K701とは、2005年に発売されたオーストリアの音響機器メーカー・AKGの高級ヘッドフォンである。
概要
K701はAKG Kシリーズのフラグシップモデルであり、オープンエアー型のヘッドバンド型ヘッドフォンである。
インピーダンスは62Ω、重量235g、入力プラグは6.3mmのステレオプラグであるが、3.5mmのステレオミニプラグへの変換アダプタが付属している。また、AKGのロゴマークの入ったオリジナルヘッドフォンスタンドが付属している。
後継機種としてケーブル着脱式となったマイナーチェンジモデルのK702が発売されており、K701自体は2010年末を持って生産完了となっていたが、2019年10月に輸入代理店独自の3年保証が付与され「K701-Y3」として再発売された。電気的な特性と大まかな意匠は変わっていないが、細かいディティールと生産国が変更されている。
アニメ「けいおん!」との関わり
発売当初は8万円を超える価格も有ってか、購入者は熱心なオーディオファンが中心であった。ところが、2009年5月に放映された人気アニメ「けいおん!」の第五話にて、秋山澪が本ヘッドフォンを着用している姿が放映され、けいおんファンを中心に人気に火が点く。
放映当時の最低価格が4万円前後と、未だヘッドフォンとしてはかなり高価な機種であったにも関わらず売れに売れ続け、売り切れになる店舗が数多出現した程である。これはこの価格帯のヘッドフォンとしてはかなり異例のことである。2ch等においても購入報告が相次ぎ、高級ヘッドフォン界隈に一大ムーブメントを引き起こしたと言っても過言では無いだろう。愛称澪ホン。
一方、余りの人気からか従前のAKGファンや一般の購入者からは「アニオタと同一視されたくない」と言った冷ややかな声が聞かれたのも事実である。どうせ買った所で屋外で人に見せるようなヘッドフォンじゃないのに
現在では人気を受けてか、また後述するデザインの良さも有ってか、けいおんに限らず様々な所でK701を装着しているキャラクターのイラストを見ることが出来るようだ。ニコニコ動画内においても、演奏してみた系の演奏者が装着している姿を目にするかもしれない。
ヘッドフォンとして
まず目に付くのは白を基調としたデザインである。AKGに限らず、高価格帯のヘッドフォンは良くも悪くも武骨なデザインの物が多いが、K701はポップながらも整ったデザインで評価が高い。一方、間近で見てみるとハウジングの樹脂部の作りは安っぽさが否めず、質感も余り良いとは言えないだろう。
音質は人気モデルが故に散々ネット上でも語り尽くされているため、詳細はそちらを参照して頂きたい。手短に纏めれば、非常に繊細でどんな音楽でも無難にこなす優等生的ヘッドフォンと評される事が多い。特性もフラットで、究極の無難という良いんだか悪いんだかよく分からない通称まで存在する。
高級機ながらもインピーダンスはそこまで高くないため、DAP単体で鳴らす事も可能だが、やはりヘッドホンアンプを通しての使用が望ましいだろう。
イヤーパッドは布製の耳を丸ごと覆うタイプで、肌触りは上等。側圧はやや強め。曲者はヘッドバンドで、バンド自体に付いているコブ状のクッションが頭頂部を常に押さえつけているため、頭頂部への強い圧迫感を感じる事が多い。装着感を確かめる意味でも是非購入前の試聴を奨めたい。
開放型の例に漏れず遮音性は悪く、音漏れも大きい。屋外での使用は期待できないだろう。間違っても電車内で使うようなヘッドフォンではない。
総合的には、2021年現在は再販品であれば2万円程度にまで価格が下がっている事を考えると非常にコストパフォーマンスの高いヘッドフォンであると言えるのではないだろうか。
再販された「K701-Y3」とオリジナルの差異
再販されるに当たって変更された点は以下の通りである。
- オーストラリアから生産国が中国に変更される
- ヘッドフォンバンドが簡素化されコブなしに
- ヘッドフォンバンドに貼られている皮の変更
- イヤーパッドの材質が変更されている。
布の生地がベロア生地に変更
イヤーパッド内部反発材の弾力
イヤーパッド内側のスポンジの変更 - その他、細部の表記の変更など
AKGロゴの変更
「Reference Headphones K701」の書体の変更
「Made in Australia」の削除 など。 - パッケージの変更
- ヘッドフォンスタンドのロゴ変更
など、外観上はやすっぽい感じ・・・まではいかないが割りと価格相応な印象になっている。
(簡略化して描かれた「澪ホン」に寄ったデザインになったとも言える
関連動画
関連商品
関連項目
外部リンク
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