「はっ!かっ!たっ!の塩!」のメロディー |
伯方の塩とは、愛媛県の伯方塩業株式会社が製造、販売している食塩のことである。
メキシコの塩田で作られた天日塩を原料として輸入し、瀬戸内海の海水で精製することで自然塩を製造している。
特にCMで流れる「はっ! かっ! たっ! の 塩!」というインパクトのあるサウンドロゴで有名。
サウンドロゴについては、2023年に作曲者が浦田博信氏、声優は音楽家の塩谷信廣氏であることが公表されている(浦田氏は「ノーベルVC3000のど飴」や「眼鏡の愛眼」も手掛けている)。[1]
歴史
伯方ソルターの皆さんにはぜひ知っていただきたいためここに記す。
1971年、塩業近代化臨時措置法が施行された。これは簡潔に述べれば、
という二つの内容からなる法律で、これにより日本においては、イオン交換膜法により生産される塩(ほぼ純粋な塩化ナトリウム)以外の塩を生産することが事実上不可能となった。この結果として日本の海岸から、無形文化財、神事用を除いて塩田は全て消え、全国七ヵ所のイオン交換樹脂膜製塩工場がとってかわることとなった。
この法律は、折しも高度経済成長期、工業化・近代化の中、産業界からの大量生産・コストダウン・純粋な塩化ナトリウムへの要求により施行されたものであると言われているが、塩田を無くすことで海浜部を工業用地に転換するために施行されたとも噂されている。
そんな中、日本人が長年親しんできた自然塩の消滅や、化学的製法による塩化ナトリウムの「食塩」としての流通に不安を抱き、もともと塩を製造していた廃業事業者や市民による消費者運動が行われた。これにより国は輸入塩ににがりを混ぜた塩や、流下式塩田を応用した製法の塩の製造などについて、一定の制約のもとに認めることとなった。
その後、1985年に日本専売公社が日本たばこ産業に民営化され、塩の販売も徐々に自由化が進むようになった。1997年3月末、塩専売法は撤廃され、塩事業法に移行。同法の経過措置が終了した2002年4月、ついに塩の製造が自由化されたのである。
誕生秘話
1970年、塩田を廃止してイオン交換膜製塩に転換することに対して警告し続けていた、香川県の故西本友康氏に啓発された愛媛県松山在住の有志が中心となって、塩田塩を残すための運動を始めた。
「食塩の品質を守る会愛媛支部」が設立され、署名運動を始める。活動の成果として5万人の塩田塩存続の署名を持って各政党に請願・陳情運動を展開し、国会で取り上げられるも、1971年12月、ついに塩業近代化臨時措置法は施行され、塩田は全廃されることとなった。
しかしその後も、愛媛支部は「自然塩を守る会」、さらに「日本自然塩普及会」と改称し、中心となって他の団体とともに活動を続けた。その結果、条件付きでの製造を認めさせることに成功したのである。
しかし、再び壁にぶつかる。国は許可は出すが塩の製造は請け負わないとしたため、欲しければ自分たちで作るしかない、という状況になったのである。こうして製造会社をつくる必要ができた同会は、「伯方塩業株式会社設立準備委員会」を発足し、専売公社に許可を申請。「専売公社がメキシコ、オーストラリアから輸入している原塩を使うこと」「平釜(熱効率が悪い)を使用すること」「専売公社の販売する専売塩を誹謗してはならない」などの条件のもと、昭和48年6月6日、日本専売公社より委託認可を得る。
「一口十万円、無担保、無保証、無期限の塩による出世払い」という無茶な条件での出資を募ったところ、なんとたちまちに数百万の資金が集まり、無事会社は設立されたという。
1983年8月13日、「特殊用塩委託通知番号 四塩業第34号」の認可の下、伯方塩業株式会社創業。伯方の塩の誕生である。
メキシコ産原料について
冒頭にもあるが、伯方の塩の原料はメキシコ産である。
これは上述のように、伯方塩業がそもそも専売公社が輸入していた海外産天日塩を加工するところから始まったことを考えれば、至極当然のことである。
現在では原料塩の取り引き先は完全に自由化されているが、引き続き伯方塩業は
メキシコの天日海水塩を使用している。
これは、
- 現状塩田を作ることが難しい日本では、製造初期段階で海水を鍋で煮詰める作業が必要となるが、これにおいて大量の燃料を使用するため無駄が多いこと
- メキシコ塩の産地であるゲレロネグロ近海は、世界遺産にも登録されるほど清浄な海であり、原料塩として質が良いものであること
の二つが理由である。
尚、「伯方の塩」は再製加工塩とよばれるもので、「あらしお」「赤穂の天塩」などもこれに類する。
そしてついにランキング化
2009年初頭に、伯方の塩ランキング 2008が誕生した。
これで伯方の塩もニコニコの中で一つのジャンルとして確立したといっても問題はないであろう。
そして時は2010年・・・
関連コミュニティまで出来てしまった
しおたんのお絵カキコ
数が増えてきたので、伯方の塩のお絵カキコに分離しました。
関連項目
脚注
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