概要
本作は「別册文藝春秋」2016年7月号から2018年1月号に連載されたのち、文藝春秋より2018年5月31日に刊行された。父親を殺害したとして逮捕された女子大生と彼女の取材をする臨床心理士、さらにそれぞれの周辺人物を通じて現代家族の闇を描く作品になっている。島本はこの作品で第159回直木三十五賞を受賞した。
真木よう子主演でテレビドラマ化され、NHK BSプレミアムにて2020年2月に放送された。また堤幸彦監督・北川景子主演で映画化もされ、2021年2月11日より公開された。
あらすじ
女子アナ志望の女子大生・聖山環菜が父親を刺殺した容疑で逮捕された。環菜が逮捕直後に「動機はそちらで見つけてください」と発言したこともあってマスコミがセンセーショナルにこの事件を報じる中、臨床心理士・真壁由紀の元には彼女を取材しルポタージュにしてほしいとの執筆依頼が入る。由紀は義弟で国選弁護人の庵野迦葉と協力しながら環菜と接見したり、手紙のやり取りを交わしたりする。その過程で由紀もまた、自分の生い立ちなどについて向き合っていくようになる。
主な登場人物
- 真壁由紀【テレビドラマ…真木よう子/映画…北川景子】
- 臨床心理士で夫と息子の3人ぐらし。クリニックでのカウンセリングの傍ら、教育番組へコメンテータとして出演する程度の知名度はある。聖山環菜のルポタージュ執筆依頼を受け、彼女の取材を進める。
- 真壁我聞【テレビドラマ…吉沢悠/映画…窪塚洋介】
- 由紀の夫。かつては報道写真家を目指していたが、結婚を機にその道を諦めた。現在は結婚式場のカメラマンとして働く傍ら、主夫業もこなしてくれる。
- 庵野迦葉【テレビドラマ…平岡祐太/映画…中村倫也】
- 弁護士で由紀とは大学の同期。幼いころ両親に捨てられ叔母(=我聞の母)のもとで育てられたことから、我聞とは実質兄弟のように育っている。国選弁護人として環菜の事件を担当。
- 聖山環菜【テレビドラマ…上白石萌歌/映画…芳根京子】
- 女子大生。都内テレビ局でアナウンサーの採用試験を受験した日、父親の那雄人を殺害したとして逮捕された。「美人すぎる殺人者」としてマスコミのネタになる。
- 聖山那雄人【テレビドラマ…飯田基祐/映画…板尾創路】
- 画家。環菜の父親だが血のつながりはない。勤務先である二子玉川の美術学校で、環菜が持ち込んだ包丁により死亡する。
- 聖山昭菜【テレビドラマ…黒木瞳/映画…木村佳乃】
- 環菜の母。那雄人とは美大時代の同級生で、学内でも一二を争う美人だった。環菜の逮捕後は彼女を一切擁護せず、それどころか検察側の証人として出廷することに。
- 賀川洋一【テレビドラマ…戸塚純貴/映画…清原翔】
- 環菜の元彼。写真週刊誌から環菜との関係などについて取材を受ける。
- 小泉裕二【テレビドラマ…忍足修吾/映画…石田法嗣】
- 元コンビニ店員で現在はゲーセンの店長。10年前、家を追い出された環菜を自宅で保護したことがある。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
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