No.35 ラベノス・タランチュラとは、漫画「遊☆戯☆王ゼアル」に登場するカードである。
概要
八雲興司が使用するナンバーズの1枚。素材2体を必要とするランク10のモンスター・エクシーズで、このカードを含めたフィールドの昆虫族モンスターの攻撃力・守備力を、自分と相手のライフポイント差(相手プレイヤーが複数いる場合、最も差が大きいものを参照する)の半分にする効果を持つ。
遊馬、凌牙、カイトとのデュエルで登場。
レベル10になった「ベビー・スパイダー」2体をオーバーレイ・ユニットにしてエクシーズ召喚された。直後に「サクリファイス・ランクアップ」でこのカードのオーバーレイ・ユニット2つと引き換えに「No.84 ペイン・ゲイナー」を特殊召喚した。
1対3での変則ルール(1人側の初期LPは12000、3人側の初期LPは4000)を利用して、自身とNo.84の攻撃力を4000にしたが、次の凌牙のターンには「強制循環装置」で一時除外されたため、凌牙の「バハムート・シャーク」による直接攻撃を防げず、最終的には「フラッシュ・ファング」でNo.84ともども破壊された。
ランク10の大型モンスターであり、フィールドの昆虫族全員に攻撃力4000(初期LP時)を与える効果と、普通ならば切り札に据えられてもおかしくないレベルの能力を持っていたが、実際は「No.77 ザ・セブン・シンズ」の前座にすぎないため、いとも簡単に破壊されてしまった。
攻撃力・守備力を変動させる効果について、八雲の効果説明では、その範囲を「フィールドの昆虫族モンスター」としか言っていないので、八雲のセリフに忠実に従うならば、これは相手の昆虫族にも影響する。もっとも、遊馬、凌牙、カイトの3人に昆虫族を主軸とするプレイヤーはいないので、大した影響はないが。
作中では変則ルールで使用されたので、1ターン目から攻撃力4000を叩き出したが、通常ルールでは相手ライフをギリギリまで減らしても2000程度にしかならず、非常に使いにくいカード。八雲がライフ回復を多用するデュエリストというわけでもない。ただし、八雲の使用するナンバーズはデュエル中に開眼する、つまりデュエル中に効果が決定されるため、変則ルールを前提とした効果であっても不思議はない。
また、八雲を利用した黒幕であり、デュエルを引き継いだe・ラーは永続魔法「とどまらぬ大地」で自身のライフを最大で11300まで上げているため、e・ラーが使用するならばこの効果でも十分に使えたのかもしれない(「とどまらぬ大地」による11300ものライフも、3人を相手にしていたことでe・ラーから見た相手モンスターの数が多くなっていたゆえに達成できたという側面はあるが)。
このカードの素材は「サクリファイス・ランクアップ」で取り除かれてしまったため、素材を使用する効果を1つも発揮していない。後述のOCG版では素材を使用する効果が追加された。
カード名のラベノス(ravenous)は、「がつがつ食う、貪欲な」の意。八雲のナンバーズのいくつかが七つの大罪と関連付けられていることを考えると、七つの大罪の一つである「強欲」あるいは「暴食」を意識したネーミングなのかもしれない(「強欲」は「No.14 強欲のサラメーヤ」として既に存在するので、「暴食」のほうか)。
OCG版
「PREMIUM PACK 18」(ジャンプフェスタ2016で先行販売)でOCGに登場。
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/闇属性/昆虫族/ATK 0/DEF 0
レベル10モンスター×2
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分と相手のLPの差の数値分アップする。
(2):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手がモンスターを特殊召喚する度に相手に600ダメージを与える。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
攻撃力をライフポイント差によって変動させる効果は、昆虫族ではなく自分のモンスター全体に適用されるようになり、その値もライフポイントの差分となった。また、No.84を意識したようなダメージ効果と、自身の攻撃力を参照した除去効果が追加された。No.84も似たような効果を持っており、対になることが意識されている。細かい点では漫画での元々の攻撃力は?だった(おそらく守備力も同様)が、OCGでは0になっている。
素材指定はレベル10モンスター×2。普通のデッキでは揃えにくいが、ランク10を主軸にした【列車】デッキでは、同じ素材でそのまま出せるので、そこで採用すれば無理なく出せる。ほかに候補があるとすれば、レベル10モンスターを無理なく特殊召喚できる【リチュア】・【Sin】・【ユベル】あたりか。
(1)はライフポイント差による攻撃力強化。
どちらが多いかは関係ないので、優勢時でも劣勢時でも使用可能。全体強化なので状況次第ではとんでもない総攻撃力を叩きだせる。一方で、お互いのライフポイント差が少ないときは使い物にならないので、状況次第でほかのランク10と使い分けたい。劣勢時に使う場合、ライフ差を縮めてしまうと攻撃力も落ちてしまうが、その場合は「No.84 ペイン・ゲイナー」や「No.77 ザ・セブン・シンズ」につなげると無駄が少ない。
(2)は特殊召喚するたびに相手にダメージを与える効果。
特殊召喚を多用するデッキ相手ならばそれなりのダメージ量を稼げ、相手のほうがライフポイントが少ない状況では(1)の効果による攻撃力上昇の助けにもなる。ただし、自分のほうがライフポイントが少ない場合、かえって(1)の効果を邪魔してしまう点には注意が必要。
(3)は、自身の攻撃力以下のモンスターに限定した全体除去。
ライフ差に左右されるが、差が開いている状況ならば相手モンスターを一掃することも可能。全体除去に成功した後は、このカードやNo.77で直接攻撃すれば大ダメージになる。
癖はあるものの、上手くはまればかなりの攻撃力を出せる。【列車】デッキには2000ダメージを与えられる「超弩級砲塔列車グスタフ・マックス」もいるので、採用しておくと活躍できるかもしれない。また、このカードの上にNo.84やNo.77を重ねることも可能なので、それも込みで採用するとよい。
エクシーズモンスターの攻撃力をコピーしたトークンを生み出す「罪鍵の法-シン・キー・ロウ」とは相性が良く、このカードの攻撃力をコピーした上に、更にこのカードの(1)の効果が上乗せされたアンブラル・ミラージュ・トークンが3体生み出される。ただし、このトークンは直接攻撃ができないので、(3)の効果とは相性が悪い。
ちなみに、カード名にもシン(sin:(宗教・道義上の)罪)が含まれており、七つの大罪と関連した八雲のイメージとも一致し、ファンデッキでの需要もある程度満たせる。
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関連項目
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