IV号駆逐戦車単語

ヨンゴウクチクセンシャ

IV号駆逐戦車とは、第二次大戦時にドイツが開発・運用した駆逐戦車である。

概要

IV号戦車体を利用し、その体正面は傾斜した80mmの装甲と実質的には垂直100mm装甲のティーガーI以上の重防御を施され、IV号戦車F2(G)以降が装備していた7.5cm KWK 40よりも貫通に優れるパンターが装備していたものと同じ7.5cm KWK 42を装備する攻守ともに優れた性を持つ対装甲車戦闘に特化した駆逐戦車であった。

しかし、当初はその7.5cm KWK 42はパンターへの供給が優先され、ヘッツァーにも搭載される7.5 cm PAK39が搭載されていた。

同じ体にを搭載するIII号/IV号突撃と異なり正面装甲に直接を搭載する形となったため、内に余裕ができ生産性も向上した。だが、これは前方に重量が偏るノーヘビーとなり、操縦性の低下や足回りが故障しやすいといったデメリットも同時に発生した。また、は装甲貫通には優れるものの、歩兵支援用途には向かない。その見たから突撃と混同されやすいが、このようにかなり異なる特性を持った兵器である。

操縦性と機動の低さから「グデーリアン・エンテ(グデーリアンのアヒル)」というあだ名がついたというが、当のグデーリアンはこの車両の開発には懐疑的であったというからとばっちり感がある。

開発経緯としてクルスクの戦いの報告書で突撃の有効性を感じたヒトラーが開発を命じたという話が伝わっているが、スターリングラード戦後に新(7.5cm KWK 42)を搭載する新戦車自走砲の計画をIV号戦車台を使うことで発展させたという話もあり、19435月にはフォマーク社が当計画のテストモデルを提出しているといったことからあまり信憑性が高くないようである。

IV号戦車良案に正面装甲を傾斜させるといったものがあったのだが工場の生産設備の関係等から実現せず、その計画は本の傾斜した正面装甲に生かされた、という話がある。

プラモデルなどで使用された「ラング」の称で染みのある車両であるが、後述するようにその名称は各によってまちまちで妙に複雑な様相を呈している。本記事では各書籍での多く見られる記載を採用し、バリエーション全てを含めた車両全体の呼称は「IV号駆逐戦車」で統一している。

バリエーション

IV号駆逐戦車(Oシリーズ

試作として開発された車両7.5 cm PAK39。戦闘室の接合部が曲面で構成されているのが特徴。前期IV号F-G台を利用。後期からはH台に切り替えられたようだ。

IV号駆逐戦車F

戦闘室の接合部は直線となり、後に装甲は60mmから80mmに強化された。また、マズルブレーキも発射時に砂によって視界が遮られるなどの問題が発生したため、後に外されている。

IV号戦車 / 70 (V)

ようやく本命の7.5cm KWK 42を搭載した。本車両から戦車を搭載した、あるいは、戦車隊へ配備する関係からかそれまでのIV号駆逐戦車から、IV号戦車へと名称が変更され、これに伴いその前のFは単なるIV号駆逐戦車となったと考えられる。当には「ラング」の称が付いていたらしいが、IV号戦車の長と紛らわしいため、単に口径を示す/70もしくはL70が付記されたらしい。ただし、独立した戦車駆逐大隊へも配備されており、名称変更やラングの件を記載しない資料も多い。生産の途中から台はそれまでのIV号HからJのものを利用している。長身の搭載によってノーヘビーがより深刻化したため、生産の途中から転輪の摩耗を防ぐべく前部2つは周囲を鋼製にして中にゴムを仕込んだものに変更となった。

IV号戦車 / 70 (A)

上記の70口径搭載アルケット社が生産したで、体正面にを取り付けるのではなく、もう一段上に戦闘室を設ける形で制作されており、高が高くなっているのが特徴。内にはより余裕ができたが、重量が嵩んでより足回りに負担がかかるため、前部転輪2つが鋼製のものに変更になったものも多い。
体のベース70(V)で用いられた専用体と違いⅣ号戦車J体が使用されている。その理由は、元々、Ⅳ号戦車70口径を搭載する予定であったがには搭載が不可能であったと結論が出た為、生産ラインを全て70(V)に切り替えることになったのだが、その時間が間に合わないために折衷案としてJ体を使用せざる得なかったためである。

配備と実戦の歴史

上記の通り、戦車駆逐大隊および既存の戦車隊の戦車を補う形で配備されて戦った。

は敵装甲車両による突撃から地を防衛する的で開発されていたのだが、その本来の的とは異なる突撃的な歩兵支援作戦及び、戦車の行う敵地への突入作戦にも投入される事が多々あり、あまり効果をあげない一方で損耗もしいといった事が相次いだため、各種戦車や突撃などとべると現場の兵士からの評判はあまり良くなかった。

ただし、絶望的な装甲車両不足にあった末期ドイツ軍において本来の的と違った戦闘を行うのは避けられなかったことであり、とどのつまり、必要以上の理をさせていたというだけの話で、この車両の出来が根本的に悪かったということではない。事実、ノルマンディーやバルジの戦いでは本来の対戦車防衛戦闘において重要な役割を果たし、ルドルフロイというエースも輩出している。

また、ルーマニア軍が受け取ったIV号駆逐戦車は1950年代初頭にも現役であった。シリアも6両の48口径の初期を受領しており、これらは1967年イスラエルとの戦争にも使われたという。

ドイツ戦後と類似のコンセプトであるカノーネンヤークトパンツァーを開発・配備しており、他の々しいドイツ装甲車両群にべると較的地味な存在ではあるものの歴史の中で重要な位置にいたことは間違いない車両である。

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IV号駆逐戦車

1 ななしのよっしん
2016/12/21(水) 22:06:43 ID: f6J3xNc3Mu
Fって使い勝手悪くしただけの号じゃないか…

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