JB本四高速は兵庫県神戸市中央区に本社を置く高速道路会社。正式名称は「本州四国連絡高速道路株式会社」。企業名の「JB」は「Japan Bridge」の略称である。
概要
「本州四国連絡橋」(以下、「本四連絡橋」などと称する)という名前の通り、本州と四国の間に架かる3つの道(神戸淡路鳴門自動車道・瀬戸中央自動車道・西瀬戸自動車道)を管理する。本州・四国の高速道路がNEXCO西日本で挟まれているのに対して、本州四国連絡道路がこの会社によって運営されているのは、かつて日本道路公団とは別に「本州四国連絡橋公団」(1970年発足)が設立され、独自に本四連絡橋の整備を行ってきた経緯があるため。
その第1弾として瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)が華々しく開通し、本州と四国が初めて陸続きになった。その後も西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道)や神戸淡路鳴門自動車道(明石海峡大橋・大鳴門橋)を次々と整備していき、結果として本州との結び付きをより一層強化させることに繋がっていく。
しかしその反面、建設費・維持管理費が普通の高速道路に比べて大変割高になってしまい、開通後の交通量も不景気な世の中になっていくと共に低空飛行を続けていった。組織体制の見直しや一部債務の税金投入によるテコ入れなども施されたが、依然として赤字経営が続いていたため、2005年の道路関係四公団の民営化に伴い、現在のJB本四高速が誕生した(旧連絡橋公団は解散)。
NEXCO西日本との関係
JB本四高速とNEXCO西日本は高速道路としては繋がっていても、管理者が異なって別料金を再度支払わなければならない事態が生じている。実は法律には「債務が十分に減少し、安定した状態になり次第、NEXCO西日本と合併する」という旨の条文があり、近い将来、NEXCO西日本と合併する事が法律上、義務付けられている。JB本四高速という会社も、いつかはNEXCOと合併して一体化する事になっているのだが、果たしてそれはいつになるのかは不明。
割引について
少し話はズレてしまうが、ここで割引の事についても簡単に話をしておく。
JB本四高速が管理する有料道路はNEXCOが管理する有料道路とは別である(鉄道に例えるなら、JRから私鉄、あるいは私鉄からJRに乗り換えるのと似ている)ため、どちらかの島にたどり着くと、NEXCOに戻る寸前で本線料金所が設置されており、そこで本州または四国のNEXCO+JBの通行料金を一度精算しなおさなければならない。
いわゆる「ETC限定1,000円高速」が実施されていた時は、本州と四国の行き来にJB本四高速分の通行料が別に発生していたため、両島の移動には最低でも2,000円は生じていた。
2012年8月現在では定額料金ではなく、「半額」となっているため、少なくとも昔のように超激安で通行できるような状況では無くなったものの、依然としてETCを利用するドライバーにはとても有難い割引である。
割引に使われる財源は勿論、国による補助もあるが、一部は瀬戸内海沿いの自治体も出資しており、負担増加を避けたい地方自治体側はNEXCOと同じ「全国料金プール制」に切り替え、少しでも負担の削減と通行料の値下げによる格差是正を求めている。2012年の会議によって2014年度からは本四高速の通行料をNEXCOと同じ料金体系にする事が決まったが、その場合には本来の民営化のモットーである「2050年までに借金を返さないといけない」というルールを破らなければならなくなるため、実現に至るかどうかはまだ不透明なところもある(詳細はWikipediaの「本州四国連絡道路」にて)。
JB本四高速のみどころ
何と言っても本州と四国を渡る「本州四国連絡橋」が数多くある事である。吊り橋や斜張橋など、「橋」を愛するファンにはたまらない楽園とも言える。当時は世界一と称される程の技術を駆使して作られた「瀬戸大橋」や、全長3,911mにも達する世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」があったりと、見所満載である。附属機関には「長大橋技術センター」があり、橋の建設に関する技術のノウハウが蓄積されているという。
また、与島PAや淡路SAでは瀬戸大橋や明石海峡大橋を間近で見る事が出来たり、西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道)では道路用の橋に並行する形でサイクリングロードが設けられて、自転車や徒歩だけで雄大な瀬戸内海の真上を通行できるなど、単なる本州と四国の連絡だけでなく、観光目的としての一面も見られる。
専ら観光を理由としたETC割引「瀬戸大橋・与島PA Uターン割引」がある。これは瀬戸中央道を本州または四国のどちらからか進んで与島PAに立ち寄り、そこで出発時の島にUターンする事で通行料を半額(片道分を無料)にするというものである。
本四高速のマスコットキャラクターは「せとうちわたる」というゆるキャラであり、一時期はゆるキャラコンテストで優勝を獲得した経緯もある。そのため、橋が見えるSAPAには彼のオブジェがあるので、一緒に記念撮影したいという人は是非足を運ぶと良いだろう。
JB本四高速側の企画として、明石海峡大橋の鉄橋に登れる「ブリッジ・ワールド」というイベントを時折実施している。興味のある方は参加してみてはいかがだろうか?
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関連項目
外部リンク
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