闇医者とは、正式な資格を得ず医師行為を行っている者、あるいは制度上認められた範囲を著しく逸脱するような診療を行っている医師などを表現する言葉である。
日本を含む現代のほぼ全ての国家において、医師は免許制である。国家試験などによって知識や技術が求められる一定水準にあると認定されなければ、医師免許を発行されない。医師免許なしでの医師行為は、法で禁じられる。
また、医師であればあらゆる医療行為を行ってよいわけではなく、倫理的に特段の配慮が必要な行為、例えば臓器移植、堕胎、安楽死、尊厳死などは、厳密な管理/制限の元で行われる必要があるか、または国によっては完全に禁じられている。
こういった、法律に基づく制度上の制限を無視して医師行為を行う犯罪者らを「闇医者」と呼ぶ。「医師免許を持たないのに医師行為を行う」ケースの場合は「もぐり」(モグリ)の医者などとも形容される。
ただし「医師免許がないのに医師と偽って医師行為を行った者」はしばしば逮捕されて医師法違反などで処罰されているが、その場合は報道などでは「ニセ医者」(偽医者)と表現されることが多く、「闇医者」と表現されることは少ないようである。また、医師が無届けで脂肪幹細胞を患者に投与したことで再生医療法違反として逮捕されたケースもあるが、これも「闇医師」という表現で報道されてはいない。
一応、「不法滞在外国人を違法に診療する、海外の医師免許しか持たない医者」を「闇医者」と形容しているゴシップ誌記事などはあるようだ。だが基本的には、現実においてはあまりフォーマルな場面では使用されない言葉であると言えるだろう。「闇」とか口に出して中二病みたいに思われたら恥ずかしいし……。
むしろ現実でのケースよりも、フィクションの登場人物においてよく使用されている言葉かもしれない。
作品の記事がニコニコ大百科に存在しており、さらに作中や公式サイドで「闇医者」(または「ヤミ医者」「闇医師」などの表記ゆれ)の表現が少なくない頻度で使われている場合のみを挙げる。
無免許医の物語として有名な『ブラック・ジャック』は、主人公のブラック・ジャックは「闇医者」ではなく「モグリ」として主に表現されているため、該当しないことになる。
俗語であるため、いつごろからあった言葉なのかはわからない。
第二次世界大戦後に配給以外での食料品の取引を行う「違法な統制外の市場」を指した「闇市」という言葉がある。ここから派生しての「違法な統制外の医師」を指す言葉として生まれたと仮定すれば、第二次世界大戦後に生まれた言葉なのかもしれない。
ひとまず昭和22年(1947年)の国会議事録に以下のような発言記録があり[1]、2021年12月31日に少し検索して探して見つけ得た範囲ではこれが最も古いものだった。
そうして賃金が安いために、今やお醫者さんはまつたくひあがつている。だからやみ醫者にでもならなければ、實際生活ができないような状態で、こういうことを放つたらかしておいて保健所を擴充しておる。
文脈からすると、この場合は「医師免許を持たぬ医者」を指す用法ではなく、「医師免許を持っているが、制度の認める範囲の外の診療報酬を得ている医者」を指す言葉として用いられているようだ。
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最終更新:2025/12/05(金) 21:00
最終更新:2025/12/05(金) 20:00
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