47
31 ななしのよっしん
2018/05/15(火) 19:40:46 ID: rPnvq5PwI3
あんまり良くわかってないんだけど、
- 「PAでは真か偽かが定まらない命題が存在する」
ではなくて、
- 「意味は真であるが、証明木を組み上げる方法がない命題が存在する」
っていうことであってる?
32 ななしのよっしん
2018/05/17(木) 16:42:54 ID: 0ydfkR3j9V
「私の証明木を組み上げる方法はない」と自分自身で主張している命題が存在するって事ね
表面的には「ある性質を持つ自然数は存在しない」と言っているにすぎないのだが
ある性質ってのを超数学的に翻訳すると自己言及型の命題として解釈できる、ということ
33 ななしのよっしん
2019/01/20(日) 21:18:26 ID: s+H+BN2e90
他の人も言ってるけど基礎論を学ばずに理解しようというのは困難だよ。要約は割と誠実かなぁ。
一つ目は「決定不能命題の存在」の事をいってて、言ってることは第一不完全性定理よりも広いね。
二つ目は基礎論ではかなり重要で、この定理は不可能性の定理のように書かれるけど、定理の適用条件を満たしたある2つの公理系(理論)をその強弱で並べられる可能性を示してるんだよ。
34 ななしのよっしん
2019/01/20(日) 21:31:20 ID: s+H+BN2e90
後、ロビンソン算術やPA(ペアノ算術)は数学の体系としては弱いから、それ自身の中に自身では証明できない算術命題が存在することは意外じゃないかもしれないよね。でも集合論を扱えるZFCはPAを含んでいてそれよりも強い体系。しかもコンセンサスで数学のほぼ全体を形式表現可能と信じられてる。でも、ZFCにもこの定理は成り立つから証明できない算術的命題が存在するわけね。
これは意外かもしれない。
35 ななしのよっしん
2019/08/02(金) 03:25:26 ID: /XAzNIopTx
たった今これについての教科書を読み終わった......
昔からこれの乱用みたいなものを見てきたが、人文学の人に気をつけて欲しい点がはっきりした
・「数学の証明」と「形式体系における証明」は根本的に次元が違う
・不完全性定理の前提は「算術を含む形式体系で〜」だからこれは算数についての定理といった方がいい
・「命題が数学的に証明可能」「形式体系で論理式の証明が存在する」「形式体系内で『論理式の形式体系証明が存在する』ことを意味する論理式の証明が存在する」これは全部本質的に別の主張で不完全性定理は3つ目の弱点をついたもの
他にもいろいろ言いたいことあるが人文学の方々には最低限上の3つを完全に理解してから使って欲しい
この定理は悟性や知性や理性や神の存在や現象学的地平や懐疑主義や精神や決定論や実在論や倫理的価値や判断力や合理主義やトロッコ問題について何らの知見をもたらすものではありません
36 ななしのよっしん
2020/01/02(木) 04:42:41 ID: zj0ZWSl8Wl
ゲーデルの定理 利用と誤用の不完全ガイド(日本語版2011年発売)
https://
大学図書館に置いてあったが結局読まないまま卒業してしまった本
なお一介の数学科生にどこまで読みこなせたかは不明の模様
37 ななしのよっしん
2020/07/31(金) 21:38:38 ID: YuVZdP7f7j
>>35
数学で赤点スレスレだった文系からすると、最後の「この定理は悟性や~トロッコ問題について何らの知見をもたらすものではありません」という部分は一応理解できるけど、
数学的に解説された部分(「数学の証明」~3つ目の弱点をついたもの」)はほぼ全く理解できなかった・・・。納得しがたいとかじゃなく自分の知識不足のせいで、数学用語を片っぱしからググっても理解できない。
もっとレベルを落としたこの↓解説は、辛うじて理解できたと思う。この解説が数学的に正しいのかは判別できないけど。
117 ななしのよっしん 2016/05/15(日) 12:13:53 ID: Sz3r49k6A3
不完全性定理は「数学で用いる論理を含み、自然数の理論が展開でき、その公理系、推論規則を実際に与えることができるような形式的体系では、その体系が無矛盾であれば、肯定も否定も証明できない(決定不能)ような命題(その体系で形式化された論理式)がある」という定理
つまり不完全性定理は、数学内の形式体系(=数学基礎論の一派)で成立する定理であって、TA(=True Arithmetic)やプレスバーガー算術や「実閉体の理論」といった数学体系では成立しない
それくらい狭く限定的で、他の数学体系や哲学との関係が少ない定理
