グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード（Goodwood Festival of Speed）とは、毎年7月頃にイギリスで行われる自動車の祭典である。

FoSと略して呼ばれる。

毎年9月頃には、すぐ近くの場所でグッドウッド・リバイバル（Goodwood Revival）というレースイベントが行われる。そのイベントについても、本記事で紹介する。
　

自動車の祭典

ロンドンの南西80kmのこの位置にグッドウッドハウスがある。

この大邸宅を所有しているリッチモンド公爵がレース大好きで、1993年から祭典を開催し始めた。大邸宅の前に古今東西の名車を勢揃いさせ、展示したり走行させたりする。世界大戦前の古いクルマから最先端のF1マシンまで、色んな自動車が続々と登場する。


毎年、自動車メーカーを1つだけ選んで、そのメーカーに祭典の進行役を任せている。過去にはホンダやトヨタやマツダといった日本メーカーに白羽の矢が立ったこともある。

グッドウッドハウスの前には円状の道路がある。そのあたりに、祭典進行役を任された企業がオブジェを作ることが毎年の恒例になっている。画像検索すると、珍妙なオブジェが目に入る。


この祭典のメインイベントはヒルクライム（hill climb　「山登り」という意味）である。細い道が1,867mも続いていて、高低差は57mとかなりの勾配がある。ちゃんとタイム計測するので、皆ちょっと頑張って速く走ることになる。

車を走らせるのはレーサーなので上手に運転できるのだが、やはり事故が起こる可能性はある。そこでコースマーシャルをそこら中に配置して、クラッシュしたときに処理するようになっている。

コースの脇には藁（straw）を積み重ねた素朴なバリアーがある。近代的なサーキットでよく見かけるタイヤバリアーではなくて、いかにも19世紀といった感じのストローバリアー。

このページの画像がイベントマップとなっている。それによると、ヒルクライムのスタート地点はこのあたりで、グッドウッドハウスの前を通り過ぎ、ゴール地点はこのあたりとなる。

この動画の冒頭で、ヒルクライムのコースが紹介されている。



近年は木曜日から日曜日までの週末4日間の開催となっている。

イギリスというのは年中通して雨がよく降る。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの開催中に雨が降って道が泥だらけになることが多い。

ニコニコ動画にも多くの動画が上がっている。（→タグ検索）
　

グッドウッド・リバイバル　1950年代を再現するレース

1993年から始まったグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが毎年盛り上がりを見せていたので、1998年からはグッドウッド・リバイバルというイベントも行われるようになった。

毎年9月頃に、グッドウッドハウスから南西に2km離れたこの場所にあるグッドウッドサーキットで行われる。グッドウッドサーキットは第9代リッチモンド公爵フレデリック・チャールズ・ゴードン=レノックス（1904～1989）が1948年に開設したサーキットである。1950年代は盛んにレースが行われていたが、次第にレースの開催数が減り、1966年を最後に使われなくなっていた。

1950～1960年代のレースを再現しよう、という理念があり、イベントに参加できるのは1948～1966年頃に活躍していた車両に限られる。また、参加者は1948～1966年頃の服装で参加することになっている。このため、1950年代にタイムトリップしたかのような感覚を味わえる。

イベント中は、さまざまなレースが開催される。著名なドライバーたちが真剣勝負しており、なかなか面白い。

この動画は2018年のイベントのハイライト。空力だのダウンフォースだのを全く考慮していない古いクルマを思いっきりドリフトさせながら走っている。

Mr.ビーンを演じたことで有名なローワン・アトキンソンも、2009年に出場している。Mr.ビーンの愛車はランドローバーのMINIなので、それに乗ってサーキットに颯爽と登場した。
　

リッチモンド公爵

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの主催者はリッチモンド公爵である。

正式な名前は第11代リッチモンド公爵チャールズ・ゴードン＝レノックス。1955年1月8日生まれ。大貴族ながら気さくな雰囲気を漂わせている方である。

チャールズ・ゴードン＝レノックスがリッチモンド公爵を名乗るようになったのは2017年9月1日以降であり、それ以前はマーチ伯爵と名乗っていた。だから、「マーチ伯爵がグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを開催」という文章がインターネット上で多く見られる。

10歳の頃から映画や写真に熱中していた。イギリス第一の名門校であるイートン・カレッジに入学したと思ったらすぐ退学し、スタンリー・キューブリックという名高い映画監督の下で働くようになった。現在も写真を撮るのが趣味で、モスクワやロンドンやニューヨークで写真展を開いている。

2回結婚している。息子3人、娘2人。

2016年1月、宝石を目当てにした強盗に襲われ、夫人ともども縛られてしまった経験を持つ。


リッチモンド公爵は大富豪である。チチェスター地方の丘陵地帯に東京ドーム1,043個分の広大な土地を持ち、グッドウッドハウス、グッドウッドサーキット、グッドウッド飛行場、グッドウッド競馬場、ホテル、クリケット場、ゴルフ場、と色んなものを持っている。
　

関連動画

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード

グッドウッド・リバイバル

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関連項目

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