トルコ語とは、主にトルコで用いられているアルタイ語族に属する言語である。
概要
アルタイ語族のトゥルク諸語に属する言語。トルコ語そのものは現在のトルコでしか用いられていないが、それに近いものはアゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスといった中央アジアの国々で暮らすトルコ系の人々の間で話されている。
オスマン帝国時代はイスラーム諸国の中心であったこともあり、アラビア文字が使われていたが、ムスタファ・ケマルの改革によってラテン文字が使われる現在のトルコ語になった(アラビア文字時代のそれはオスマン語と呼ばれる)。文構造は述語が最後に来るSOV型で、アルタイ語族によくある母音調和を有している。
文字体系
大文字 | 小文字 | 音価 |
---|---|---|
A | a | [a] |
B | b | [b] |
C | c | [dʒ] |
Ç | ç | [tʃ] |
D | d | [d] |
E | e | [e] |
F | f | [f] |
G | g | [g] |
Ğ | ğ | - |
H | h | [h] |
I | ı | [ɯ] |
İ | i | [i] |
J | j | [ʒ] |
K | k | [k] |
L | l | [l] |
M | m | [m] |
N | n | [n] |
O | o | [o] |
Ö | ö | [œ] |
P | p | [p] |
R | r | [ɾ] |
S | s | [s] |
Ş | ş | [ʃ] |
T | t | [t] |
U | u | [u] |
Ü | ü | [y] |
V | v | [v] |
Y | y | [j] |
Z | z | [z] |
音韻体系
母音
前舌母音 | 後舌母音 | ||
---|---|---|---|
非円唇 | 広 | e | a |
狭 | i | ı | |
円唇 | 広 | ö | o |
狭 | ü | u |
母音調和
母音調和Ⅰ
語の最後にある母音が後舌母音の場合それに続く接尾辞や付属語の母音はa、前舌母音の場合はeになる。
母音調和Ⅱ
語の最後にある母音が非円唇の後舌母音の場合それに続く接尾辞や付属語の母音はı、非円唇の前舌母音の場合はi、円唇の後舌母音の場合はu、非円唇の後舌母音の場合はüになる。
子音
両唇音 | 歯音 | 歯茎音 | 後部歯茎音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鼻音 | m | n | ||||||||||||
破裂音 | p | b | t | d | (c) | (ɟ) | k | ɡ | ||||||
破擦音 | t͡ʃ | d͡ʒ | ||||||||||||
摩擦音 | f | v | s | z | ʃ | ʒ | h | |||||||
接近音 | (ɫ) | l | j | |||||||||||
はじき音 | ɾ |
無声化
無声子音で終わる単語の後ろにcやdなどで始まる接尾辞が来ると、無声化してçやtになる
文法
日本語と同じ膠着語なのでどこまでが一語かを示すために【】を用いる。
まずトルコ語の人称は以下の6つが存在する。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | Ben | Biz |
2人称 | Sen | Siz |
3人称 | O | Onlar |
名詞文
最初に名詞文の作り方を見てみよう。肯定の場合は名詞・形容詞に人称付属語をつけるのだ。
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | Ben _(y)(Ⅱ)m | Biz _(y)(Ⅱ)z |
2人称 | Sen _s(Ⅱ)n | Siz _s(Ⅱ)n(Ⅱ)z |
3人称 | O _ | Onlar (_l(Ⅰ)r) |
疑問文は【名詞/形容詞】 + 【m(Ⅱ)+ 人称接尾辞】、否定文は【名詞/形容詞】 + 【değil+ 人称接尾辞】となる。
ちなみに名詞の複数形は、 + l(Ⅰ)r、である
続いて有無の表現を見てみよう。
有無を表現するにはvar(ある/いる)、yok(ない)を用いる。
例:リンゴはある。しかしオレンジはない。 Elma var. Ama portakal yok.
動詞文
現在進行形
現在進行形はまず語幹に_(Ⅱ)yorをつけ、その後ろに人称付属語をつける
例:私たちはトルコ語を習っている。 Biz Türkçe öğreniyoruz.
疑問文は【動詞語幹 + (Ⅱ)yor】 + 【mu + 人称付属語】、
否定文は【動詞語幹 + m(Ⅱ)yor + 人称付属語】。
未来形
例:私はサラダを食べます。 Ben salata yiyeceğim.
疑問文は【動詞語幹 + (y)(Ⅰ)c(Ⅰ)k 】 + 【m(Ⅱ) + 人称付属語】、
否定文は【動詞語幹 + m(Ⅰ) + (y)(Ⅰ)c(Ⅰ)k + 人称付属語】。
現在形
主に習慣的なことを表す。
動詞が母音で終わっている場合と子音で終わっている場合の二つに分かれる。
母音で終わっている場合:【動詞語幹 + r + 人称付属語】
語幹が単音節で子音で終わっている場合:【動詞語幹 + (Ⅰ)r + 人称付属語】
語幹が複音節で子音で終わっている場合:【動詞語幹 + (Ⅱ)r + 人称付属語】
例:学校は9月に始まる Okullar eylülde başlar.
疑問文は【動詞語幹 + r / (Ⅰ)r / (Ⅱ)r】 + 【疑問付属語 + 人称付属語】
否定文は少しややこしいので後で加筆する。
過去形
話者が実際に確信を持っている場合にのみ使う。
前の語の最後がa, ı | e, i | o, u | ö, ü | |
---|---|---|---|---|
Ben | _m | |||
Sen | _n | |||
O | _ | |||
Biz | _k | |||
Siz | _n(Ⅱ)z | |||
Onlar | (_l(Ⅰ)r) |
そのため以下のようになる
【動詞語幹 + d(Ⅱ) + 人称接尾辞】(※dは無声化でtになることもある)
例:姉は母にプレゼントを贈った Ablam anneme hediye verdi.
伝聞形
命令形
義務形
提案形
可能形
※作成予定あり
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関連項目
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