明和電機とは、中小企業の町工場のスピリッツを持った現代芸術ユニットである。
明和電機という名前は、かつて土佐兄弟の父が経営していた町工場、「有限会社明和電機」が由来である。東芝、松下の下請けとして真空管の製作から始まり、電子楽器メーカーのRolandにボリューム調整の機械を納品するなどし、最盛期には100人を越す社員を抱えたものの、オイルショックにより1979年に倒産してしまった。
14年後の1993年5月、土佐信道が兄の正道を引きこみ、総合アートユニットとして再び明和電機を設立(結成)。魚をモチーフにした「魚器シリーズ」や電動楽器の「ツクバ・シリーズ」などの製品(作品)を開発した。ツクバ・シリーズを用いたライブや魚器シリーズの展覧会などの「製品発表会」を積極的に行い、2000年にはグッドデザイン賞を人間として初めて受賞した。
2001年、正道が35歳で定年退職(脱退)。タミヤの工作シリーズや「週刊少年タケシ」など活動の場を広げた。一方の信道は社長に就任し、新シリーズ「エーデルワイス」をスタート。2003年には初の海外公演を行った。
社是は「やりにげ」。社訓は「やったもんがち、とったもんがち」
明和電機の製品は以下の3種類に大きく分けられる。代表的な製品も併せて記す。
明和電機の中核をなす製品で、現社長・信道の「自分とはなにか」という問いからスタートしたシリーズ。自分を「魚」世界を「魚の住む小さな海」に置き換えて、発見したことを基に作られた製品群。アルファベットの型番が付けられ、26種類存在する。「魚器」は「なき」と読む。
魚の骨をモチーフにした延長コード。初めて商品化され、6万本を売り上げた明和電機の代表作。
・・・なのだが、信道はあまり乗り気でなく、兄のデザインを採用するなどわりとどうでも良かった製品らしい。読みは「な・こーど」。名前の由来は結婚式の「仲人(なこうど)」のように発電所と家電を取り持つことから。
ちなみに、NHK『英語でしゃべらナイト』で明和電機が特集された際、街頭でこの製品を見せられたイギリス人のコメントが、かの有名な「日本人はイッちゃってるよ あいつら未来に生きてんな」である。
魚を叩いて〆る(乱暴に言えば撲殺する)ための棒。ネイティブアメリカンの使っていた魚型の道具が基であり、「魚を魚で殴る」という自己完結を気に入った信道が製作(ちなみにこれが最初の作品)初期のライブでは実際に魚を殴っていたが、思わず観客が止めに入ることもあったようだ。読みは「なうちぼう」
拳銃型の腹話術人形。「ヒトと魚の中間に位置する」という13週目の胎児の顔がモチーフになっている。胎児という「生」のイメージと拳銃という「死」のイメージが合体した、矛盾を孕んだ作品。ちなみに元々は、兄・正道の結婚式の出し物で信道が使ったものだった。
100ボルト電流を用いて演奏する電子楽器シリーズ。主に電磁石に通電することで物を叩く「ノッカー」により、スピーカーを使わず発音する一種のアコースティック音楽。「リバプール」「デトロイト」のように工業都市から生まれる新たな音楽ジャンルとして、茨城県つくば市から名をとって名付けられた。
明和電機といえばこれを思い浮かべる人も多いであろう製品。指パッチンでノッカーを動かし、開閉型のウイングに付けられた2個の木魚を演奏する。魚器シリーズの一種でもある。
パチモクと並ぶ代表的な製品。64個のスイッチが並んだ鯉のぼり型手動リズムマシン。スイッチでリズムをプログラムし、ハンドルを回すとコンセントからノッカーへ電流が出力される。PVの撮影で大波をかぶって故障したため、新たにダウンサイズした「ちっコイ・ビート」も製作された。
MIDIやコイ・ビートで制御する、ノッカーと叩くものが箱に収められたドラムセット。
ギターを遠隔操作するコントローラー。ピックに100ボルトが流れており、弦を弾くと電流が出力される。感電を避けるため演奏には革手袋が必要。ウルトラフォークⅡではアルペジオやストロークが可能になった。
オスが虐げられ、メスが支配する都市「末京(まつきょう)」(語源はマツ◯トキヨシ)を舞台にした物語を作り、そのイメージから得たインスピレーションをナンセンス・マシーンに落とし込んだシリーズ。女性をモチーフに「生殖」「ファッション」「表層」「遺伝子」「再生」などを製品として実体化することが目的。
リンゴの弾丸を落下させ、地球の中心を正確に撃ち抜く銃(水平器付き)。「地球に引っ張られるリンゴのエンジン」を使い、ロケットでメスの支配する地球へ向かう物語を基にしている。
メスへの反乱を目論む脆弱なオスたちを象徴した製品。オスたちが強さの象徴としていたナイフ、バイクを基にした金属製のアゴ。エンジン駆動でナイフの刃を動かしメスたちを噛み砕く。
花形をした木琴。花びらが木琴になっており、演奏しながら開閉する。
ウルトラフォークを発展させ、完全自動演奏化を実現した楽器。全部で4台あり、それぞれギター、ベース、マンドリン、ドラムの役割を果たしている。女性の体(ギターは女性の体を象ったとよく言われる)にブラジャー、パンティー、かんざしを装着した姿をイメージしている。
明和電機の製品(作品)は一点物であり基本的に購入することはできないが、それをプロトタイプとして
複製された「マルチプル」や、CD、魚コードのように大量生産された「プロダクト」の製品を購入することができる。パチモクやコイ・ビートなども「マルチプル」として受注販売会が何度か行われた。
ひねって操作するチャンネル「ガチャコン」、ダイヤルを回して時報を聞く時計「ジホッチ」に代表される「明和電機のある暮らし」を提案する「Arcrassy(アルクラシー)」シリーズ、誰でも楽しめる電子楽器「オタマトーン」など製品展開のために作られたものも多い。
掲示板
18 ななしのよっしん
2018/01/16(火) 07:24:39 ID: O640tCp8z8
何年か前に原宿キディランドの前でオタマトーンの実演やってたなぁ
グッときたもんだ
19 ななしのよっしん
2021/05/15(土) 08:17:42 ID: 9zSa8X4/ec
だろうなとは思ったけど薄い本あって草
https://
20 ななしのよっしん
2021/11/22(月) 13:51:55 ID: 9zSa8X4/ec
>>19
兄×弟じゃなくて弟(の扮したキャラクター)×弟らしい
これもうわかんねぇな
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最終更新:2024/12/03(火) 08:00
最終更新:2024/12/03(火) 08:00
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