに全く手も足も出ず2秒以上離されて5着。サウジアラビアカップ(OP)ではこの年の東京大賞典を勝つスターキングマンに4馬身ちぎられて2着。1400mに距離短縮を試みた欅S(OP)は8着に沈み、再び休養に入る。
4ヶ月半休み、10月からレースに復帰したタイムパラドックス。ひ弱だった彼も5歳の秋を迎え、いつの間にか頑健な身体を手に入れていた。なんとこれ以降、彼は8歳で故障により引退するまでずっと在厩のまま走り続けることになる。復帰後は年末までにオープン特別を4戦し、復帰2戦目のトパーズS(OP)でオープン初勝利も挙げ、遅咲きの大輪の開花の時は迫りつつあった。
6歳(2004年)
明けて6歳となった2004年、笠松所属の安藤光彰騎手(安藤勝己の兄)を鞍上に迎えて平安S(GⅢ)に挑んだタイムパラドックスは、先行策からクリーンガー和田竜二との直線300mにわたる激しい叩き合いをアタマ差制し、待望の重賞初制覇を飾る。
この勝利で柴田善臣を迎えフェブラリーS(GⅠ)にてGⅠ初挑戦。単勝19.7倍ながら4番人気に支持され、先行策から直線でも先頭争いに加わっていくものの、最後は競り負け、このとき既にダート界の王座に君臨していたアドマイヤドンの6着。
続いて1400mのコーラルS(OP)に安藤勝己を迎えて参戦したが、後方から上がり最速の脚で追い込むものの4着まで。これで短距離には見切りを付け、以降は1800m以上の距離が主戦場となる。
というわけで前年はゴールドアリュールにボコられたアンタレスS(GⅢ)にアンカツとともに向かうと、後方からインを突いて断然の上がり最速の末脚を繰り出し、前で粘るサイレンスボーイ、ヒシアトラス、クーリンガーらを一気に差し切って快勝。重賞2勝目を挙げる。
続いて高田潤騎手を迎えて、当時は2300m戦だった東海S(GⅡ)へ。今回も上がり最速の脚を繰り出すも、4角で大外を回したのが響いたか、アンドゥオールとの叩き合いに半馬身競り負けて2着。
そして横山典弘を迎えた帝王賞(GⅠ)では、後方から向こう正面で一気に進出して逃げるナイキアディライトを捕まえに行ったが、直線であっさり振り切られ、そのナイキアディライトを差し切ったアドマイヤドンから1秒近く離されて4着。同厩の王者の壁はまだ高かった。
夏も休まず、安藤勝己とともに旭川2300mだったブリーダーズゴールドカップ(GⅡ)へ。逃げる昨年覇者イングランディーレを3番手で追走、2周目の3コーナーで捕まえに行くと、あとは振り切って快勝。
続いて札幌のエルムS(GⅢ)に向かったが、ここでは斤量58kgが響いたか、先行した2頭に後ろから届かず3着。
さらにそこから金沢に転戦し、横山典弘と白山大賞典(GⅢ)へ。ここでは単勝1.2倍の断然の支持を受けると、3コーナー前でもう先頭に立ってあとはぶっちぎって7馬身差で圧勝する。
いよいよ本格化したタイムパラドックスは、新パートナーとして武豊を迎え、勇躍大井2000mのJBCクラシック(GⅠ)に乗りこんだ。しかしここでも立ちはだかったのは王者アドマイヤドン。3番人気に支持されたタイムパラドックスだったが、中団から大外を猛然と追い込むものの、前にいたアドマイヤドンに上がり最速の脚を繰り出されては手も足も出ず3着。後輩のJBCクラシック3連覇の偉業に対して影を踏むこともできなかった。以降、しばらく武豊が主戦となる。
高い高いアドマイヤドンの壁。しかし同厩の後輩にいつまでも負けっぱなしではいられない。迎えた年内11戦目は中央の大一番、ジャパンカップダート(GⅠ)。アドマイヤドン1.7倍に対し、タイムパラドックスは既に勝負付けは完了したと見なされ、12.0倍の4番人気であった。
しかし武豊とタイムパラドックスは中団後方でアドマイヤドンをぴったりマークしながらレースを進めると、4コーナーでインを通って一気にアドマイヤドンをかわす。直線入口で一度は進路を失うも、さらにインの狭いところをこじ開けるようにして残り300mで馬群を抜け出す。そのまま後続を突き放すと、外々を回って伸びを欠いたアドマイヤドンを全く寄せ付けず、2馬身半差で完勝。
