タノムオネガイダオネガイダダメダソレハダメダソレハダメダワシガナンデモスルカラ
※※注意※※ この記事は「ハリー・ポッター」シリーズ後半の展開について大きなネタバレをしています。 |
頼む。お願いだ。お願いだ。だめだ。......それはだめだ。それはだめだ。わしが何でもするから......とは、「ハリー・ポッター」シリーズの登場人物、アルバス・ダンブルドアのセリフである。
シリーズ第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』でのセリフ。
それまで絶大な威厳を保っていた最強クラスの魔法使いであるダンブルドアが恐怖に駆られながらこのようなことを言ったのと状況だけ見ると割とシュールだったため、ハリーと読者に強いインパクトを残した。
後にダンブルドアの弟であるアバーフォースに出会い昔話を聞かされたハリーは、この時、ダンブルドアは薬によって、かつての盟友であるグリンデルバルドが弟と妹を傷つけている幻覚を見ていたのだと推測している。
ハリーとダンブルドアはヴォルデモートの生命のバックアップである分霊箱を壊すため、海岸沿いの崖に空いた洞窟を進み、幾多もの死体が沈む巨大な黒い地底湖を小舟で渡ってその中央にある滑らかな岩でできた小島に辿り着く。
小島にはエメラルド色の液体[1]で満たされている石の水盆が置いてあった。どうやらその液体を飲み干さなければ水盆の底にある分霊箱を手に入れることが出来ないようだ。
しかも、この液体は分霊箱を奪う者を阻止する作用がある薬らしい。
ダンブルドアは「わしのほうが年寄りで、より賢く、ずっと価値がない」「君の役目はわしに飲み続けさせることじゃ」とハリーの制止を振り切り、クリスタル製のゴブレットに薬をなみなみと満たし飲み干していく。
しかし、四杯目の途中でダンブルドアがよろめき、喘ぎだしてしまう。
このヴォルデモートの仕掛けた罠は肉体的損傷よりもはるかに恐ろしいものを呼び起こす劇薬だったのだ。
「やりたくない……わしにそんなことを……」「……いやじゃ……やめたい……」「だめじゃ……」「いやじゃ……いやなのじゃ……行かせてくれ……」「わしのせいじゃ。わしのせいじゃ」「頼む。お願いだ。お願いだ。だめだ。......それはだめだ。それはだめだ。わしが何でもするから......」「あの者たちを傷つけないでくれ、頼む」「わしは死にたい! やめさせてくれ! やめさせてくれ! 死にたい!」
「殺してくれ!」
目に見えない拷問者に囲まれているように身を縮め蒼白な顔で喚くダンブルドアに対し、ハリーは涙声になり、自分自身の行為に強い嫌悪を抱きながらも、無理やり恩師の口に薬を流し込み続ける。
やがて水盆は空になるが、R・A・Bを名乗る何者かによって本物の分霊箱は持ち去られており、弱ったダンブルドアはホグワーツに帰った後、ドラコ・マルフォイに武装解除された上でセブルス・スネイプにアバダケダブラを打たれ死亡してしまう。
実はこのときダンブルドアは別の分霊箱を壊すときにミスをして強大な呪いを喰らい、すでに1年以内に死ぬことが確定していた。
ダンブルドアはこのボーナスタイムを使って、自分の死を味方に有利になように利用するため、二重スパイであるスネイプに自分を殺させたのである。
こうすることで闇の陣営におけるスネイプの信頼度をあげ、ヴォルデモートの命令を聞くしかない哀れなマルフォイを一時的とはいえ救えるからだ。……これによりスネイプの魂は大いに傷つき、勘違いしたヴォルデモートに結局殺されるハメになってしまうのだが。
『謎のプリンス』読破後、ハリーと読者は意味のない冒険の末、ダンブルドアの命が果てるという衝撃の出来事に今までにない無力感に襲われるが、この洞窟での出来事がダンブルドアの真意を知ったアバーフォースが最終決戦の舞台に援軍として本格的に参戦する遠因となり、さらに実はマルフォイに武装解除されたという偶然が闇の帝王にとって大きな誤算となって降り注ぐことを考えると、決してダンブルドアの死は無駄などではなかった。
『謎のプリンス』はダンブルドアがハリーに与える「総仕上げ」のような一巻だったのだろう。
次作の『ハリー・ポッターと死の秘宝』にてR・A・Bがシリウス・ブラックの弟の元死喰い人であることが判明するがそれはまた別の話。
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最終更新:2024/09/12(木) 09:00
最終更新:2024/09/12(木) 09:00
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