キメハラとは、鬼滅の刃ハラスメントの略である。鬼滅の刃関連で肩身を狭くされる被害の事を指す。
概要
2016年に連載を開始した漫画「鬼滅の刃」は2019年のTVアニメ化をきっかけに大ブレイクした。2020年10月に劇場版が公開されると、その凄まじい勢いの興行収入の立ち上がりがさらに話題を呼び、今や社会現象にまで発展。原作は既に完結しているのだがなお人気は衰える事を知らず、一時は中古ですら原作漫画が手に入らないこともあったなど飛ぶ鳥を落とす勢いを維持している。人気は日本国内に留まらず、韓国や中国にも波及。鬼殺の剣というパクリゲーまで作られた。鬼滅の刃をパロディしたコスプレAVも凄まじい売り上げを記録しているようである。各自治体や企業はこれこそ町おこしやビジネスのチャンスと言わんばかりに次々に本作へと擦り寄った。普段アニメ関連の報道をしないマスコミや新聞ですら鬼滅の刃を取り上げるなど、勢いは留まるところを知らない。
しかし、人気作であるがゆえの問題も出始めている。2020年頃から鬼滅の刃に興味の無い人(あるいは知らない人)に対して執拗に作品を薦める。まだ作品を知らない人に対して「鬼滅を知らないなんて信じられない」と人格を疑う。全く関係の無いコミュニティに鬼滅の話題を持ち込む無思慮な行為に出る。…などと言った問題行動を行う輩が出現するようになった。
また強力な同調圧力により「作品に興味がない」「そんな作品知らない」「見てはみたがつまらない」と言い出せない雰囲気が作られており、肩身を狭くしている人々の姿が垣間見え始めた。いつ頃からか鬼滅の刃ハラスメント(キメハラ)という言葉が作られ、ぶつけようがない怒りや苦悩をツイッター等で吐露するようになった。鬼滅の刃はバイオハザードなどのホラー作品並みのグロテスクな描写が目白押しであり、決して万人向けの作品ではない。このため受け付けない人々もいるのだが、人気という同調圧力に操られた人が彼らを追い詰めているのである。どこに行っても繰り返し聞こえてくる鬼滅の名に、ウンザリしている人もいるようだ。
2020年11月3日に放送されたニュース番組「グッとラック!」ではキメハラを取り上げ、概要を説明した。また同番組のMCを務める立川志らく氏はキメハラを受けた事を暴露。「嫌な気持ちになった」と冗談交じりに語った。この影響でツイッターではキメハラがトレンド入りを果たしている。お笑いコンビのロザンも自身の公式Youtubeで苦言を呈しており、芸能界でもキメハラが横行しているようだ。また視聴率が取れるからか番組やお笑い芸人がこぞって鬼滅ネタに便乗し始め、公共の電波を使ったキメハラも目立つようになった。接点が無いはずの番組で突然鬼滅の名や主題歌を流され、気分を害したパターンも散見される。
キメハラの悪名が原作を上回る事が無いよう、同作のファンとそうでない人々の双方が互いに尊重する必要があると言えよう。
ただし、こういった行動や現象は過去に流行した作品のいずれにも見られる傾向であり、同作品のみを取り上げて悪とする指摘は的外れである。また、このキメハラという言葉は2020年10月から一部ネットニュースやまとめサイトなどで取り上げられてはいたものの、ほとんど表には出ていなかった。いわば同ニュース番組は「メディアによる放火」の役目を果たしてしまった可能性がある。
関連項目
脚注
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