修学旅行の出禁についての噂とは (シュウガクリョコウノデキンニツイテノウワサとは) [単語記事]

修学旅行の出禁についての噂とは、先輩が何かをやらかしてしまった等の理由で、修学旅行で自分の学校がその場所を出禁になっているとする噂である。

概要

修学旅行で特定のスポットに寄らないとき、その理由として教師や生徒の間で語られることがある噂。ここで大きく取り上げる事例はあくまで噂であり、特に根拠がないものが多いことに注意を要する。

以下に例を示す。

東京ディズニーランド

「先輩がミッキーマウスを池に落としたため出禁」とする噂が存在しており、名古屋を中心として東海・北陸・関西などに比較的広まっているようだ（→参考）。ちなみに「しっぽに火をつける」「対象がドナルドダックやティガー」などバリエーションがある。

ただ、そもそも東京ディズニーランドには池（水場）がそれほど多くないこと、高い柵や仕切りがあること、ミッキーに会える場所が少ないことなどから、この噂について事実としては受け止められていないようだ。

別の世代や前の学校^[1]で普通にディズニーに行っていたり、高校生になってからの会話で「あらゆる中学校でミッキーが池に落とされている」ことを知ったりして、単なる噂だと気づく場合もある。

ちなみに、1995年の地下鉄サリン事件の発生後に修学旅行先が東京から別の場所に変更になった際にこの噂が生まれたとする説もあるが、こちらも特に根拠があるわけではない。

余談だが、出禁の場所がUSJとするものもあり、この場合は「先輩が万引きした」というものが比較的よく見られる。

京都

千葉県、特に船橋市・八千代市で言われている噂。「昔の先輩が文化財を壊した、落書きした等の理由で、船橋市（または八千代市）の学校は全て京都を出禁になっている」とするもの。千葉県全体とする話もある。

実際に船橋市・八千代市の中学校の修学旅行先に関西が少ないというのは事実のようだが、船橋市としては「各学校で決めている」とのことらしい。ホームページなどを参照すると普通に京都に行っている学校（例：船橋市立船橋中学校、坪井中学校、宮本中学校）もあるので、少なくともインターネット上での資料が参照できる2010年代以降では別に船橋市全体が京都を出禁になっているわけではなく、出禁になっているから京都に行かないとも考えにくいと思われる（1980年代ごろにあったとする声もあるが、こちらについては未検証）。

そもそも寺社などのピンポイントな観光地やホテルならまだしも、京都府や京都市・観光協会が、京都という地域全体を特定の地域の集団に限って出禁にすることは法的には考えにくい。実際にあり得るとすれば、船橋市・八千代市の教育委員会や各学校での自粛が出禁として解釈されたり、京都の一部の場所が出禁になったという内容が噂として伝わるうちに京都全体に拡大解釈された可能性がある。

平成２５年度の修学旅行の行き先についての配布資料をご覧いただきたいと思います。中学校の今年度の行き先は、東北方面が５校、信越方面が１６校、関西・中国方面が６校となっております。

（中略）

近隣市の修学旅行についてでございますが、請願の理由に、「近隣市の修学旅行は、全校が、小学校は日光方面、中学校は奈良・京都方面で実施しているが、船橋市だけは何故違うのか」とありますが、平成２４年度におきまして、近隣市でも行き先を一律に決めている事例はございません。各学校が実態に応じて決めております。

近隣市における中学校の修学旅行の行き先は、市川市、浦安市、習志野市は全校が関西方面となっております。船橋市、八千代市、千葉市においては信州方面が多く、必ずしも関西方面ということではございません。

船橋市教育委員会会議８月定例会会議録(2013/08/23)

実際のところ

上記のような噂が流れているもののうち、本当にその理由で行かないものはそれほど多くないと思われる。「単に前年までのルートを踏襲しているだけで、別に行けないわけではない」「ルートを変更すると日程や予算が苦しくなったり、教師側の仕事が大幅に増えたりするため変えていない」などの理由も考えられる。

この噂が生まれた理由はそうした「教師がその場所に行けない理由として挙げて手っ取り早く生徒を黙らせるため」とするものもあるが、「教師側で問題行動をあらかじめ抑制するための言説として使われる」「不良が武勇伝としてホラを吹いて語った（あるいは周囲が持ち上げた）」とする説もあり、結局のところは不明である。

ただ、宿泊施設など場所によっては本当に過去の迷惑行為で出禁（または修学旅行生お断り）となる場合もあり得ないことではない。修学旅行でなくても、飲食店では迷惑行為を受けて特定の学校の生徒を出禁にする場合がある（参考）。出禁どうこうと関係なく当たり前のことではあるが、お互い嫌な思いをしないためにも迷惑行為はしてはいけない。