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西行寺幽々子の自尽考察とは、東方Projectのキャラクター「西行寺幽々子」の、自殺方法の考察である。
概要
東方妖々夢のキャラ設定.txtには「自尽した」としか書かれていないため、具体的な自殺方法が不明である。
妖々夢は壮大なバックストーリーであり、幽々子は東方Projectのキャラクターの中で「死」を経験している希少なキャラであるため、しばしばシリアスなストーリーの題材として取り上げられる事が多いが、自殺の具体的な方法の描写は二次作品を作るにあたっての悩みの種となる事が多い。
以下に、よく取り上げられる主な自殺方法について記述する。
なお、前提となる仮定として、「幽々子は自決当時は15~20歳程度の年齢であった」「実際の歴史の西行法師の娘として保延三年(1137年)に生まれている」、つまり幽々子の享年が1150~1155年頃であるとしている。
(ちなみに実在する西行法師の娘は1199年没であり、ほぼ天寿を全うしている)。
- 切腹
- 西行法師は元は武家の出であるため、武家の自殺方法と言えばまず真っ先に思い浮かぶのが切腹。
ただし切腹が「武家の男子が行う作法としての自決方法」とされるのは早くても桃山時代であり、幽々子の享年当時ではそのような慣習はほぼ無かった。ちなみに歴史に残っている限りでは、最初に切腹による自決が行われたのは1170年である。
このような「作法としての自決方法」として確立される前は切腹はあくまで数ある自決手段のうちの一つであり、死ぬために切腹を選ぶ理由があるとすれば、「呪いをかけるために苦しんで死ぬ」と言うようなホラー的なものがある程度。 さらに、女性が自害するときに切腹をした、という記録は男性に比べるとだいぶ少ない(足利義政の乳母、今参局)。女性は基本的に着物を着用しており、加えて腹部には腰布を巻いているため、(薄着に着替えた場合は別として)女性の腕力で着物の上から腹を掻っ捌く事はまず不可能である。さらに、女性が死に際して上半身素っ裸になるのも好ましくないため、この意味でも女性の切腹は稀であると言える。
- 胸を突き刺す
- 武家の女性は護身用・自害用(と言っても持つのが女性であったため、実質的に自害用)として懐刀を所持するという習慣は古くから存在しているため、女性が自害を行う際に刃物を使うという事自体はごく普通の事であった。
切腹と同様に着物を着ているため女性の腕力では難しい(しかし裸になる訳にもいかない)と言う問題はあったが、こちらは心臓を狙えば切腹と違って突き刺すだけでほぼ確実に致命傷になるため、うつぶせになって体重をかけるという方法で実行する女性は多かったとされる。二次創作としてうつ伏せで胸に刃物を突き刺すのが絵になるかと言われると微妙だが、時代背景的にはメジャー(?)であり可能性の高い方法。
なお、幽々子様はボインだから胸に突き刺すのは難しいのでは?と言う疑問がたまに見られるが、心臓の位置は完全な左側ではなく、殆ど真ん中と言って差し支えないあたりの位置である(やや左寄りというだけ)。従って胸の谷間を目がけて突き刺す事は十分可能。
余談だが、胸を突き刺すシーンを絵に描く場合、無用なツッコミを防ぐために、刃を横にするようにしよう。縦向きに突き刺すと高確率で肋骨に当たってしまうためである(よほど細いレイピアのような剣なら別だが)。
- 首または喉を斬る
- 首または喉を斬る(切ると同意。ただし、人の場合は「斬る」の方が望ましい)と殆どの場合大動脈を切り、大量の出血によって失血死する。首は着物を着ていても大抵露出しているため女性の力でも無理なく行う事が出来、かつ即死はしないものの致命傷になる確率も高い。更に古来から女性の自殺方法として用いられていたため、胸を突き刺す方法と並んで最も可能性の高い方法。 また、江戸時代以降の「武家男子は切腹」という文化が完成されてきた時代の話ではあるが、何らかの理由で女性が引責して自決する必要が出てきた場合、切腹の代わりに喉を切って死ぬという方法があてられる事が多かった。
