スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券付き!
スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券とは、任天堂がスーパーファミコン(以下SFC)販売促進のために講じた手段の一つである。
概要
SFCのソフトを買うとこのクーポン券が付属し、ソフトと同時にSFCを買うと4000円分の割引を受けることが出来る。
時代背景
1995年前半、このクーポン券を導入する前のSFC市場はセガ・エンタープライゼズ社(当時)の次世代ゲーム機「セガサターン」、ソニー・コンピュータエンタテイメント社初のゲーム機「プレイステーション」という2つの32ビット機が、1台約4万円と高価なのにもかかわらず、発売半年余りでそれぞれ100万台販売を達成し、任天堂がほぼ独占していた家庭用ゲーム市場勢力図に変化が出てきた。
しかも、それに対抗するために開発が進められていた任天堂の次世代ゲーム機は、64ビットという当時最強のスペックであり、サターンやプレイステーションと同時期に発売すると約54000円という高価格が想定されるため、値段を抑えるための処置(機能の絞り込み、減価償却など)を行ったために開発が大幅に遅れ、このままでは任天堂のシェアが消滅してしまう危機に陥っていた。
そこで任天堂は、もはや旧世代機と化したSFCを少しでも延命させ、次世代機への「つなぎ」とするために、1995年夏から1996年春にかけて発売した「マリオのスーパーピクロス」「スーパードンキーコング2」「スーパーマリオRPG」「星のカービィ スーパーデラックス」にSFC本体を実質4000円も値引きするクーポンを同梱するという大胆な処置を講じたのである(SFCの拡張機能を生かした本体性能の向上は衛星放送を使用した「サテラビュー」の失敗によって頓挫しており、残ったテコ入れ手段が値引きしかなかったという事情もある)。
またこれ以外にもSFCの販売促進策として、
- 1996年春以降発売のSFCソフトの製造原価の値下げ・・当時主流の32ビットROM搭載ソフトの価格11000円前後だったのが8000円前後へ
- クーポンの有効期限が切れた1996年8月に、本体価格の値下げ・・値下げ前時点のクーポン使用込みの小売店価格約13000円からメーカー希望小売価格9800円へ
- 「SuperFXチップ(三次元描画方面強化回路)」「SA-1チップ(SFC本体のCPUと同じ性能を持った回路)」を搭載しカートリッジ側で性能向上をはかったソフト(「星のカービィスーパーデラックス(SA-1)」「ヨッシーアイランド(SuperFX)」「スーパードンキーコング3(SA-1)」「星のカービィ3(SA-1)」など)を定期的に発売
- 1999年~2002年にローソンの店頭サービス「ロッピー」などで書き換え可能なカートリッジを使ったソフト配信システム「ニンテンドウパワー」を展開・・書き換え用カートリッジは3980円、ソフトの書き換えには1000-3000円。のちにゲームボーイ用にも展開
等を行い、任天堂はSFCの市場を極力維持し続けた。そしてソフトが一本も出なくなってから長い月日がたった2003年の製造終了まで、本体の製造は続けられた。
SFCはファミコン期から続いた任天堂の黄金時代と、NINTENDO64にバトンを渡した96年からの非主流時代の両方を生き抜いた希有なゲーム機であったといえる。ゲーム機本体は製造を終了してしまったが、SFC市場が生み出した多数の名作ソフトは、今もWiiのバーチャルコンソールとして受け継がれている。
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関連項目
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