この定理は「自己言及のパラドックス」みたいな哲学的内容にはなおさら当てはまらない
それでもどうしても当てはめるとしたら、数式か論理式で記述しない限り「数学っぽい話」「哲学っぽい話」にしかならない
38 ななしのよっしん
2021/02/02(火) 11:07:46 ID: 0OFcIKVMzj
不完全性定理の誤った説明は大体次に由来する:
1. 「再帰的」「完全」「理論」「矛盾」などの言葉が数理論理学で正確に定義されているにも関わらず、それらを用いずに「数学理論」などの既存の教科書には出てこないような意味不明瞭のオリジナルワードを持ち出してくる人が多いこと。
2. メタな証明と形式的体系上の「証明」の区別をできていない人が多いこと。後者の「証明」は前者を形式的体系上で形式化したもの。また、前件肯定やΣ1完全性定理のようなメタな主張すらもペアノ算術PA(のRE拡大)の内部で形式化されるという理解が曖昧な人が多いこと。
2を理解していれば、第二不完全性定理はいわば、第一不完全性の証明をPA(もっというとΣ1論理式に対する帰納法の公理図式を持っていれば良い)の内部で形式化することで証明される、ということがわかるはず。
ちなみに、【この方法】による第二不完全性定理の証明は形式化された(Σ1論理式に関する)数学的帰納法を用いるので、数学的帰納法の公理図式を全く持たないロビンソン算術Qに対して【この方法】を適用することができない。
他方で、第一不完全性定理の証明ではメタレベルの数学的帰納法を用いるものの、形式化された帰納法は特に必要ないので、理論TがQ(PAでなくてよい)のRE拡大で無矛盾ならば、Tが不完全であることが成り立つ。つまりQも不完全。
39 ななしのよっしん
2021/02/08(月) 19:03:23 ID: MSU/AwZjSn
>>38
すみませんお手上げっす
>>37
「不完全性定理は「数学で用いる論理を含み、」→まぁ何とか分かる
「自然数の理論が展開でき、」→ギリギリ分かるかも・・・
「その公理系、推論規則を実際に与えることができるような形式的体系では」→お手上げ
「つまり不完全性定理は、数学内の形式体系(=数学基礎論の一派)で成立する定理」→へえ、じゃあ他の体系では成立しないの?
「TA(=True Arithmetic)やプレスバーガー算術や「実閉体の理論」といった数学体系では成立しない」→かなり分かりやすい!
「それくらい狭く限定的で、他の数学体系や哲学との関係が少ない定理」→そういうことかぁ
40 ななしのよっしん
2021/08/25(水) 21:15:27 ID: s+H+BN2e90
直接には関係がないが,全く無縁とも言えないホットなニュースが最近あった.
”ある物体(の熱状態)の初期状態を与えられているとき,それが熱平衡に至るのかどうかを決定する方法が存在しない”
ということが数学的に証明されたらしい.
温度の異なる物体を接しておいて放置するとやがて熱平衡に至るのが普通だが,稀に熱平衡に至らない場合があった.
この事実に対して,どのような物体(条件)で熱平衡化するのかどうかを決定する問題あり,多くの研究者が取り組んできたが成果があがらなかった.
今回の学習院大学の研究結果は,熱平衡に至る過程のモデルと計算理論のモデルを対応させ,ある種の停止問題の決定不能性に帰着させることで,そもそもその方法自体が存在しないということを証明したというものだ.
これは一見否定的な結論だが,見方を変えれば,物体の熱平衡に至る過程の数学的モデルが,ある種の不完全性定理が成立するほどに複雑な構造をしているということを意味している.
41 ななしのよっしん
2021/09/07(火) 22:34:08 ID: Ld5GIE96Va
「不完全性定理」があるということは、「不完全性定理が成立しない体系(ユークリッド幾何学など)」や「完全性定理」や「ゲンツェンの無矛盾性証明」もあるということなので
「ある種の不完全性定理」があるなら、「ある種の不完全性定理が成立しない体系(ある種のユークリッド幾何学など)」や「ある種の完全性定理」や「ある種のゲンツェンの無矛盾性証明」もある
と意味不明なことになる
42 ななしのよっしん
2021/09/11(土) 22:28:59 ID: s+H+BN2e90
>>41
>「ある種の完全性定理」や「ある種のゲンツェンの無矛盾性証明」もあると意味不明なことになる
表面上の見出しだけ追って内容を読まない(読めない)典型例.
「ゲーデルの不完全性定理の系」と呼ばれる一連の現象は記念碑的なゲーデル自身によるPAのω無矛盾性についての証明から始まった.
今日ではこれを第一不完全性定理とよぶ.後にロッサーがPAに関しての不完全性定理の完成形を発表する.
