オリヴィエ・メシアン(1908~1992)とは、クラシック音楽のうち現代音楽に属する作曲家で、初期の世代に位置する作曲家である。
正確な名前はオリヴィエ=ウジェーヌ=プロスペール=シャルル・メシアン。
概要
フランスのアヴィニョンに生まれパリ音楽院に進学。同学院でマルセル・デュプレにオルガンを、ポール・デュカスに作曲を学ぶ。1931年よりパリのサント・トリニテ教会のオルガン奏者になった。
新古典主義を推進するフランス6人組などに反発し、アンドレ・ジョリヴェ、ダニエル・ルシュール、イーヴ・ボードリエとともに「若きフランス」というグループを結成。音楽における人間性の回復を掲げて神秘主義的な音楽を作曲した。しかし、第2次世界大戦の影響でそれどころではなくなり、グループは解散。1940年にはメシアンも従軍することとなり、一時期はドイツの捕虜として生活することもあった。
1942年よりパリ音楽院教授になり、戦後は非ヨーロッパ民族の音楽に注目した。またミュージック・コンクレートも試し、リズムにおけるセリー主義を探求していく。末期にはカトリック世界観に没入していった。
彼の門下からはピエール・ブーレーズ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ヤニス・クセナキス、トリスタン・ミュライユ、ジェラール・グリゼー、フセイン・セルメット、ナジ・ハキムなど、日本人では別宮貞雄、矢代秋雄、丹波明、平義久、宍戸睦郎、篠原眞、加古隆、福士則夫、仲俣申喜男、二橋潤一、藤井一興、安田正昭が輩出され、第2次世界大戦以降の現代音楽の潮流に多大な影響を与えていったのである。
作曲家としては「トゥーランガリラ交響曲」のような現代音楽の初期を代表する作品を作ったことに加え、彼の前衛的な手法を用いた「幼子イエスにそそぐ20の眼差し」といった宗教的な曲も特徴的である。また鳥の声を表現した「鳥のカタログ」なども代表的ではないだろうか。
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