湖西線とは、滋賀県南西部~北西部を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の路線である。
概要
かつて膳所駅~近江今津駅を結んでいた江若鉄道(現・江若交通)の路盤を一部転用する形で建設され、関西圏と北陸地方とを結ぶ短絡ルートとして1974年7月20日に開業した路線であり、殆どが高架であり踏切がない。その為、最高速度120km/hである485系においても湖西線内では130km/h運転が特例として認められている。
一方、681系・683系は湖西線内では160km/h運転も行えるが、足の遅い車両もある事とホームドア等の安全対策が整っていない為130km/h運転となっている。
「比良おろし」と呼ばれる強風の影響で速度規制や運転見合わされる事もあり、その場合は「サンダーバード」などは米原経由に変更される。ただ、防風柵の工事が行われた為規制の緩和が行われている。強風時は和邇行きが運転されることもある。
※「サンダーバード」などは迂回時の米原経由ダイヤもあらかじめ設定されている。 その際は実際のダイヤから約20分~40分ほどの遅延が発生する。(敦賀駅にて接続する北陸新幹線つるぎ号もコレに合わせて出発を遅らせる事になる為、あらかじめ遅延した場合のスジも設定されている。この場合大宮駅・東京駅方面に遅れを持ち込まないようにする為に途中駅でかがやきに抜かれる事もある。)
また、台風や爆弾低気圧の影響も受けやすく、2017年10月21~23日にかけて日本列島を直撃した台風21号の影響で、架線電柱が9本倒壊した。この時は一部列車は終日運休したり、倒壊区間手前まで折り返し運行された。サンダーバードは終日米原経由で運行され、一部編成の運休が決定した。
在来線としては高規格である為、北陸新幹線敦賀以西のルートの候補(ミニ新幹線化やフリーゲージトレイン)にも挙がっているが、新幹線としては東海道新幹線よりも低規格である事や前述の比良おろしの影響、電化方式の違い等もあって実現の可能性は低い。→小浜京都ルートに決定しました。
管轄はJR西日本近畿統括本部(京都支社)。山科駅~永原駅間はアーバンネットワークに含まれている。また、東海道本線京都~山科間・北陸本線近江塩津~敦賀間を含める形で路線記号とラインカラーが設定されている。ラインカラーは水色で路線記号は「B」。駅番号は近江塩津駅のB-10から山科駅のB-30までが付与されている。
なお、起点は山科駅だが列車は京都駅に直通する。
開通から50周年となる2024年に京都鉄道博物館にて50周年記念イベントが実施され、521系E04編成が湖西線代表として展示された。
※ちなみに、若狭地区の大阪短絡ルートとして近江今津駅と小浜線上中駅とを結ぶ若江線の計画もあるが、鉄道省時代から現在まで計画段階のままであり、JRバスが走っている。北陸新幹線敦賀~新大阪の経由ルートが小浜・松井山手経由なのもこの計画と後述の延伸計画を発展させたものと解釈出来る。(米原ルートだと東海道新幹線がパンクする・JR西日本的に旨味が少ない・米原~新大阪間不通時代替ルートが手配出来ないと言った理由もありそうだが)
延伸計画
国鉄時代には山科駅から更に大阪方面へ延伸する計画もあった。山科駅から片町線の一部区間を経由して新大阪駅付近に至る路線であり、山科駅の配線もこの延伸に対応出来るようにされていると言われている。
この計画が実施されていれば大阪~北陸を結ぶ高速短絡路線が完成していたのだが、国鉄の財政悪化もあって計画は実施されていない他、北陸新幹線の敦賀駅以南の建設ルートも概ね決まった為今後も実施される予定もない。
ただ、この計画のうち新大阪駅付近の一部区間はおおさか東線の計画区間と重複している。
駅一覧
新 快 速 |
駅名 | 備考 |
● | 山科駅 | 西日本旅客鉄道(JR西日本):AB東海道本線(琵琶湖線)直通 京都市営地下鉄:東西線乗り換え 京阪電気鉄道:京津線(京阪山科駅)乗り換え |
● | 大津京駅 | 京阪電気鉄道:石山坂本線(京阪大津京駅)乗り換え |
│ | 唐崎駅 | ○全国市町村国際文化研修所最寄り駅 |
● | 比叡山坂本駅 | 京阪電気鉄道:石山坂本線(坂本比叡山口駅)乗り換え |
│ | おごと温泉駅 | 駅前に足湯あり(平日9:00~17:00) ○近くにスーパー銭湯・温泉・リゾートホテル多数 |
● | 堅田駅 | 普通電車一部折返し ○ピエリ守山最寄り駅(対岸だけど) |
