ブガッティ・ヴェイロン EB16.4( Bugatti Veyron EB 16.4 )とは、フランスのブガッティ・オトモビルが開発した自動車である。
概要
フォルクスワーゲンの完全子会社及びブランドであるブガッティ・オトモビルが製造・販売する、ミッドエンジン4WDフルサイズ・グランドツアラー。通称はヴェイロン、ヴェイロン16.4、ベイロンとも。開発コンセプトは1000ps以上、最高速度400km/h以上であり、実際に最高速度407km/h(253mph)にも達する地上のコンコルドとも呼ぶべきスーパーカーである。
開発者はマルク=オリヴィエ(Marc-Olivier)。名称は初期ブガッティのエンジニア、レーシングドライバーであるピエール・ヴェイロン(Pierre Veyron)にちなむ。
1999年の東京モーターショーにてブガッティ EB18/4 ヴェイロンとして初めて紹介された。当初はW型18気筒エンジンを搭載するモデルであったが、2000年のパリ・モーターショー(モンディアル・ド・ロトモビル、Mondial de l'Automobile)にてW型16気筒エンジンへと仕様変更された。この際にモデル名称も現在のものとなる。
2005年の東京モータショーにて現在のモデルを正式発表。2006年6月から世界300台限定の受注生産が開始された。日本では限定15台が割り当てられるが、もしこれ以上の受注がある場合、世界での受注が300台を満たしていなければ15台以上を日本に割り当てるとの事。現在、日本の正規代理店であるニコル・レーシング・ジャパンでの定価は税込み1億7900万円、アメリカ合衆国でのメーカー希望小売価格は125万ドルである。
2008年、アメリカのペブルビーチ・コンクール・デレガンスにて、オープントップ・ロードスター(コンバーティブル)モデルのブガッティ・ヴェイロン グランドスポーツ(Grand Sport)を正式発表。こちらは世界150台限定の受注生産であり、ニコルレーシングジャパンでの定価は2億5300万円。
W16エンジン+4ターボチャージャー
ヴェイロンは、フォルクスワーゲン製のW型16気筒DOHC64バルブ4ターボ(クアッドターボ)チャージドエンジンを搭載している。全長71cm、重量400kgもの大きさであり、排気量7,993cc、最大出力1,001ps/6,000rpm、最大トルク127.5kgf・m/2200-5500rpmを発揮するモンスターエンジンである。
冷却には、冷却水50Lとエンジンオイル23Lが必要である。又、ラジエーターは、エンジンクーリングシステムに4基、インタークーラー熱交換器として1基、エアコンシステムに2基、トランスミッションオイルに1基、ディファレンシャルオイルに1基、エンジンオイルに1基の計10基が使用されている。
史上最速の市販車
2005年4月19日、ドイツ北部に位置するフォルクスワーゲン私有のテストコース、エーラ・レッシェン テストトラック(Ehra-Lessien test track, 全長約96km、直線区間約9km)にて、6回の走行による公式平均最高速度408.47km/h(253.81mph)を記録。この公式記録は、国際自動車連盟(FIA)やギネス認定の公式記録ではない。
2006年11月には、TopGearの司会者ジェームズ・メイも同テストトラックにて非公式最高速度407.9km/h(253.5 mph)を記録している。
しかし、2007年にアメリカ、シェルビー・SSCアルティメイトエアロがギネス認定公式平均最高速度412.28km/h(1回の走行で最高速度414.31km/h)を記録し、市販車最速の座は奪われた。
が、2010年にエンジンをさらに1200馬力にチューンアップし、より高性能な空力ボディを採用したブガッティ・ヴェイロン スーパースポーツがギネス認定公式平均最高速度431.072km/h(一度の最高速は434.211km/h)を叩きだし、再び市販車最速の座を奪回した。
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