首の大動脈を切断すると派手に血液が噴出し飛び散るため、描写としては胸を突き刺す方法よりも悲劇的なシーンを演出する効果が高いと思われるが、動脈と一緒に気管(喉の中の、空気の通り道)を傷つけた場合、気管に血液が入り込みまともに喋れなくなるという点には注意。(喋ろうとするとゴボゴボと血の泡を吹くだけで何を言っているのか分からなくなる)。ただ、運良く喉仏の真ん中を切った場合は血が外ではなく食道に流れるため、ヒューヒューと音がしながらも喋ることができる(森鴎外「高瀬舟」より)。
- 入水
- 女性の力でも無理なく行う事が出来る方法であるため、昔から割と一般的であった。…が、こちらは死ぬ際の問題ではなく死んだ後に色々な(描写上の)問題が生じる。
人間の身体は通常水に浮くとされているが、それは肺の中に空気が溜まっているからであって、水を大量に飲んで空気を吐き出してしまうと、人体は水に沈む。つまり、他人に見張られながら入水し、即座に引き揚げられる等しない限り、池や海の底に沈んでしまい暫く見つからなくなってしまう。
時間が経つと遺体は浮いてくるが、それは体が腐ってガスが発生しそれが体内に溜まる事によって浮力が発生するからである。大量に水を吸った状態で腐っているところに腐敗ガスで風船状態になるため、遺族でさえも識別出来なくなるほど凄まじい外見になってしまう(いわゆる土左衛門)。
リアルに描写すると顔がふた回りほど膨張したりするなど、非常にグロテスクになってしまうという問題のほか、幽々子の遺体は死後に西行妖の封印に使われている事を考えると、ストーリー的にも少々扱いづらい方法と言える。
- 服毒
- 「苦しむ事もなく綺麗に死ねる」と言うイメージを持たれている事がよくある服毒自殺だが、理想的に事が進む事はあまり無く、大抵未遂で終わるか、死ねたとしても非常に苦しむ不確実な方法でもある。
毒と言っても多岐に渡るが、毒性があまり強くなく死に至らない場合が多い毒、少し摂取しただけで強い嘔吐感により吐いてしまい摂取自体が難しい毒などが多い。後者の例としては、(幽々子の時代にはなかったが)タバコのニコチンなどが有名。
古来より毒殺に使われてきた毒物として有名なヒ素やトリカブトも強い嘔吐感を含む激しい中毒症状を持つため、いずれにせよ「苦しむ事無く綺麗に死ぬ」というのはかなり難しい。苦しみながら死のうものなら、顔はもだえ、苦しんだままの状態で、口の周りに嘔吐物が散らばっている、といった描写が出てくる恐れもある。
- 首吊り
- 日本国の死刑方法としても用いられている方法だが、一般的な自殺者が行う首吊りと死刑で行う首吊りはほぼ別物。
死刑のものは首に縄を括りつけた状態で高いところに登らせ、足場を外して勢い良く落下させる方法だが、この場合窒息する前に頚椎を骨折してほぼ即死する。一方で一般的な自殺者による首吊りは動脈圧迫による窒息死である。
手で首を絞める場合と違って、首を吊ると(よほど変な括り方をしない限り)綺麗に動脈が締まるため数秒で意識を失い、殆ど苦しむ事無く死ねる(と言われている)。用意する道具もロープだけで良い上幽々子の場合は西行妖と言う首を吊るのにちょうど良い木がストーリーに登場する事になるので都合が良いといえる。
ただし西行妖の下で首を吊ったとすると、そもそも幽々子が自殺を決意した経緯を考えると、わざわざ西行妖の真下で自殺して、更なる妖気を与えてしまうような真似をするか?と言う疑問が残るし、何より首吊りは死後の筋肉弛緩により穴と言う穴から色んな体内物質が出てきて土左衛門のごとく凄まじい有様になるため見た目の面でもあまりいいものではない。
関連項目