ヘルとは、
本項では2.について記述する。
トリックスターの神ロキと女巨人アングルボザの間に生まれた(或いはロキがアングルボザの心臓を食べた結果生まれた)、三兄妹の末妹。兄にフェンリル、ヨルムンガンド。
ゲルマンおよびインド・ヨーロッパ祖語の「隠す」「秘密にする」という意味の「Kel-」が語源。これは「地獄」を意味する英語の「hell」と共通している。地獄の女神、地獄の女王、冥界の女神、冥界の女王とも。
ヘルは身体の半分が人肌の色をしているが、残る半分は腐敗して青黒い。資料によっては上半身と下半身とされるが、通常は右半身と左半身であるとされている。これは彼女が「生きながらにして死んでいる」状態を意味しているという。その容貌は魔性の美女であるとも、醜悪な老婆であるとも、様々な解釈がなされている。
兄弟と同じく「世界を滅ぼす可能性がある」という予言によって、生まれてすぐに大神オーディンによって氷の国・ニヴルヘイムに追放されてしまった。そこでヘルは勇敢なる戦士を除いた死者の魂を統治する女王に任ぜられ、その支配領域を「ヘル」または「ヘルヘイム」と称するようになった。
かつてオーディンの息子にして光の御子・バルドルがロキの姦計により命を落とした時、これを嘆いた母フリッグの命を受け、ヘルモーズがヘルの許を訪ねてバルドルの蘇生を懇願した。これに対しヘルは「全世界の住人が涙を流したなら蘇生を許す」と宣言。
話を聞かされた数多の者がバルドルの死を悲しみ涙を流したが、ロキが化けた女巨人セックだけが涙を流さなかった為、この話はご破算となってしまった。
ラグナロクに備え、ヘルは神々と戦う巨人達を乗せる船・ナグルファルを作る為に材料を集める事にした。
それは死者の爪であり、この船が完成した時こそ世界の終わりなのだと人々は信じた。その為ゲルマン人は死者を埋葬する際に爪を短く切り、少しでも船の完成を遅らせようとしたという。
ラグナロクの後、ヘルがどのようになるのかは一切描写がない。
最終決戦後もヘルヘイムは決して滅びないとも、次世代の神や人々を残し、古きものであるヘルと死者達は全て滅びるとも言われている。
地獄を示す英単語であるため、接頭語にすることで手っ取り早く凶悪さなどを付加することができる。そのため、創作の世界だけでなく現実の世界においてもヘル○○といった事象が多数存在している。
なお、ドラキュラ関係で登場するヴァン・ヘルシング教授とその派生のつづりは正しくはHelsingであり、hellではない。
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最終更新:2025/01/03(金) 13:00
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