伏黒甚爾とは (フシグロトウジとは) [単語記事]

呪術も使えねぇ俺みたいな猿に負けたってこと

長生きしたきゃ忘れんな

伏黒甚爾（ふしぐろ　とうじ）とは、漫画『呪術廻戦』の登場人物である。
旧姓禪院甚爾。伏黒恵の父。
作者及び読者からの愛称は「パパ黒」。
テレビアニメ版(2期)では子安武人が演じている。

概要

本編開始から12年前を描いた過去編に登場。
禪院家第25代当主を父に持つが、天与呪縛"フィジカルギフテッド"(後述)により一切の呪力を持たずに生まれた。この為家中で不遇をかこい、恵の実母に婿入りする形で家を出る。
結婚中は幾分丸くなっていたが、恵を出産後に程なく妻と死別。禪院家時代の荒んだ性格にもどり、伏黒津美紀の実母と再婚したもののそこからも出奔。以降はヒモとして渡り歩きつつ裏稼業に身をやつし、「術師殺し」の異名で呼ばれるようになる。
息子の恵が術式を持って生まれたことを察し、当代の禪院家当主・禪院直毘人に、術式が明らかになる7歳前後で売り飛ばす約束を結んでいた。

"星漿体"天内理子の暗殺を請け負ったことから、その護衛役であった五条悟・夏油傑と対決。二人のその後に、ひいては本編の展開に大きな影響を与えることとなる。対決の結末はコミックス参照。
後に、本編渋谷事変で思わぬ形で再登場を果たした。

禪院真希と同様に戦闘では呪具を中心に使用するが、対人戦闘が主であるため拳銃や普通の日本刀などの非呪具も必要に応じて使用する。武器の格納用に、物品を体内に出し入れ可能な呪霊(武器庫呪霊)を飼っている。
術式に対する知識も豊富。
また精神的な揺さぶりの為に同業者を利用する、標的の身内を誘拐するなど、周到な計画を踏んでからことに臨んでいる。

人柄は五条悟曰く「僕が引くレベルのろくでなし」。が、禪院家の人々に焦点が当たった後々のエピソードでは本家連中の人でなし具合が半端なかったため、相対的に「パパ黒のほうがまだまとも」と評されることも最近はしばしば。
女性に経済的に依存するヒモではあるものの、裏稼業で大金が入ると気前よく還元するため、作者曰く「リターンのあるヒモ」らしい。

息子の伏黒恵にとっては、自分と義姉を捨てて再婚相手と蒸発したろくでなしの親、という認識である。五条悟が伝えていない為、恵は甚爾の去就を未だに知らない。
恵自身顔も忘れていると言っているほか、本編中でたびたび名前があがっても無反応のため、父親の名前も憶えていない模様。

禪院甚壱は兄。禪院直毘人・禪院扇は叔父。禪院直哉・禪院真希・禪院真依は従兄弟。

天与呪縛"フィジカルギフテッド"

本来生まれつき持っている筈の呪力を先天的に喪失している代りに、人並み外れた肉体強化を得る一種の特異体質。

禪院真希の場合は「術師の家系でありながら呪霊が見える程度の呪力もない」レベルだが、甚爾は非術師が持っている微小な呪力さえも完全に喪失している。
この反動で五感も強化され、直接視認できないにもかかわらず呪霊や呪術の存在を気配から感知できるようになっている。加えて五体も真希以上に強化されており、五条悟の術式順転『蒼』を躱す、水の上を走る等の脚力を劇中で見せている。
また一切の呪力を持たない為、呪術師の呪力感知に捉えられない。

この体質により甚爾は禪院家中で卑下されていたが、上位実力者にとってはその戦闘力から寧ろ恐怖の対象となっていたようで、「今の禪院家が在るのは甚爾の気まぐれ」とまで評されている。

呪具

過去編で伏黒甚爾が所有していた呪具の一部。記載されている以外にも名称・効果不明の武器(呪具かどうかも不明)が登場している。

游雲(ゆううん)

特級呪具。形状は三節棍。特殊効果はなく、純粋に武器としての破壊力が高い。
過去編では未使用。
後に夏油傑が武器庫呪霊ともども所有。新宿・京都同時百鬼夜行事件後、所有権は禪院家となり高専へ貸与、五条悟の承認下で禪院真希が使用している。

天逆鉾(あまのさかほこ)

特級呪具。形状は、根元から枝分かれした小さい刃がある短剣。発動中の術式を強制解除する効果がある。
後に五条悟により封印もしくは破壊された。

万里ノ鎖

等級不明。一方の終端を観測されなければ、無限に伸び続ける鎖。
武器庫呪霊に終端を飲みこませたままで使用していた。

釈魂刀(しゃっこんとう)

等級不明。単行本の作者コメントで価値5億円と言及されており、同価値の游雲と同じく特級の可能性あり。
形状は幅広の曲刀で鍔の代わりに房があしらわれている。あらゆるモノの硬度を無視し切り裂くが、効果を十二分に発揮するには、無生物の魂すら観測する目が必要。
とある事情を経て、禪院真希が後にレプリカを所有。