武豊は「アドマイヤドンが外から来てるのはわかったけど、『たまには勝たせてくれ』と思いました。自信はなかったけど、なんとか倒したいと思っていました」とコメント。何度も壁として立ちはだかった後輩の宿敵をついに撃破し、6歳にしてGⅠ初勝利を飾ったのだった。
なお、年内ラストの東京大賞典(GⅠ)ではアドマイヤドン不在もあって1番人気に支持されたものの、直線で伸びを欠いて逃げたアジュディミツオーの影も踏めず4着。武豊は「はっきりとした敗因はわからない」とコメントしたが、さすがに年内12戦目で疲れてたんじゃないかなあ。
ともあれ6歳で大輪の花を咲かせたタイムパラドックス。だがまだタイムパラドックスのターンは終了していないぜ! そう、彼の全盛期はここからであった。
7歳(2005年)
明けて7歳となってもタイムパラドックスの辞書に休養の文字はない。引き続き武豊と川崎記念(GⅠ)に参戦したタイムパラドックスは単勝1.3倍の断然人気に支持される。レースは中団から進めると、2周目の向こう正面から進出開始。3コーナーで早くも前の2頭を捕まえると、直線では4歳馬シーキングザダイヤとの熾烈な追い比べとなったが、クビ差制してGⅠ2勝目。ちなみにシーキングザダイヤはこれが初のGⅠ2着。稀代のシルコレ伝説の始まりであった。
ドバイWCからの招待も届いたが辞退し、フェブラリーS(GⅠ)に向かったが、後方から脚を伸ばすも直線で進路を塞がれたこともあり、メイショウボーラーの魂の逃げ切りに全く届かず4着。マイルはやっぱりちょっと短いというのは松田師も思っていたようだが、武豊は馬場さえ合えばマイルもいけると思っていたようである。そもそもドバイに行かないと中距離GⅠは帝王賞まで無いので致し方なしか。
本領の距離に戻ったダイオライト記念(GⅡ)では断然人気に支持されたが、後方から向こう正面で進出開始もパーソナルラッシュに届かず2着。
再びマイルのかしわ記念(GⅠ)に向かい、後方からアドマイヤドンを追って徐々に進出。直線で粘るナイキアディライトと競り合うメイショウボーラー、そして伸びを欠くアドマイヤドンをまとめてかわし、やっぱりマイルもいけるやん!GⅠ3勝目!……かと思ったら、最内から突き抜けた伏兵ストロングブラッドに押し切られて2着。ぐぬぬ。
続いて中1週で東海S(GⅡ)。武豊がオークスでエアメサイアに乗りに東京に行っていたので橋本美純が騎乗、1番人気に支持されたが、サカラートの逃げにぶっちぎられて3着。
なかなか歯がゆいレースが続いたが、武豊に戻った上半期の大一番・帝王賞(GⅠ)はナイキアディライトに1番人気を奪われた鬱憤を晴らすように、直線で逃げるナイキアディライトとそれを追うストロングブラッドをきっりちまとめて差し切り、貫禄を見せてGⅠ3勝目。武豊は帝王賞初勝利となった。
連覇を目指したブリーダーズゴールドカップ(GⅡ)では横山典弘が騎乗、サカラートと人気を分け合ったが、先に抜け出したサカラートに半馬身届かず2着。
続いて武豊に戻ってマイルチャンピオンシップ南部杯(GⅠ)に向かうも、前年覇者ユートピアの逃げに突き放されて3着。武豊は「この距離は、少し短いようですね」とのコメント。結局マイルは短いのか大丈夫なのかどっちやねん。
そんなこんなで名古屋1900mでの開催となったJBCクラシック(GⅠ)ではサカラート、パーソナルラッシュに次ぐ3番人気。しかしGⅡでは4歳5歳の若造に脚元を掬われようと、主戦場の距離での本番では負けられない。ナイキアディライトが枠入りを嫌がってゲート内で待たされた挙げ句枠入りをやり直しになるハプニングもあったが集中を切らすことなく、レースは中団から大外を回って進出すると、サカラートもパーソナルラッシュもユートピアも伏兵牝馬レイナワルツもまとめて薙ぎ払い、余力充分の完勝。GⅠ4勝目となった。なお発走前のアクシデントのせいでレース中継はレース中に放送終了になってしまった。そんなあ。
アドマイヤドンがいなくなったダート界の王座に就いたタイムパラドックス。さあ、あとはジャパンカップダート(GⅠ)を連覇してJRA賞最優秀ダートホースをゲットするのみ。
――が、ここで現れたのが3歳馬カネヒキリ。そう、ダート最強世代こと2005年クラシック世代の登場である。主戦の武豊をカネヒキリに奪われ、オリビエ・ペリエが騎乗したタイムパラドックスだったが、カネヒキリ・シーキングザダイヤ・スターキングマンの3頭横並び大接戦に割って入れず、3頭のすぐ後ろで4着。
