この項目を見ているニコニコ大百科読者の方には、突然の無礼を許していただきたい。
話の前に、もう1つ知っておいてもらいたいことがあります。
私はかつて、シャア・アズナブルという名で呼ばれたこともある男だ!
『機動戦士Zガンダム』の登場人物。上記に示す通り、かつてジオン公国軍のエースパイロットとして活躍したシャア・アズナブルが、エゥーゴ(連邦軍)の中で使った偽名である。『機動戦士Zガンダム』のエンディングでのキャスト表記ではシャア・アズナブルのままで書かれているが、ゲーム媒体ではクワトロ・バジーナで表記されている。
一年戦争後、シャアはアクシズにてジオンの再興を画策していたが、ハマーン・カーンがミネバ・ザビの摂政として「ザビ家の再興」を企んだことから政治的に対立し、アクシズを離れた。
宇宙世紀0084年、非合法に連邦軍の軍籍を入手し、クワトロ・バジーナと名乗って連邦軍に潜入。強硬派であるティターンズに対抗すべく組織されたエウーゴの設立に協力する。
宇宙世紀0087年にグリプス戦役が開戦すると、クワトロはかつてのようにエースパイロットとして活動する。しかし、指導者のブレックス・フォーラが暗殺されると、彼の遺言のもとに指導者としても活動するようになる。
開戦当初のエゥーゴはティターンズに劣勢だったものの、指導者になった彼が連邦議会を占拠しての演説で自身がシャアであることを告白し、ティターンズの横暴はかつてのジオン公国のザビ家の二の舞と化し、更にそれによって地球の環境破壊が進んでいる事等をテレビを通じて全世界に伝えたことで戦況は一変。連邦政府内でのティターンズの立場を弱めるとともに、エゥーゴに戦況を傾ける事に成功する。
だがハマーン率いるアクシズが参戦すると、当初は同盟を結ぼうとするが、ハマーンが自身がアクシズにいた頃から何も変わっておらず、それどころかミネバを傀儡にする歪んだ教育をしていたことが分かると憤慨、対立を選んだ。
最終的には三つ巴の戦いになり、戦争終盤はグリプス2宙域におけるコロニーレーザーを巡った大規模な戦闘に突入。その結果ティターンズは崩壊するものの、クワトロはハマーンとのMS戦の末に行方が分からなくなる。その後エウーゴは連邦軍に戻り、アクシズ改めネオ・ジオンとの戦いへと変わっていく(『機動戦士ガンダムZZ』)。
そして後に『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』にて、彼はネオ・ジオン総帥として再び表舞台に上がる事になるが、それはまた別の話である。
なお『機動戦士Zガンダム』のラストシーンでは、コックピットハッチの開いた百式が宇宙空間を漂う場面で物語が幕を閉じるが、後に1997年に発売された同名のプレイステーション用ソフトの"クワトロ編"におけるエンディングムービーでは、ハマーンとの戦いの後のクワトロの姿が少しだけ描かれる。それによれば、クワトロはハマーンとの戦闘後大破した百式から身を乗り出した矢先に、自分が素質を見出し、新しい時代の担い手たる存在と認めていたカミーユ・ビダンがシロッコとの戦いの末に精神を崩壊させた事をニュータイプの能力によって感じ取り「いくら希望を見出しても、地球の重力に魂を引かれた者達のエゴに押しつぶされ、結局はこんな悲しみだけが繰り返されていく。ならば…」と、苦々しい顔と共に後に決意を新たにする様子が描かれている。
『Zガンダム』におけるシャアは一年戦争時のような復讐心もなく、かつてのライバルであるアムロとの共同戦線、部下であり非常に優れたニュータイプの素質を持つ少年カミーユなどの存在もあり、人間関係や精神面でももっともしがらみの無い時代だった。またエゥーゴの立ち上げに際して、ブレックス准将が指導者の立場を引き受けてくれた事も、彼がクワトロとして比較的自由に行動できる要因になったと言える。
「キャスバル・レム・ダイクンでも、シャア・アズナブルとしても振る舞う必要がない」
という事も、一人のパイロットとして伸び伸びとできていたと言える。(後者については物語後半で戻らざるを得なくなってしまうのだが)
自販機のコーラを買って飲む、カラバとの共同作戦の後にアムロと気さくに乾杯をするなど、前作及び「逆襲のシャア」では考えられないような姿が見られる。また劇場版ではエマをヘンケンが口説こうとするのを見てブライトと「いいな」「ああ、いいな・・・」と羨ましがったり、自分のケーキが無いか心配し「私の分は?」と聞くなど人間くさい一面も増えている。
『Zガンダム』におけるクワトロは、もっとも素のキャスバルでいられた時代だったのかもしれない。
また、素質はあるものの感受性が強く、時に激情的な行動に走るカミーユ・ビダンに対して親身になって接していく関係性は、野心を隠す一匹狼(女性に対して拠り所を求める関係性を除く)として一年戦争を生き抜いたかつてのシャアの時代には見られないものであった。
