クールモアスタッド(Coolmore Stud)とは、アイルランドを本拠地とし、ヨーロッパ、オーストラリア、アメリカを中心に世界中で活動する競走馬の生産者団体である。競馬ファンやマスコミの間での通称は「クールモア」。
超が付くほど巨大な生産規模や自前の広大な調教施設から、日本ではシェイク・モハメド殿下率いるUAEのダーレーグループ(ゴドルフィン)、吉田一族が率いる日本の社台グループにも匹敵する生産者団体として認知されている。
1970年代、欧州の伝説的調教師ヴィンセント・オブライエン氏と彼にその経営者としての才能を見込まれたジョン・マグナー氏の二人によって創設された。創設数年で繋養していたSadler's Wellsが種牡馬として空前の大成功を遂げ、それとともにクールモアも急拡大し、欧州の有力生産者としての地位を築いていった。その後も*デインヒル、Montjeu、Galileoといった大種牡馬も繋養し、毎年世界中の大レースに有力馬を雲霞の如く送り込んでその名を世界に知らしめている。
種牡馬ビジネスに積極的で種付けシーズンが半年ずれる南半球に種牡馬を送り、1年で2シーズン分の種付けを行わせるシャトル種牡馬事業の先駆者であり、他にも有力な種牡馬を国外の生産者に期限を決めて貸し出すリース種牡馬事業も積極的に実施している。日本にもクールモアからのリース種牡馬として*デインヒル、*ラストタイクーン、*ロックオブジブラルタルなどが来日し一定の成績を収めている。
主な活動の舞台はヨーロッパ、オーストラリア、アメリカであり日本に現地法人を置いているダーレーグループなどとは違い日本競馬へは進出していない。しかし、先述した種牡馬のリース事業やセレクトセールへの参加等日本との取引はある程度行っている。他にもディープインパクトが種牡馬として日本競馬界を席巻していた時は「ディープインパクトに種付けしたい、種付け権利を言い値で買おう(超要約)」というメールを社台グループに送るなど日本の血統にも興味を持っているようである。(ちなみにその後、保有する繁殖牝馬を実際に日本に送り込んでディープインパクトに種付けさせたり、欧州で頭角を現したディープインパクト産駒のSaxon Warriorを種牡馬として繋養している)
クールモアを語る上で外せないのがこのバリードイル調教場(通称バリードイル)である。
このバリードイルはヴィンセント・オブライエン氏が購入した土地に建設された調教施設で肥沃で芝生の育成に適した土壌、水はけのよさ、調教に適した緩やかな傾斜を有し、競走馬の育成に最適な自然環境が用意されている。自然環境だけでなく設備ももちろん最新鋭の物が揃っており、ここで調教される全ての馬に心拍数や1ハロンごとの時計を自動で計測する装置が取り付けられている他、騎乗者は全員イヤホンを身につけて常時無線で調教師の指示を聞けるようになっている。他にもイギリスダービーが開催されるエプソム競馬場のコーナーや傾斜を再現した調教コースがあるなど調教施設としては世界最高クラスの設備が揃っているといえるだろう。
バリードイルには専属の調教師がおり、現在は黒いシルクハットとサングラスというマフィアっぽい出で立ちで有名なエイダン・オブライエン師が専属調教師を務めている(ちなみに勘違いされやすいが彼とヴィンセントの間には血縁関係はない)。
ちなみに日本の騎手も何人かバリードイルを訪れており、和田竜二曰く日本の騎手免許を見せれば調教に乗せてもらえるらしい。
複数頭使って綿密にフォーメーションを組んだにもかかわらず負けてしまったレース、オブライエン涙目
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最終更新:2024/11/08(金) 22:00
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