│ | 小野駅 | |
│ | 和邇駅 | |
│ | 蓬莱駅 | |
※ | 志賀駅 | 新快速は通常は通過するが、止まる場合もある |
│ | 比良駅 | |
● | 近江舞子駅 | 当駅以降新快速は各駅停車 |
● | 北小松駅 | |
● | 近江高島駅 | ○大溝城 本丸天守台跡 |
● | 安曇川駅 | |
● | 新旭駅 | |
● | 近江今津駅 | 当駅以北は通年ドア半自動扱い 当駅から新快速は後ろより8両切り離し4両編成 ○竹生島クルーズ(今津港/琵琶湖汽船) ○小浜⇔近江今津バス乗り換え |
● | 近江中庄駅 | |
● | マキノ駅 | |
● | 永原駅 | 試運転列車は京都駅方面より当駅まで運転 |
● | 近江塩津駅 | 西日本旅客鉄道(JR西日本):AB北陸本線乗り換え |
駅名標
山科駅・大津京駅・堅田駅・小野駅・近江今津駅以外のホーム上の駅名標は他路線で見られるLED付の所謂箱型ではなく、板一枚に蛍光灯で照明がなされる簡素なものとなっている。前述の駅でも山科駅以外他路線のものよりサイズはかなり小さくなっている。(山科駅は琵琶湖線も兼ねているため他路線と同サイズ)
ダイヤ
琵琶湖線と比べて本数はかなり少ない。堅田駅・近江舞子駅・近江今津駅を境に本数が減っていく。
それでも一番本数が少ない近江今津駅~近江塩津駅間は他地方の県庁所在地駅レベルの本数はある。
そのダイヤの少なさもあってかJR西日本の新製電車車両の試運転は営業運転開始後の線区に関わらずこの路線を永原まで走ることが多い(この場合、永原~近江今津で何度か往復した後吹田総合車両所に回送される)。
使用車両
特急「サンダーバード」
- 681系・683系(吹田総合車両所京都支所)
湖西線内では一部列車が堅田駅・近江今津駅に停車する(以前は大津京駅にも停車する列車があった)。2024年3月改正時点で該当するのは下りが7・43(近江今津のみ)・45・47・49(堅田のみ)号、上りが2・4・38号。
ローカル列車
- 223系・225系(網干総合車両所)
快速・新快速は全て両系列による運行。ほかに運用の間合いで一部の普通列車にも充当される。敦賀発着列車はホーム有効長の関係で近江今津駅以北は4両編成となる。 - 221系・223系2500番台・223系6000番台(吹田総合車両所京都支所)
嵯峨野線との共通運用で、4両・6両編成もしくは4両を2本繋げた8両編成で運転される。
223系2500番台は元々は阪和線向けであったが2022年に減便に伴い日根野から京都に転属し、塗装や内装をいじることなく2023年より運用入り。113系と117系を置き換えた。2本つなげる時は221系・223系各番台を問わず連結するので鉄道ファン的に嵯峨野線共に面白い路線として挙げられる。
223系には嵯峨野線向け「森の京都」ラッピング車両もあるが、嵯峨野線との共通運用のため滋賀県の湖西線にも顔を出す。2024年3月のダイヤ改正でスピードアップがなされ、京都~近江今津間の普通が退避なしで59分位で運転出来るようになった(これはゆとりダイヤ導入前の113系普通のダイヤ並の所要時間である)。 - 521系(金沢車両区敦賀支所)
2006年の敦賀直流化によって投入されたE編成5本のみが近江今津駅以北に乗り入れる(朝晩のみ)。これらの編成は製造費を滋賀・福井両県が負担し、2017年3月までは敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室所属扱いであった。
過去運用されていた車両
- 113系・117系(吹田総合車両所京都支所)
117系は6両編成、113系は4両または8両編成で運転される。ちなみにここの113系は当線向けの寒冷地対応で、のちに110km/h高速化改造を受けた5700・7700番台である。
日根野からやってきた223系2500番台に置き換えられ、2023年4月1日に運用を離脱した。 - 207系・321系(網干総合車両所明石支所)
朝夕に京都~近江舞子まで乗り入れていた模様 - 201系・205系
こちらも朝夕に堅田まで乗り入れていた。一時期混雑緩和の為に113系に変わって永原まで走っていたこともあった(鉄道ファン2005年2月号より)
関連動画
出場試運転関連
音MADとか
関連項目
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