敵の心でさえも感応して理解しようとし、その純粋な怒りや悲しみをマシンと連動して最大限に発揮させ戦場で多大な成果を挙げる、超人的な素質を持つカミーユに対して"自分の信念と限りなく共通するニュータイプ像"を早くから見出しており、彼を精神的にサポートする為に、ブライト・ノアやアムロ・レイ、エマ・シーンら同僚と意見を度々交わす場面が見られた。
その中でシャアとしての立場で人々を導くことを拒んだこと、レコアとの関係などに対してカミーユから問い詰められ、彼から暴力を振るわれようとも、その彼の怒りをそのまま受け入れるという上官らしからぬ姿勢を取ることもあった。その怒りの根底にある純粋さやバイタリティといった性格そのものを含めて、彼を買っていたが故の反応と言える。
だがカミーユは、肉親の死をはじめ様々な人の死を経験していく中で、ニュータイプとして共鳴した強化人間フォウ・ムラサメの死やハマーンとの精神的決別、強化人間ロザミア・バダムの死などを経て、戦争終盤においてはクワトロから見ても精神的に疲弊しているのがありあり分かるような状況であった。
特に「出来る事といったら人殺しだけみたいだな」などと笑顔で口走るカミーユに対して、彼にしては珍しく「あまり気にするな」と励ますも「気にしてたらニュータイプなんてやっていられないでしょ」と、まるでニュータイプであること自体が重荷であるかのような発言とともに笑顔でカミーユに返答され、クワトロが虚ろ気に下を向くしかないといった場面もあった。カミーユに期待していた"未来の担い手たるニュータイプ像"が瓦解していくような心境であったのかもしれない。
最終決戦に至っても、他者の幸福や感情を優先するが故に、自分の命を蔑ろにしようとするカミーユに対して「君のような若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか!新しい時代を作るのは老人ではない!」と、最後の最後まで彼の可能性を信じ、気遣っている様子が伺える。しかし最終的には、他者の感情を言葉を介さず直接感じ体を通して力にすることのできる究極のニュータイプであるが故に、死にゆく怨敵パプテマス・シロッコの悪意が最後の引き金となって、カミーユは自らの精神を散らせてしまうのだった。こうして、クワトロ時代の彼のニュータイプ論における希望的な目論見は瓦解することとなり、実際『逆襲のシャア』以降の彼は一転して、ニュータイプを押し潰すエゴの根源を滅ぼすという、人類を絶望視するような発言を繰り返すなど立場を変えている。
アニメにおいてはカミーユのその後を彼が直接知ったかどうかは語られていない。しかし前述の通り、PS版のムービーにおいては、カミーユが精神崩壊した事を知ったクワトロが挫折し、その悲劇を憂いた過程のもとに『逆襲のシャア』へ繋がる、という流れがはっきりと描かれている。
『スーパーロボット大戦』や『SDガンダムGGENERATION』シリーズでは自軍で使用できるシャアとしての立ち位置として登場。機体を開発できるGジェネは勿論、スパロボでは原作のリック・ディアスや百式以外でも百式改、サザビー等を乗機にする事がある。また逆襲のシャアのようにシナリオ上、裏切るかどうかが心配されるかがファンにとって気掛かりなところ。→クワトロは裏切りません
第3次Z以降、総帥シャアとしての姿で自軍に参戦する事も増えているため、クワトロとして参戦する事が減りつつある。
掲示板
150 ななしのよっしん
2024/02/26(月) 12:22:11 ID: 0lJXOJYOBR
戦間期を補完してるUCエンゲージでは精神崩壊したカミーユをニュータイプとして期待していたのに弱かったから精神崩壊した(富野氏が言うところのカミーユが"神"であることに期待してた)、それが新しい世代が世界を変革していくことに期待しなくなりネオ・ジオン頭領をする原因だと語っているから、精神崩壊しない劇Zなら逆シャアには繋がらんかもしれん
151 ななしのよっしん
2024/09/22(日) 02:08:18 ID: 7SHgw2w5LS
>>127
本当に「バジーナ」の綴りが膣のラテン語読みになってた時期があってだな・・・
152 ななしのよっしん
2024/12/20(金) 21:13:26 ID: o+AmJXw+R/
小説版みたいに自分でガルマを自分て謀殺しなかったほうが良かったと思うんだよね
生き残っていればやりたくない政治家をやってくれるし
死んでも自分が謀殺しなければ、もう少し使命感もって指導者やれたと思うんだよね
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/22(日) 14:00
最終更新:2024/12/22(日) 14:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。