武豊に戻った年末の東京大賞典(GⅠ)も1番人気に支持されながらアジュディミツオーの逃げ切りに影も踏めず3着。松田師は「一年中勝つのは難しいんだよ(笑)」とのコメントであった。
JCダートの敗戦でJRA賞はあえなくカネヒキリに持って行かれることになってしまったが、NARグランプリ特別表彰馬に選出された。
8歳(2006年)
明けて8歳も現役続行したタイムパラドックスだったが、ここまで頑健に休まず走り続けてきた彼の脚にも、さすがにそろそろガタがきはじめていた。川崎記念(GⅠ)は調整中に軽く捻挫してしまい、本番は東京大賞典と同じくアジュディミツオーに逃げ切りを許して3着。2着も同じシーキングザダイヤで2戦続けて同じワンツースリーという珍記録となった。
続くフェブラリーS(GⅠ)は久々に安藤光彰が騎乗したが見せ場なくカネヒキリの9着。武豊に戻ったダイオライト記念(GⅡ)では折り合いを欠いてヴァーミリアンに手も足も出ず4着。久々の安藤勝己を迎えた帝王賞(GⅠ)もアジュディミツオーとカネヒキリの激闘のはるか後ろで4着。
ブリーダーズゴールドカップ(GⅡ)に至っては跛行で競走除外となってしまい、柴山雄一が騎乗したエルムS(GⅢ)は10着撃沈。初騎乗の岩田康誠を迎えたMCS南部杯(GⅠ)も5着。さすがに8歳、晩成の彼もピークを過ぎたのはもはや誰の目にも明らかだった。
そんな状況の中、引き続き岩田とともに迎えたJBCクラシック(GⅠ)。前年覇者の彼ももはや有力馬とは見られておらず、いい加減シルコレ街道に終止符を打ちたいシーキングザダイヤが、さすがにこの手薄なメンバーなら勝つだろうと単勝1.6倍に支持されていた。タイムパラドックスはダービーグランプリ勝ち馬マンオブパーサーや、東京ダービー馬ビービートルネードより人気で下回った11.9倍の5番人気。所詮はもう終わった8歳馬。「手薄なメンバー」の一角、実績だけの賑やかしに過ぎない――。
だが、タイムパラドックスは終わっていなかった。まだその身体に、脚に、たぎる闘志は残っていた。
外枠から出負けして中団からのスタートになったタイムパラドックス。岩田騎手は折り合いをつけて進めようとしたが、タイムパラドックスは「俺は行ける、俺は行けるぞ」とばかりに鞍上を無視して1周目のホームストレッチで外から進出開始。岩田騎手は「行ってしまった」と思ったが、無理に抑えることはせず、そのまま逃げるマズルブラストを2番手で追走する。
3コーナー前でもう力尽きたマズルブライトをかわして先頭に立ったタイムパラドックスは、そのまま4コーナーで後続を突き放して直線へ。後ろから追ってくるのは武豊シーキングザダイヤ。だが、どれだけ追っても差が縮まらない。魂を燃やし尽くすような走りで、タイムパラドックスはシーキングザダイヤを完封。見事、1馬身半差で押し切って連覇達成。史上初となる8歳での平地GⅠ勝利を達成した。
この後はJCダートへ向かう予定だったが、追い切りで右前第4中手骨骨折を発症。年齢もあり、さすがにここで引退となった。結果的にではあるが、ラストランとなったJBCクラシックで彼はその競走生命の全てを燃やし尽くしたのだろう。この年の凡走ぶりからはとても考えられないあの激走は、そうとでも思わなければ理解できない。
通算50戦16勝 [16-7-8-19]。重賞9勝、うちGⅠ5勝。獲得賞金は9億7786万5000円に達し、2001年クラシック世代の賞金王となった。*ブライアンズタイム産駒でも三冠馬ナリタブライアンに次ぐ2位。国内獲得賞金に限れば社台レースホースの所有馬でもいまだトップである(海外を含めればステイゴールドが上回る。ハーツクライは海外賞金を加えてもタイムパラドックスに及ばない)。うち8億5000万円近くを6歳以降に稼いだ、まさに晩成の無事是名馬であった。
なお、彼が持っていた記録のうち、平地GⅠ級最高齢勝利記録は2015年にワンダーアキュートがかしわ記念を9歳で勝って更新。6歳以降に稼いだ賞金の最多記録もパンサラッサとウシュバテソーロに更新されている。だいたいオイルマネーじゃねーか!
