丁字路(ていじろ)とは、直角に3つの道路が接続されている交差点である。T字路(ティーじろ)とも。
概要
交差する道路の規模にかかわらず使用できる。上から見た時の形状が「丁」や「T」に似ていることからこの名前がついている。
日常会話では単に「突き当たり」と言われることも多い。歴史的には、城下町や宿場町などで敵の侵攻を防ぐために、丁字路を多く設けた地域もある。
- 信号機付きの丁字路
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この中では比較的規模が大きい。突き当たりには大きな建物や、地形上回避できない崖・河川などがあることが多い。
ただし、歩道や車両の通れない非常に狭い道などが丁字路の向こう側に伸びていることがある。
ほかにも、計画途中の道路の末端でも見られることがあり、丁字路の向こう側では工事が進んでいることもある。この場合、丁字路が将来的には十字路になることも多い。
稀にインターチェンジの一般道との接続部分でも見られることがある。
2車線の道路が丁字路に突き当たっている側の場合、左側が左折専用、右側が右折専用というわかりやすい様子になることが多い。
(例)東京都中央口交差点、やまびこ大橋交差点(神奈川県)など - 信号機のない丁字路、直進するほうが優先道路
この場合は幹線道路側が優先道路となるため、突き当たりになる狭い道路では一時停止をする必要がある。車両が左側通行の日本では左折するほうがスムーズに行けることが多く、状況次第では右折は困難となる。中央分離帯があったり、右折が禁止されていたりする交差点の場合は左折しなければならない。
(例)京都市南区、任天堂本社北- 信号機のない丁字路、優先道路が曲がる
丁字路で曲がっていた昔からの主要道がそのまま幹線道路になってしまったパターンも多い。大半の車両はこの交差点で右折・左折しており、センターラインもその方向に沿って引かれていることが多い。このタイプの丁字路の数は少なめ。狭い側の道路の影が薄かったり、道路の接続部が事故防止のために若干曲げられていることもあり、丁字路ではなく単なる曲がり角やカーブとして認識されていることもある。
(例)東京都港区、柘榴坂西- 信号機のない丁字路、どちらが優先道路とも言いにくい
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両方ともに道幅が同程度である場合。最も数が多く、ビル街・住宅街・農地・山奥のどこでも頻繁に見られる。個人の家の入口が丁字路になっていることもある。
見通しが悪い場所が多いため事故も起こりやすい。左右が見通せるようにカーブミラーが設置されていることもある。道路上には「T」の白い表示がされていることもある。
(例)東京都渋谷区神宮前一丁目15(ニコニコ本社跡北)
名前
もともとは「丁字路」が多く使われていた。実際に青空文庫で検索した結果でも「丁字路」のほうが多くヒットしており、他にも「丁字形」「丁字街」「丁字髷(ちょんまげ)」「丁字櫂」「丁字簾」などの用例がある。
私が、肘かけ窓の柱に凭れて、一人所在なく起きてゐる二階は、細い、長い袋小路の中ごろで、丁字路の一方の角の家なのだが、袋町といふ名の通り、この角で行止りに見えるほど、行儀わるくくひちがひになつてゐる。
「ちょうじろ」と振り仮名をつけるものもあった。しかし、校閲などの特殊な場合を除いて(参考)、現代ではあまり「ちょうじろ」の読みは使われないと思われる。
左側は秧を植えたばかりの水田になって、その水は黒い中にどろどろしたぬめりを見せていた。そこからは一面に蛙の声が聞こえていた。彼はその路を往って丁字路(振り仮名:ちょうじろ)になった路の往きづめの林の入口についた。それが雀が森の林であった。
一方で、「T字路」「T字交差点」などの用例も存在する。
目的の家はT字路の一角に建った格子造りの二階家だった。裏口に二人、辻々の要所に一人宛同僚を立たせて、表口から石子、渡辺が這入る事に手筈を極めた。
駅前から続いている商店街を、ふたりは抜けていった。やがて正面にT字交差が見えた。
「あそこを僕は右へいく」
と洋介は言った。
「私は左です」
恵理子が答えた。そして、
「川へいってみましょうよ」
と、彼女は言った。
現在では「丁字路」「T字路」のどちらも慣用的に使われるようになってきており、文字の形状も大して変わらず意味は通じるため、日常的にはどちらを使っても間違いとも言えない状態になっている。ニコニコ動画・静画では「T字路」の検索結果のほうが多い。
関連動画
関連静画
関連項目
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