ハディージャ・ビント・フワイリド(خديجة بنت خويلد)とは、イスラム教の開祖・預言者ムハンマドの妻である。
ムハンマドにとって最愛にして糟糠の妻。
概要
メッカに暮らすクライシュ族の女商人で、財力と美しさを兼ね備えた婦人であった。
二度結婚し、両方夫と死別した未亡人で、再婚の申し込みが絶えなかったが、誠実な商人であり部下であるムハンマドに求婚し、結婚する。ムハンマドは6歳の時に母親であるアーミナを失っており、15歳年上のハディージャに母性愛を感じていたと言われる。
先夫から相続した遺産により裕福であったため、ムハンマドは経済的な自由を得た事で瞑想に耽る事が出来た。
40歳にムハンマドが啓示を受けた時は、霊能力者のいとこを訪ね、ムハンマドに降りた啓示が本当かどうか確かめた。それが本当だと判明すると心から喜び、イスラームの布教のために邁進することになる。このため、彼女は人類初のイスラム教徒であった。
ハディージャとムハンマドの間には6人の子供が生まれたが、2人の男子は早世し、3人の女子も長生きは出来なかった。四女のファーティマは無事に成長し、後に第4代正統カリフとなるアリーに嫁いでいる。
619年にハディージャは病を得て、夫に看取られながら死去。更にムハンマドの叔父アブー=ターリブ(アリーの父)が死去する。
ムハンマドの後ろ盾の相次ぐ死により、イスラムに反発するクライシュ族の多数派をはじめとしたメッカの住人らによる弾圧が始まる。これが一因となり、ムハンマドはヒジュラ(聖遷)を決意してメディナに活動拠点を移す事となった。
これらの出来事により、619年は「悲しみの年」と呼ばれる。
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