近代において人間は基本的に自由単語

キンダイニオイテニンゲンハキホンテキニジユウ
2.3千文字の記事
  • 8
  • 0pt
掲示板へ

 

近代において人間
基本的に自由

 

とは、書籍『社会学用図鑑』内の一ページ内に登場するイラストに添えられている一節である。

ネットミームとしての概要

インターネット上、例えば短文投稿コミュニケーションサイトTwitter」にて、「この文章が付けられたイラストを接写したと思われる写真」のかたちで一種のインターネットミームとして出回っている。

その写真を文章で説明するなら、「踊っている/ポーズをとっている、シンプル線画で描かれた3名の人物」という楽し気なイラストの下に、

 

近代において人間
基本的に自由

 

という心惹かれるワードが添えられている」というもの。

(以下に、その写真を掲載しているツイートexit引用する)

Twitter上での初期の例を辿ると、2019年5月4日に「近代サイコー 1番好きな時代です」という言葉とともにこの写真が投稿されexitて、数千回の「いいね」や数回の「リツイート」がなされていた記録があるようだ(ツイートそのものは既に削除済)。この投稿が最初のものだったか否かは不明だが、「Twitter上の類似画像/画像転載を見つけるやつ - TwiGaTen」や「二次元画像詳細検索(ascii2d.net)exit」というサイトでこの画像を検索すると、このツイートが最古のものとして表示される(TwiGaTen2023年9月末でサイト閉鎖)。

その後、2019年5月7日には別のユーザーが「はやくこれになりたい」という言葉とともに、その同じ写真を投稿したexit(上記の引用ツイート)。この「はやくこれになりたい」という言葉が多くの共感を呼んだのか、こちらのツイートはさらに数千件の「いいね」や「リツイート」を集めることになり、その後は一種のインターネットミームとして様々な人々が投稿するようになったようだ。

生形として、写真ではなく、AA(アスキーアート)を用いて踊る3名を再現しているバージョンexitも出回っている。

画像の出典

田中正人・香月孝史の二名による共著として2019年2月28日に発売[1]された書籍『社会学用図鑑 人物と用でたどる社会学の全体像』に登場するフレーズ

この書籍は、社会学で用いられる様々な用を豊富なグラフィックを用いてビジュアル的に解説するものである。そして、この本の中でも「複雑性の縮減」という用解説した見開きページにおいて用いられていた多数のグラフィックのうちの一つが、この

 

近代において人間
基本的に自由

イラストであった。

(以下に、その見開きページを部分的に撮影してこの書籍を紹介しているツイートexit引用する)

この「複雑性の縮減」とは20世紀のドイツ社会学者ニクラス・ルーマンNiklas Luhmann)による用である。この見開きページではそれを説明している。どういった展開で登場したのかというと、

 

近代において人間
基本的に自由

 

↓ ならば

個々人が自由気ままに振る舞って、いかなる結果となるか予想もつかない。本当はそういった複雑性があるはず。
(このページでは、客が「これください」と買い物をしようと店員に話しかけたのに「店員が客に婚してくる」「店員が踊りだす」「店員が『ダメです』と購入を却下してくる」……という様々なありうる状況をイラストで例示している)

↓ でも…

私たちは通常、そういった数の複雑な可性を考慮せずに安心してやりとりしている。これが「複雑性の縮減」という働き。
店員は「ありがとうございます1000円です」などと返答し、客は1000円を渡して購入成功する……といったイラストが示されている)

こうして、秩序のある安定した社会が成立している

 

といった感じであった。

にて「編著」とクレジットされている「田中正人」氏はグラフィックデザイナーで、2015年に『哲学図鑑』、2017年に『続・哲学図鑑』(双方とも編集・監修は「斎藤哲也」)という、多数の哲学ビジュアル的に紹介する書籍を出していた人物である。この『社会学用図鑑』も、これら2つの書籍の続編・シリーズ作品的な、同コンセプトの書籍である。

同じく表にて「著」とクレジットされている「香月孝史」氏は大学院文化社会学を専攻としていたライター批評家で、ポピュラー文化を中心に著述活動を行っている人物である。

おそらくは、「香月孝史」氏の説明・監修を元に、「田中正人」氏がビジュアル的にまとめた……という制作過程であったか。

よって

 

近代において人間
基本的に自由

 

イラストも、「田中正人」氏が描いたものではないかと思われる。

お絵カキコ

関連商品

関連リンク

関連項目

脚注

  1. *プレジデント社公式ページでは「3月1日発売」とされているexitが、ネット通販サイトAmazonのページでは「2月28日発売」とされておりexit2月28日に「本日発売」とツイートしているexit書店アカウントもあったため、2月28日が正確と判断する。

【スポンサーリンク】

  • 8
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

近代において人間は基本的に自由

60 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 16:16:06 ID: m9XNZiPX9Z
至極当然のことを書き込んで何故か👎がついたんだが

ここでいう責任は他のことではない、自分が権利を行使しもたらされる結果を受け止めることでしかない
例えば、かに憎まれたくなければ人に迷惑をかけるな、とか、大体そういう話

問題は「全なる自由状態」では、権利に伴う責任の大きさが統制不能等価交換ではないということ
要するにかを罵った場合にその結果が必ずしも同じ言葉、若しくはそれに準ずる形で却って来るわけではない
自由状態では単なる暴言一つが一族郎党皆殺しとして帰ってきても不思議ではない

だから権利と責任との間にルールを課すシステムが必要なんだって話
それがつまり法律の存在意義であり、法律とは本来自由を制限するのではなく
自由責任との間で一種の交通整理を行うのが的なんだと思う
👍
高評価
8
👎
低評価
0
61 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 16:22:36 ID: m9XNZiPX9Z
なんか長文で駄文になっちゃったから要約すると

国家法律は他人の自由と権利だけでなくお前自由と権利もちゃんと守ってるからそこらへんもよく考えろって話

国家というフレームくなった時、より自由になるどころか
状況次第では命の保全すらままならなくなるかもしれない
👍
高評価
6
👎
低評価
0
62 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 20:37:55 ID: nD+CBpu9sl
👍
高評価
5
👎
低評価
0
63 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 22:11:28 ID: siAsUNzN9m
このシリーズ哲学編、高校倫理で使ったから持ってたけど、シンプルに分かりやすくて良い本だった
👍
高評価
1
👎
低評価
0
64 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 23:09:27 ID: zIYSMh+kG5
自由等博」が「自由等所有ベンサム」になるのもまた近代
👍
高評価
0
👎
低評価
0
65 ななしのよっしん
2024/04/21(日) 18:10:13 ID: jlg/s6BOZJ
自由には責任が伴う
つまり、私が自由を行使したら私以外の人にその自由を認める責任が発生するということです
👍
高評価
2
👎
低評価
0
66 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 14:54:57 ID: PympEmwbIK
元ネタの文脈を理解したらしっかり納得できた 一部分だけ切り取って見るだけじゃダメね
👍
高評価
2
👎
低評価
0
67 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 15:51:10 ID: QMgPv1zSsq
近代において人間は基本的にダメ
だからちょっとくらいダメでもいいんだ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
68 ななしのよっしん
2024/04/22(月) 19:32:32 ID: cBX3lYcql+
大体社会契約説で何でも通じるアレでは?
👍
高評価
0
👎
低評価
0
69 ななしのよっしん
2024/04/24(水) 08:58:04 ID: GR3+cjCBwy
自由とは不自由がないと成立しない
👍
高評価
0
👎
低評価
0

ニコニコニューストピックス