092型原子力潜水艦とは中国人民解放軍海軍の弾道ミサイル原潜である。NATOコードネームは夏型。また、同海軍が建造、保有した初めての弾道ミサイル潜水艦でもある。092型とは言うものの、不十分な性能のため一隻が建造されたのみである。(ただし、2番艦が建造され事故で沈没したという真偽不明の情報もあり)
ミサイル発射管制装置の不具合により、本型からのJL-1の発射は難航した。ゴルフ型では成功したものの、就役に至るまで本型からの水中発射実験が成功することはなかった。最終的に本型が就役したのは1987年のことだった。また進水したのは1981年なので、就役までに6年の歳月を費やしている。
結局、本型からの水中発射実験が成功したのは1988年のことだった。
本型に搭載されているJL-1SLBM(DF-21とミサイルが共通している)の射程は2000キロ程度と見積もられている。この射程は仮に渤海湾(内海で運用を阻止される危険性が少ない)から発射すると、日韓台、ロシアの極東を含む程度にすぎない。
その点だけで言っても戦略原潜としての能力が不充分である。その欠点は米国を核抑止の対象と考えた時に顕著である。例えば、グアムを標的として考えた際にも最低限、琉球諸島付近まで進出する必要がある。 しかし、仮に実戦となれば(個人的には戦略原潜が実戦に参加する事態はあまり想像したくないが)、日米による苛烈な攻撃が加えられるのは間違いない。本型の静粛性は劣悪と評価されており、その攻撃を掻い潜れられるかは疑問である。
とはいえ、当初の構想ではソ連を主な核抑止の対象として想定していたようであり、それならば2000キロ程度の射程でも十分に足りるということになる。
90年代半ばになると本型は大幅な近代化が実施され、一定の運用能力(ただし攻撃原潜としての)を得たようである。
以上のように区分上は戦略原潜であるが、実態としては攻撃原潜として運用されているようである。その根拠として、本型による戦略パトロールが行われていないことが挙げられる。
また本型一隻だけでは戦略パトールが運用上困難である。戦略パトロールの実施には整備の関係上、通常3から4隻程度が最低限要求される。ただし、2007年になると後継である094型の就役が始まった。
以上のように本型の能力は高いものではない。その意義は中国海軍に初の戦略原潜を保有させたという以上のものはないように思える。2007年には後継の094型が就役し、さらにその後継の096型の出現も見込まれている。2018年現在、本型の就役年数は30年を超えており、近い将来に退役するものと考えられる。
水中排水量 | 6604トン |
全長 | 120メートル |
幅 | 10メートル |
吃水 | 8メートル |
主機 | 原子力ターボ・エレクトリック(原子炉1基)一軸 |
出力 | 12000馬力 |
水中速力 | 22ノット |
潜行深度 | 300メートル |
兵装 | JL-1SLBM12基、533m魚雷発射管6門 |
乗員 | 140名 |
日本周辺国の軍事兵器「092型弾道ミサイル原子力潜水艦(シア型/夏型)」
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最終更新:2024/04/25(木) 18:00
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