ヘンケン・ベッケナーとは (ヘンケンベッケナーとは) [単語記事]

ヘンケン・ベッケナー（Hen ken Bek kener）とは、アニメ『機動戦士Ζガンダム』の登場人物である。CV：小杉十郎太。

概要

初代アーガマ艦長で、その座をブライトに譲ると戦艦ラーディッシュの艦長となった。エマ中尉に惚れており、たびたびアプローチするが、恋愛は不器用で失敗に終わる事もあった。

最期はヤザンの攻撃からエマを守るためにラーディッシュを盾にして、艦と運命を共にした。

声優・小杉十郎太のデビュー作である。小杉氏はナレーターも兼任していたため、EDのキャスト紹介は全ての回を通して「ナレーター：小杉十郎太」として記され、ヘンケンの名前は一度も出ていない（劇場版では登場）。

詳細

一年戦争時代から地球連邦軍で艦長職を務めていたベテラン。かつて富士急ハイランドで開かれていた、ア・バオア・クーを舞台とするアトラクション『GUNDAM THE RIDE』では、サラミスを改造したフジ級輸送艦スルガの艦長として登場していた。当時の階級は少佐。

『Ζガンダム』では階級は中佐、エゥーゴに参加している。物語開始当初、巡洋艦アーガマの艦長を務めていた。なお小説版の人物紹介には「離婚経験者？」と書かれているが真相は不明。強面だが面倒見は良く豪快な性格をしておりクルーからの信頼も篤い。クワトロ・バジーナの正体に関しては察していた模様。一方、カミーユ・ビダンのことは甘やかしてしまい、後に増長させるきっかけを作ってしまう（このカミーユは後でウォンさんが修正しました）。

ティターンズに正体を知られないためか、表向きは月面都市アンマンでハンバーガーショップの店長をしている。

ブライト・ノアがエゥーゴに加入すると、アーガマの艦長職を譲ったのち、戦艦ラーディッシュの艦長となって合流した。

ティターンズから寝返ってエゥーゴに参加したエマ・シーン中尉に心底惚れているが、恋愛下手でタイミングの悪い発言をしてしまったりして、なかなか仲が縮まらない。例えば月面都市グラナダにティターンズがコロニー落としを仕掛けた際、これを阻止するため出撃するエマに「（コロニーの核パルスエンジンの影響で）しかしな、君が赤ちゃんを産めんようにでもなったら…」とド直球な心配をしたりしていた。

劇場版では、ブライトがかつての一年戦争以来の付き合いであるカツ・コバヤシを、ヘンケンのラーディッシュへ配置換えしてくれないかと申し出ると、「交換条件」としてエマもラーディッシュに回してくれれば引き受けるという、思いっきり公私混同な条件でカツを引き受けている。シャアには「脈は保証できないぞ？」と言われるが「脈をつけるのが男の甲斐性ってもんだ！」と豪快に去っていく。シャアとブライトはそれを見て「いいな…」「ああ、いいな…」とヘンケンの純真な恋心に柔らかな感情を抱く。

物語が進むにつれて非常にハードな展開になっていく『Ζ』において、ヘンケンとエマの不器用な恋愛はひとときの癒しとなり、ラーディッシュのクルーたちも皆2人の幸せを願うようになっていく。

後半、ミネバおよびハマーンと再会したシャアが「よくもミネバをこうも育ててくれた！偏見の塊を育ててなんとするか！」と珍しく激昂するシーンがあるが、「ヘンケンの塊？」と思った視聴者は多いかと思われる。

最終盤、コロニーレーザー「グリプス2」を巡ってエゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴の激戦が行われる中、エマのガンダムmkIIはヤザン・ゲーブルのハンブラビの前に圧倒されそうになる。この危機にかけつけたヘンケンはラーディッシュをエマの盾にする。というかクルーたちが進んでそのように行動している。そしてヤザンの攻撃でラーディッシュは大破。ブリッジ内を吹き飛ばされ致命傷を負うも、画面に映るエマが無事であることに安堵しながら息を引き取った。

ただ、命を張ってまで助けたエマも最終的には戦死してしまう辺りが、『Ζガンダム』という作品を物語っているともいえるだろう……。

ゲームなど

「スーパーロボット大戦シリーズ」にもたびたび登場し、だいたいブライトのおさがりの艦に乗って別働隊として行動している事が多く、たまにスポット参戦してくれるが正式に長期間加入してくれる作品は未だない。「D」「MX」では『Ζ』の話が既に終わっていてエマともども戦死しているが、それ以外の作品では戦死することなく、「第4次」「第3次α」「第3次Z」と歴代シリーズの最終作ではエマがヘンケンのプロポーズを受け入れて（あるいは受け入れても良いと表明して）おり、ハッピーエンドを迎えている。