ローズ島共和国(Republic of Rose Island)とは、1968年にアドリア海公海上の人工島に建国され、1969年に消滅した国家。当時も今も他国から国家の承認を受けておらず、現在は人工島自体が存在しない。
初代大統領:ジョルジオ・ローザ 公用語:エスペラント語 通貨単位:ミル
人口:1人(当時)
概要
イタリア人のジョルジオ・ローザが勝手に作った人工島を国土として独立宣言した国家であり、当然のように世界のどの国からも承認されていない。ローザは公海の自由な利用を定めたジュネーブ公海条約に基づき、アドリア海のイタリア領海外300m付近の浅瀬に海底油田用プラットフォームに似た形状の人工島を建造、これをローズ島として建国した。
自らを大統領として5人の大臣を任命したが、ローザを含めて閣僚は島を住居としていない。人口の1人というのは、別の人物が貸借して住んでいたためである。ローズ島の名称はローザ大統領の名前からではなく、海上の花園となるよう花のバラから付けたもの。バラは国旗のデザインにも盛り込まれている。島には売店やレストラン、郵便局があり、勝手に作った切手を売っていた。通貨の「ミル」は名称のみで紙幣や貨幣は発行はされなかった。
カジノを作る計画があったこともあり、イタリア政府はカジノの収益を脱税する計画と見て海上封鎖し、独立後二ヶ月と経たず武装警察と税務調査官に占拠された。ローザはジュネーブ公海条約を批准しているイタリア政府の主権はローズ島に及ばず、これは軍事侵略だとして反論したが、イタリアの最高裁判所は公海上に勝手に構造物を作ること自体が他者の自由な利用を妨げると判断、判決で人工島の取り壊し命令を下す。こうしてローズ島共和国は1年の短い歴史を閉じた。ローズ島消滅後、ローザ大統領は亡命政府を主張し、同共和国の切手を販売し続けたという。
歴史
1964年、ジョルジオ・ローザがアドリア海の公海上に勝手に人工島を建設開始。
1968年、ローズ島共和国として独立宣言(6月24日)。船舶の航行障害とカジノ収益の脱税防止を理由に警察・税務調査官が上陸。ローズ島にイタリアの主権が及ぶかどうかの是非が裁判で争われる。
1969年、イタリア最高裁でイタリア政府が勝訴。同年、イタリア海軍により島が爆破され、ローズ島共和国は消滅。
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関連項目
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