GSG-9とは、ドイツを代表する特殊部隊である。ちなみに「ゲーエスゲーノイン」はドイツ語による発音であり、英名では「ジーエスジーナイン」となる。
概要
SATの手本にもなった警察系対テロ特殊部隊の代表格であり、ミュンヘンオリンピック事件(後述)で人質を取られた状況を処理する手段を持っていないことを痛感した当時の西ドイツが設立した。
軍事部隊を創設することはかつてのSSを想像させるといった様々な理由から、部隊は連邦国境警備隊(BGS:Bundesgrenzshutz)内の準軍事組織として、国境警備隊第9対テロ部隊(GSG-9:Grenzschutzgruppe 9)という名前で発足している。本来はテロリストに対抗する国家HRU(Hostage Rescue Unit:人質救出部隊)として活動するつもりだったが、危険性を伴う重要人物の警護や、襲撃されそうな西ドイツ大使館の警備、非常事態が起きた際の重要軍事施設の警備も見込まれていた。[1]
GSG-9はイギリスの特殊部隊SASからの指導のもとテロ制圧に有効なノウハウを取得したほか、兵器開発にも力を注いでより専門的な武装の確立を図った。
GSG-9設立後の1977年、「ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件」が発生する。この事件においては、ソマリアのモガディッシュに着陸したハイジャック機に対しGSG-9が強行突入、人質を全員救助した事から「モガディッシュの奇蹟」と賞賛され一躍有名となった。
なおこの事件により、使用されたサブマシンガン「H&K MP5」とフラッシュバンの組み合わせによるテロ制圧が有効であることが実証され、以降SAS、SDU、SEALs、デルタフォース、SWATなど世界各地の特殊部隊で採用されている。
組織は2005年に「連邦警察局」へ改名しているが、特殊部隊に冠されたGSG-9の名称は継承された。
ミュンヘンオリンピック事件
1972年に発生した、テロ組織がイスラエル選手村を襲撃した事件。当時はまだドイツに特殊部隊はなかったためこの事件には警察が対応したが、人質救出を阻害する様々な要因、およびテロに対応した知識・経験の不足による不手際などが積み重なり、結果として2名が襲撃時に死亡、人質となった9名も解放作戦の失敗により全員死亡という最悪の結果に終わった。
関連動画
関連商品
関連項目
- ドイツ
- 特殊部隊
- PSG-1 - 。西ドイツの要請に応じて作られたH&K社のセミオート型狙撃銃。
- WA2000 - 西ドイツの要請に応じて作られたワルサー社のセミオート型狙撃銃。
- 対物ライフル - 大口径の狙撃銃。ミュンヘンオリンピック事件の結果を受けて各国にて開発され始めた
脚注
- 5
- 0pt