秋月文種とは (アキヅキフミタネとは) [単語記事]

「秋月文種」（あきづき・ふみたね 1512 ～ 1557）とは、三国志開幕時期の皇帝・霊帝の末裔を自称する九州の渡来系大氏族・大蔵氏の中でも、原田氏・高橋氏と並んで三大豪族と言われた秋月氏の当主。

少弐家や大友家よりも歴史のある九州の名家ながら、北九州バトルロワイヤルを生き抜く為に、大内家→大友家→毛利家と主家を転々とした果てに、毛利元就に切り捨てられた悲運の戦国武将。

苗字が同じことから、戦国系iM@S架空戦記シリーズで秋月律子が九州から登場すると「また秋月か」と言われる。

別名は「秋月種方」

概要

後漢の霊帝の末裔を自称し、藤原純友の乱で功績を上げて九州に下向した大蔵春実を祖とする、筑前地方の国人・秋月氏14代当主・秋月種時の子に生まれる。

父の死後、家督を継いで秋月氏第15代当主と、秋月氏の拠点・古処山城の城主となった。

大内家から大友家へ

はじめは、周防・長門に強大な勢力を持つ大内義隆に属し、大内義隆と大友宗麟が争った際の和睦に尽力した事から、大内義隆の推挙をうけて室町幕府番衆となった。

大内義隆が大寧寺の変で陶晴賢の謀反軍に敗れて死亡し、大友宗麟の弟の大内義長が大内家の当主となり、大友宗麟の影響力が高まると、大内家を離れて大友家に属した。

大友家から毛利家へ

陶晴賢を厳島の戦いで敗死させた毛利元就は、大友宗麟から茶器以下の命だと判断されてしまった大内義長を追い込んで大内家を滅ぼすにあたり、大友宗麟からの援軍が送れぬようにと画策した。その際に、元就は北九州サバイバルに参加中で、大友家に完全に臣従しているわけではない秋月文種に目をつけた。もはやバトルロワイヤルな状態から生き抜こる為に外部の協力を得る道を選んだ秋月文種は、毛利元就の調略に応じて、大友宗麟に対して謀反を起こす。元就の狙い通り、謀反に対処するため大内家に援軍を送る余裕のなくなった大友宗麟を尻目に、毛利家は大内義長を滅ぼした。

しかし、しょせん秋月文種は、毛利元就にとっては自軍を有利にする為に敵軍から奪い取った駒に過ぎなかった。元就は、古処山城に篭城して戸次鑑連・志賀親度・臼杵鑑速ら大友家の名将達の攻撃に耐えていた秋月文種を救援する為に、そのまま北九州の大内遺領へと侵攻することはせず、石見・安芸・備後を勢力下におさめるのを優先した。孤立無援の秋月文種は雷神ベッキーらの猛攻をうけて敗れ、秋月種実・秋月種冬・秋月種信の三人の息子を毛利元就の元に送り出した後に自刃し、戦死した嫡男・秋月晴種の元へと旅立った。