自走砲 単語

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自走砲とは、自走できるようにするため車両を乗せた兵器の総称である。
牽引式ので補助エンジンなどにより限定的な移動を持つようなものは通常含まない。

搭載するによって自走榴弾、自走迫撃砲、自走対戦車、自走無反動砲などと呼ばれるが、現在では単に自走砲という場合自走榴弾をさすことが多い。

概要

自走砲の誕生

近代の地上戦における火力とはすなわち砲兵である。グスタフアドルフ以降砲兵歩兵騎兵並ぶ三兵戦術の基幹として戦場を降らせ、また歩兵や機甲部隊火力支援提供戦場女神とも呼ばれてきた。

しかし、地戦を眼とした第一次大戦までは、砲兵の移動は鉄道による牽引に頼っていたものの、第二次世界大戦では機械部隊車両)が本格的に導入されたことにより、地上戦は従来の地戦から、電撃戦や機動防御など運動戦(機動戦)の様相を呈し始めた。こうなると、歩兵騎兵(に代わる機甲部隊)を支援すべき砲兵機械歩兵戦車部隊に随伴して機動する必要が生じてくる。

そうなると、従来の牽引式のでは(牽引が匹からトラックに変わったとしても)地に進入し、牽引を解除し、射撃状態にして、発射し、また戦場が移動すると車両に牽引して、と言う手間が戦場機動の障害となる。同時にその手間は敵砲兵による対射撃によってわが砲兵が危険にさらされるリスクが増大することを意味した(現代ではさらに対レーダーの発展により、射撃された弾から敵砲兵地を特定、速やかに反撃を加えられるようになったため、より速な地転換がめられるようになっている)。
加えてトラック装軌車両キャタピラ)で機動する機械歩兵戦車に対して、どうしても不整地での走破性に劣る。

そうした問題点を解決するため、装軌車両大砲を搭載し、車両上から直接撃を行うための車両開発された。これが自走砲である。
こうした自走砲は無限軌道によって機械部隊に随伴し、速に地に侵入して射撃を行うことを可にした。

第二次世界大戦では様々な形の自走砲が登場した。固定式の戦闘室を持った「突撃」や、強な対戦車較的薄い装甲を持つ「駆逐戦車(自走対戦車)」なども自走砲に区分されることがあり、しばしば両者の区別が困難なこともあって兵科間(機甲と砲兵)の争いの種ともなった。

現行の自走砲

現在では、単に自走砲と言うと砲兵が運用し、間接射撃を行うための自走榴弾をさす。120mmクラス大口迫撃砲が自走化され師団レベルでの直接火力支援に用いられることもあるが、迫撃砲の運用は通例歩兵科の担当である。砲兵の運用兵器としてはロケット発射機もあるが、こちらは厳密に言えばではない。

日本においては陸上自衛隊で自走榴弾として75式自走155mmりゅう弾砲99式自走155mmりゅう弾砲が運用されており、その他96式自走120mm迫撃砲MLRSなどが運用されている。

しかし、装軌車両に大と精密な統制装置を搭載した自走砲は牽引コストや重量がかさむ。各陸軍でも、砲兵全に自走化する例は少なく、機甲師団に随伴する砲兵が自走砲を装備し、軽歩兵自動車歩兵部隊では牽引によって支援を行う、というハイローミックスが行われることが多い。

また、近年では展開を重視して軽量の牽引開発されている中、装輪式の自走砲が開発、導入されているが限定的でもある。
これはトラック、あるいは装輪装甲車ベース体に重量や反動が大きい榴弾を装輪車両に搭載するには困難が伴うためでもある。
つまるところ、タイヤ+サスペンションでは発射時の反動を抑えるために体制動に難があるため牽引のように固定させる必要になる。当然装甲も貧弱になるし、装填方法にも制約があるため(弾薬搭載量・発射速度など制約が多い)、装輪自走砲はあまり広く採用されてはいない。
有名どころではフランス開発、導入を進めているカエサル155mm自走榴弾スウェーデン開発しているアーチャー自走榴弾砲がある。

陸上自衛隊においても従来まで導入していた牽引であるFH70の後継として「火力戦闘開発概算要求exitが行われている(PDF 8ページ)。これは重装輪回収車ベース防衛省技術研究本部(TRDI)で現在研究中の先進軽量砲exitを搭載する装輪式自走砲と考えられている。

実際自走(榴弾)砲と戦車(MBT)ってどう違うのよ?

すごく大雑把に言うと自走砲は火力支援のための、戦車は突破(機動打撃)のための兵器である。
つまりこんな感じ。

  • 自走砲は間接照準で射撃を行い、戦車は直接射撃を行う。当然自走砲の方が交戦可距離が長い。
  • 自走砲は装甲をそれほど重視しないか時にはまったくない。戦車戦車に耐える装甲をめられる。
  • 戦車は直撃、榴弾は破裂による広範囲な加向する。
  • 戦車は動く標や自分が動きながらの射撃をするため、回転が必須。自走砲でははない場合もある。

あくまで傾向なので例外もあるのであまり厳密さをめないほうが吉かもしれない。あくまで安程度に考えておくのがいいだろう。

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自衛隊名物、各種榴弾(自走砲含む)の統制射撃により中に富士山を描くという、闇やたらとスキルめられる芸当の一つ。これは各度、弾速、すべての兵器を熟知したうえで、かつなどすべて加味した上で射撃しないとああはならないという職人芸である。

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最終更新:2024/04/28(日) 16:00

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