『サイヴァリア(Psyvariar)』とは、2000年に株式会社サクセスが製作した、アーケード用弾幕シューティングゲームである。
同年にはマイナーチェンジ版である『~ リビジョン(Revision)』が、2003年には続編の『~ 2』が製作された。
概要
本作の特徴的なシステムとして、“BUZZ"がある。
BUZZとは敵や敵の攻撃を自機にかすらせる(当たり判定のギリギリまで接近する)ことである。
敵を倒す、もしくはBUZZを行うことにより、画面左上にある経験値ゲージが増えていき、いっぱいになるとレベルアップして自機の攻撃が強化される。レベルアップ中(約1秒強)は自機が無敵となっており、この瞬間の体当たりもまた強力な攻撃手段となる。
さらに、レベルアップ中もBUZZが可能なので、「BUZZ → レベルアップ → 無敵中にBUZZ → レベルアップ → ・・・」といった行動も可能。これが本作の攻略において非常に重要な意味を持っている。すなわちプレイヤーは、「敵の攻撃をいかに避けるか・防ぐか」が重要視される他の弾幕STGに対し、「ゲージを予め調節しておき、狙った弾幕に突っ込んでレベルアップ」が基本戦術となるほか、「危ないからあえて突っ込んでみる」といった非常にアグレッシブなプレイスタイルをとることになる。“敵を支配するSTG”、“危険行為推奨ゲーム”と呼ばれる所以である。
独特のシステムの他、敵の攻撃やBGMが非常に綺麗なのも本作の特徴。“弾幕の芸術”と評されることも多い。
……とはいえ、STGというジャンルにあってSTGらしくないため、STG愛好家の意見は二分される。具体的には、
- 弾を存分に出させる (STGの基本は「弾を出させない、出されても被害最小にする」)
- 攻撃せず、敵を倒さない (定石ならば「攻撃して敵を倒す」点に爽快感がある)
- 弾に突っ込まないと死ぬ (普通なら「避けないと死ぬ」)
この3つの要素から、普通のSTGが好きでもこの作品にとっつけないプレーヤーも多い。特にこれら三点によって引き起りやすくなるのが、「事故死」である。
STGをはじめとしたパターンゲームは、失敗原因を『プレーヤーの戦略不足』と『プレーヤーのミス』のどちらであるかに分けて、洗い出し、前者の部分を削ってゆくことで攻略を進める、というのが面白さの根幹にある。
しかし、弾幕系STGと同じ論理で攻略することはあまり意味をなさないため、発想の転換と脳内から発生するエラー(混乱)と戦うことが、最大の上達ポイントとなるだろう。
とはいえ、本作もSTGの例に漏れず、「ミスの原因になる戦略不足」が存在するため、それを理解し、攻略してゆくことが出来る作品である。それを突きつめてゆくスリルと快感は上記のとおり。アクは確かに強いものの、触れておいて損は無いだろう。
その後
サイヴァリア2発売から10年以上続編が出ていなかったが、2014年12月にiOSアプリ「サイヴァリア・リアセンブル」の配信が発表。その後サービスインするも2017年1月末をもってサービス終了。
その後、2018年8月にNintendo SwitchとPS4で、2019年1月にSteamで「サイヴァリア デルタ」が発売。発売・開発元はジャレコの版権を預かるシティコネクション社。MEDIUM UNITとREVISIONのカップリング移植に加え、リアセンブルのBGMを交えた新BGMパック「DELTA」が追加。また、ジャレコ作品「サイバトラー」の自機「ブランシュ」が使えるDLCが配信された。8方向への自由射撃、1回だけ被弾を無効にできるビームシールド、強力な近接攻撃のビームソードなど、ゲーム性をガラリと変える個性的なキャラである。
後日のアップデートにより新たなステージ構成「DELTA」が追加。REVISIONのステージを元にさらにアッパー調整を行っている。
2021年にはコットンシリーズの最新作「コットンロックンロール」にて、今作を擬人化したキャラクター「才波リア」が自機キャラとして参戦。今作の特徴であるBUZZシステムは横STGになろうが女の子になろうが健在。
関連動画
サイヴァリアR(リヴィジョン)
サイヴァリア2
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関連項目
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