『Air-Defence Anti-Tank System』、略してADATSとは、アメリカとスイスが共同開発した地対空ミサイル兼対戦車ミサイルである。
アメリカ陸軍は1960年代よりM48チャパラル短距離地対空ミサイルを運用していたが1970年代にこれを更新するミサイルの開発を決定した。開発企業はアメリカのマーチン・マリエッタ社とスイスのエリコン社が共同で当たるとした。1979年開発開始、1984年開発完了。
短距離地対空ミサイルとは大体防御するべき場所から5㎞~10㎞の範囲で敵機を落とすミサイルで、日本では81式短距離地対空誘導弾とか11式短距離地対空誘導弾、ロシアでは9K330トールが該当する。
射程10㎞程のミサイルで誘導方式はレーザー誘導。最大の特徴はモード切替で対戦車ミサイルとしても使える点で、弾頭がHEAT弾の構造になっている。対空ミサイルとしては近接信管を作動させ超高速の破片で敵機を破壊、対戦車ミサイルとしては直接信管を作動させ最高900㎜の鉄板をぶち抜く程度の能力を持つ。
ADATSは砲塔でレーダー・誘導装置(レーザー発振器)・制御コンピューター・ミサイル本体を全部乗せして1両でシステムが完結している。このため後述するがいろんなベース車両に載せることが可能である。
デメリット多すぎ。
1981年より3年ぐらいかけてアメリカ軍はADATSをテストしたのであるが、以下の問題を指摘したのである。
レーザー誘導の宿命で、特に雨の日はレーザーが弱くなって敵機へ誘導しきれないのである。これが近距離(1~5㎞程度)ミサイルってのなら話が分かるが(現にイギリスが2000年代に採用した近距離地対空ミサイル、スターストリークはレーザー誘導である)、こいつは短距離ミサイル。悪天候時の命中率の悪さは看過できなかった。
レーザー誘導の宿命で(またかよ)、命中するまで敵機にえんえんレーザーを当て続けないといけない。つまり敵機が見えるところに車体をさらし続けないといけないのである。これが近距離(ryならわかるがこいつは短距離(ry、返り討ちに合う確率が高くなるとみなされたのである。
9K330トールの項目を見てもらってもわかるが、実は全部乗せしたシステムってのはどうしてもユニットコストが高くつく。主にレーダーとかの電子機器のせい。おまけに対戦車ミサイル機能なんてものを付けたためさらに価格が上がったらしい。後述するカナダがADATSシステムを購入した時は参考にしたサイト
によると計10億900万ドル、カナダドル計算としても現在の価値にすると日本円で1両あたり43億円というトンデモ車両である。なお米ドル換算だと56億円相当。そらセレブ国家アメリカでもドン引きするわ。
アメリカは一応『MIM-146 ADATS』という名前で採用はしたものの購入や配備は行わず、カナダ(36ユニット)、タイ(2ユニット)、アラブ首長国連邦(15ユニット)の製造にとどまった。
タイは地上設置型を購入。アラブ首長国連邦ではどのように配備されているかよくわかってなく、販売記録が残るのみである。
掲示板
2 ななしのよっしん
2016/05/07(土) 15:28:09 ID: FwWMLqwyTG
ビームライディングとかSARHじゃだめだったんですかね・・・
3 bstakao
2016/05/26(木) 04:30:07 ID: vyz591SFbe
>>2
ビームライディングなら対戦車なら使い出があるけど、結局は対空で全天候性に問題あり。
SARHにすれば対空は大丈夫だけど、代わりに対戦車ならグラウンドクラッタ―の問題があって使い物にならず。
解決しようとすれば、ミリ波ARHにレーザーシーカーを付与したマルチモードシーカーにすべきだけど、ヘルファイア後継がそのシーカーで爆死してるので、どうしょうもないというコンセプト段階から爆死してるかわいそうな子です。
4 ななしのよっしん
2019/10/20(日) 06:52:39 ID: S5tBmwQGAX
スーパー大戦略における最優秀車輌のひとつ
当時は間接ユニットもなく索敵もなかったからADATS万能だった
まあ実際の車両価格反映させてなかったお陰だけども
もしコストがまともに反映されてたらダメ兵器扱いだったろうなー
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最終更新:2026/02/05(木) 13:00
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