加越とは、国鉄からJR西日本にかけて運行されていた列車名である。
概要
急行加越は高山本線初の急行列車として名古屋~金沢間に設定されていた。老舗準急ひだを差し置いての高山本線初の急行列車ではあったが、そのひだが高山本線初の特急として設定されたヨンサントオのダイヤ改正で、高山本線の急行列車はのりくらに統一されたので急行としては廃止された。
特急加越は設定の前年に湖西線が開業した事により、それまで大阪~米原~北陸と運行していた特急雷鳥が米原駅を経由しなくなった事から、米原駅や東海道新幹線利用者の利便性を図るために米原~金沢・富山間に設定された。名古屋~米原~金沢・富山の特急しらさぎや、米原~金沢間の途中の停車駅を福井駅だけにした特急きらめきに比べると若干地味な特急であったが、それでも30年近くは走り続けていた。
車両は主に485系が使用されていたが、2003年7月19日には新車の683系に統一されている。同年6月1日のしらさぎに続く683系への統一であったが、その同年10月1日に東海道新幹線品川駅開業に伴う全国的なダイヤ改正で米原駅発着のしらさぎという事になり、加越の名称は廃止されてしまった。加越の683系使用は僅か2ヶ月強であった。
尚、ゴーサントオのダイヤ改正ではつかり・ひばりに代表される東北特急がスピードダウンしてからの一時期は、加越の列車名は在来線特急の表定速度が一番速い列車名であった事も記載しておく。
廃止直前の運行形態
停車駅
名古屋~米原~金沢・富山間のしらさぎ8往復との合計停車本数も記載する。合計停車本数は上下共同じ。
駅名 | 米 原 駅 |
長 浜 駅 |
敦 賀 駅 |
武 生 駅 |
鯖 江 駅 |
福 井 駅 |
芦 原 温 泉 駅 |
大 聖 寺 駅 |
加 賀 温 泉 駅 |
小 松 駅 |
松 任 駅 |
金 沢 駅 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
下り | 7 | 3 | 7 | 7 | 5 | 7 | 7 | 2 | 7 | 7 | 3 | 7 |
上り | 7 | 3 | 7 | 7 | 6 | 7 | 7 | 1 | 7 | 7 | 2 | 7 |
しらさぎとの合計 | 15 | 6 | 15 | 13 | 10 | 15 | 15 | 2 | 15 | 15 | 4 | 15 |
列車名の由来
目的地の石川県・富山県の旧称である加賀国・越中国の頭文字より。
列車名の変遷
急行加越
1963年4月 高山本線経由で名古屋~金沢間を運行していた準急ひだ1往復を急行加越に格上げ。
1968年10月 急行のりくらに改称された事から急行加越の名称廃止。
特急加越
1975年3月 湖西線経由のダイヤ改正で特急加越が米原~金沢間に2往復・米原~富山間4往復の計6往復が設定される。
停車駅は米原(6/6) - 長浜(1/6) - 敦賀(6/6) - 武生(2/6) - 鯖江(1/6) - 福井(6/6) - 芦原温泉(6/6) - 加賀温泉(6/6) - 小松(6/6) - 金沢(6/6) - 石動(1/4) - 高岡(4/4) - 富山(4/4)
1982年11月 金沢駅発着便を1往復増発し加越は7往復に増発。
1985年3月 運行区間を米原~金沢間7往復・米原~富山間1往復とし加越は合計で8往復に増発。
1988年3月 同区間に特急きらめきが設定されるが加越の本数は8往復のまま。
1989年3月 2往復を名古屋駅発着のしらさぎに変更し加越は6往復となると共に運行区間が全て米原~金沢間となる。
1991年9月 加越1往復をきらめきに変更して加越は5往復になる。
1997年3月 きらめき2往復を吸収して加越は7往復となる。
2003年10月 米原駅発着のしらさぎとなり加越の名称は廃止になる。
関連動画
関連項目
- 鉄道列車名一覧
- 高山本線・北陸本線
- 485系・683系
- 日本国有鉄道・JR西日本
- しらさぎ(特急) - 加越はこの列車に吸収された
- きらめき(列車) - 国鉄民営化後の一時期に同区間を運行していた特急
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