引退後
引退後はビッグレッドファームで種牡馬入り。総じて種牡馬としてはあんまりパッとしないので同期のグランプリホースであるダンツフレームが種牡馬入りできなかったりしていたBT産駒、ブルーコンコルドが種牡馬入りできなかった程度にはダート種牡馬不遇の時代、しかも自身はモロに晩成という二重三重のハンデの中にあって、受胎条件30万円・出生条件50万円のタイムパラドックスは初年度からなんと100頭もの牝馬を集める。フリオーソの影響か、はたまた頑丈さが評価されたものか。
初年度産駒がわりと地味だったため6年目には種付け数が29頭まで落ち込むが、3年目の産駒から代表産駒となるソルテが登場、2歳戦から活躍したことで持ち直し、7年目の2013年には107頭に種付け。その後も2016年まで80頭を超える牝馬を集め、地方向け種牡馬として活躍した。自身は晩成の中距離馬だったが、産駒はソルテがさきたま杯、その全弟トウケイタイガーがかきつばた記念を勝っているように短距離に適応し、東京ダービー馬インサイドパークなど地方の2歳・3歳重賞勝ち馬もいろいろ輩出している。
2018年限りで種牡馬を引退。後継として代表産駒のソルテが種牡馬入りしているが、受胎率に難がありすぎて、2020年から年に1~3頭に種付けしているのに2024年現在まだ1頭も産駒が生まれておらず、果たして直系の孫が走る姿が見られるのかは未だ不透明である。
タイムパラドックス自身はその後、うらかわ優駿ビレッジAERUにて功労馬として余生を過ごすことになったが、ここでは不思議な出会いがあった。同じ放牧地で過ごすことになったのが4歳下の高松宮記念馬スズカフェニックスだったのだが、この2頭、毛色も流星の形も双子のようにそっくりだったのである。
タイムパラドックスとスズカフェニックスは意気投合し、タイムが兄貴分として、まるで本当の兄弟のように仲良く過ごし、その様子がAERU公式Twitterなどで紹介されて話題となった。そうしてAERUの長老ウイニングチケットとともに、ファンに愛された晩年であった。
2022年2月10日、疝痛のため24歳で死亡。兄貴分を失ったスズカフェニックスのところには、新たにオウケンブルースリがやって来て仲良く過ごしているそうである。タイムパラドックスも天国のターフから弟分のことを見守っていることだろう。
血統表
*ブライアンズタイム 1985 黒鹿毛 |
Roberto 1969 鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Ranavaio | Nashua | ||
Rarelea | |||
Kelley's Day 1977 鹿毛 |
Graustark | Ribot | |
Flower Bowl | |||
Golden Trail | Hasty Road | ||
Sunny Vale | |||
*ジョリーザザ 1991 鹿毛 FNo.14 |
Alzao 1980 鹿毛 |
Lyphard | Northern Dancer |
Goofed | |||
Lady Rebecca | Sir Ivor | ||
Pocahontas | |||
Bold Lady 1974 栗毛 |
*ボールドラツド | Bold Ruler | |
Misty Morn | |||
Tredam | High Treason | ||
Damasi |
クロス:Roman 5×5(6.25%)、Nasrullah 5×5(6.25%)、Court Martial 5×5(6.25%)
主な産駒
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引退後
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関連項目
脚注
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