湯切り大失敗とは…
ベルギーGPの名物「スパ・ウェザー」
F1でベルギーGPが開催されているサーキット「スパ・フランコルシャン」は、山間部に位置するため天候の変動が激しい。決勝レースも雨天の中で開催されるケースが多く、「スパ・ウェザー」と呼ばれる同コースの名物として知られている。
雨の中のレースは水しぶきが飛ぶので視界は最悪。加えてマシンの操縦も難しいので、アクシデントが発生しやすい。
湯切り大失敗
スタート直後、1コーナーを抜けた先で悲劇は起きた。4番手を走っていた「ペヤング先生[1]」ことデビッド・クルサードが、緩やかにカーブした下り坂でスピン。これを皮切りに多数の後続マシンが追突し、12台が巻き込まれるF1史上最多台数の事故[2]が発生した。直後に赤旗が振られ、レースは1時間ほど中断した。
大事故の発端であるクルサードの(日本のネット上での)愛称「ペヤング」に加え、スピンの原因が「アクアプレーニング」であったため、水(お湯)が絡む事故として「湯切り大失敗」ネタが誕生。ニコニコ動画でもこのレースに関する知名度は高く、「湯切り大失敗」がコメント・タグ付けされている。
この事故でマシンのパーツがバラバラに飛び散る様子を「かやく飛散」と呼ぶ場合もある。
その後
クラッシュに巻き込まれた12名は当時のルール上、スペアカーに乗り換えてレースの再開が可能だった。ただし各チーム1台ずつしか準備していないため、2台とも事故に遭ったチームはどちらか一方が再走を諦めざるを得なかった。再スタート後も多数のクラッシュが発生し、荒れ模様のレースが続く。
事故の発端となったクルサードはレースを続けるものの、再度他のマシンと接触し優勝争いから脱落する。25周目、トップのミハエル・シューマッハがクルサードに追い付き周回遅れにしようと試みたものの、速度差を見誤ったのかクルサードに追突し右フロントが吹き飛ぶ。シューマッハは3輪走行でピットに戻り離タイヤ。
シューマッハはクルサードが故意に速度を落としたと感じてブチ切れ、クルーの制止を振り切ってマクラーレンのガレージに怒鳴り込む、ヒヤリとする場面も見られた(後の調査では、クルサードはミハエルとの接触直前にブレーキをかけておらず、故意ではなかった事が判明している)。
最終的に完走したのは22台中8台のみ。ジョーダン・グランプリが1-2フィニッシュでチーム初優勝を挙げる波乱のレースであった。
クルサードは多数のアクシデントに見舞われながら7位でチェッカーを受け、入賞には一歩届かず。彼にとっては散々な一日であった。
関連動画
■に▼がブチ切れ
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関連項目
脚注
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