この場合の「完全性」は形式的完全性・構文論的完全性というべきもので,
「数理論理学上のある形式体系において,その体系で形式表現可能なあらゆる言明において,その肯定あるいは否定のどちらかが証明可能である」
という場合の意味である.
完全性定理の完全性は意味論的完全性というべきもので,
「その形式体系における恒真命題は必ず証明可能である」
ということを意味する.
つまり,完全性定理と不完全性定理の「完全性」は定義も意味も異なる.これは証明をきちんと理解していれば誤ることはないから言い訳はできない.
43 ななしのよっしん
2021/09/11(土) 22:49:23 ID: s+H+BN2e90
>>41
さらに,不完全性定理が成立しない(弱い)体系が存在することがオカシナコトにはならない.
ペアノ的自然数と通常の加法・乗法を定義した古典論理的な形式体系において,「無矛盾であるなら(構文論的)完全性の意味において不完全である」という主張が初期の不完全性定理である.
この形式体系の前提はもう少し弱めることもでき,最初のものより弱いいくつかの体系でも不完全性定理が成り立つことが知られている.
しかし,ユークリッド幾何学の形式体系などのようにペアノ的整数を含む体系よりもかなり単純な体系では不完全性定理は成立しない.
これは矛盾でもオカシナコトでもない.
また,ZFCでも不完全性定理が(PAのそれとは異なるが)成り立つが,ZFCにより強い公理を加えた集合論の体系からはZFCの無矛盾性は証明できてしまう.
こういった常識的なことで迷ったり,誤った主張をする前に完全性定理・不完全性定理のまともな証明をまず理解するべきである.
そうでなければ,「自分は不完全性定理も完全性定理も証明は全く読んでいません(読んでも理解できません).」と言いふらしているのと同じである.
44 ななしのよっしん
2021/09/15(水) 13:33:00 ID: MSU/AwZjSn
>>40
「数学的に証明されたらしい」とな? それで「ある種の不完全性定理が成立する」と? わかるようなわからんような・・・
ある種のピタゴラスの定理とか、ある種の因数定理みたいなものがあるのか?
“こっちでは○○定理が成立するが、あっちでは○○定理は成立せず、ある種の○○定理が成立する”、とか・・・?
不完全性定理は数学基礎論の一部分だよね
数学基礎論での証明が関係ある分野は、数学基礎論や計算機科学なのでは?
熱平衡とかの力学分野でなく
熱平衡(熱力学や量子熱力学)に関して何かが数学的に証明されたのなら、その証明は数理力学での証明であるか、数理物理学での証明であるんじゃないかと
45 ななしのよっしん
2021/09/18(土) 12:50:21 ID: s+H+BN2e90
>ある種のピタゴラスの定理とか、ある種の因数定理みたいなものがあるのか?
あるよ.
よく知りもしないのに,言葉尻にを取らまえて突っかかってきなさんな.
上でも散々書かれているように,不完全性定理の系はただ単一の数学現象のことを指すのではない.
大雑把には,ゲーデルの記念碑的なPAに関するω無矛盾性の文脈においての不完全性定理のことや,ロッサーによる強化された結果を暗黙に指す.
PA以外の形式体系のモデルに関して,先の不完全性定理と同様,あるいは類似現象が成り立つという様々な結果のこと全体を不完全性定理とよぶ.
例えば,数論の算術形式であるPAについての不完全性定理の内容と集合論の一つの形式であるZFCについての不完全性定理では,その結論(現象)を示す主要部分の写像の構成が異なるので厳密には異なる現象を指している.
ただし,証明論の文脈においては同様の現象なので不完全性定理と呼ぶのだ.
46 ななしのよっしん
2021/09/18(土) 12:53:30 ID: s+H+BN2e90
(続き)
さらには,計算理論(形式言語理論も含む)の古典的分野においても,計算可能性という文脈においての「プログラムの停止性問題の非決定性」という定理がちょうど数理論理学のゲーデルの不完全性定理と対応する.これは,コルモゴロフやチャイティンらによる成果だ.
これも不完全性定理の類似物であり,多くの文脈で「不完全性定理の一種」とされている.
実際,第二不完全性定理にはコルモゴロフ複雑性による別解釈・別証明が存在する.
今回の熱力学における成果は,「計算理論における停止問題の非決定性の構造」と「熱平衡に至る熱理論の数理モデル」を対応させることで,解決している.
つまりは,数理物理の問題解決に純粋数学の理論が使われたというありふれたことでしかない.
それとも,数理物理や理論物理は純粋数学の理論を利用してはいけないのかい?
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