『The 9th』とは、2008年11月8日に投稿された、ジミーサムP作詞・作曲の初音ミクオリジナル曲である。
概要
曲名と同じくOneRoom(ジミーサムP)9番目の投稿作品で、同じ「9番」に掛け、元太陽系第9惑星「冥王星」について歌った曲となっている。
ジミーの他の楽曲と同じく、クリアな音質と曲調が特徴のバンドチューンであり、2009年3月26日、ジミー通算4曲目となるVOCALOID殿堂入りを果たした。
また、8月27日には皮肉なことにThe 134340thをも果たした。…いや、なんのことかわからないならいいんだ。
一見何の変哲もない歌詞に聴こえるが、非常に深いところまで冥王星について歌われている。惑星降格の件だけではなく、軌道共鳴や冥王星の大気特性・逆行自転等、割と詳細を知らないと書けないと思われる歌詞がある辺り、ジミーは天体ファンだったりするのだろうか。
歌詞
Lyrics | OneRoom(ジミーサムP) |
Music | OneRoom(ジミーサムP) |
Vocal | 初音ミク |
ひとつ深呼吸をして
【海王星の軌道が移動してもなお】
ぎりぎりのバランスを掴んで
【2:3の共鳴軌道を保ちつつ】
その揺れに身を任せ
【海王星からの強い擾乱を受けることなく】
今日も同じ時間を繰り返す
【その星は安定した軌道を回っている】
与えられたのは
【「小惑星134340番」という】
無意味な名前
【番号が与えられたその星は】
何も知らない
【「惑星12個案」という駄々によって】
僕らの我侭だったんだ
【意味もなく惑星から蹴落とされた】
また時間は進み
【公転を止めることなく】
輪を描きだす
【半径59億kmの軌道を描くその星】
また同じ場所へ
【軌道を248年かけて】
向かうだけなんだろう
【一巡りし戻ってくるはずだった】
無重力の闇の端へ
【何の個性もない小惑星の一つに】
投げ出された
【成り下がったその星は】
ただそれだけのことだと
【詳細を知られることも無く】
誰も気付かないままで
【やがて忘れられるのだろうか】
いまほんの少し反射した
【望遠鏡にしか映らない14等級で輝き】
ちっぽけな姿をとらえた
【他の惑星と異なり角0.15"と小さく】
そこは誰の声も
【微量のメタン大気も夜には凍り】
響くことのない世界なんだろう
【何の音も聞こえなくなる】
望んだものなんて
【当初は海王星の摂動に】
何にもなかった
【答えを与えた「惑星X」そのものだった】
ただ一つだけ
【今はたった200分の1の計算違いで】
存在理由以外は
【偶然の産物に成り果てた】
また時間は進み
【秒速4.6キロをもってしても】
輪を描きだす
【その軌道は80億秒続く】
また同じ場所へ
【今や近日点を遥か】
向かうだけなんだろう
【1世紀駆け100億kmの彼方へ】
無重力の闇の端へ
【2233年の近日点へ向け】
投げ出された
【再び陽から遠ざかり】
ただそれだけのことだと
【弾き飛ばされていくその星は】
誰も気付かないままで
【やがてその等級さえ消えていく】
消えそうなほど小さな
【その衛星より小さい星に】
その身体でどこまで
【回転を齎した慣性力に】
向かうのだろうか
【終点などありはしない】
不安定なその軌道に
【遠く傾く楕円を描くその星では】
この光が届くのは
【5時間かけ着いた陽の光さえ】
永遠だろうか
【単なる明るい点にしか映らない】
いつか昨日を今日と
【6日周期の逆行自転を繰り返し】
いつか今日を明日と
【今日の次に昨日が来る星に】
呼ぶ日が来るのなら
【明日は来ない】
螺旋の始まりを
【生命の起源を】
確かめに行こう
【探しに出る旅へ】
生まれた理由を
【炭素化合物を齎した】
確かめに行こう
【一介の箒星でしかなかった星に】
さあ 響く音も 放つ光も
【何一つ光が放たれることのなかった】
何も無かった頃へ
【太陽重力系が始まった頃を】
繰り返すだけのこの
【隠し持つ巨大なその『創世岩』は】
現実ごと偽れるように
【この世界の常識を打ち砕き】
抜け出せるように
【新しい地平線を創るのだろうか】
いま 時間は 止まって
ほら 始まりの メロディーが
聞こえる
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目 |
関連リンク |
前後リンク
composed by OneRoom(ジミーサムP) - 動画記事ナビ | |
Eve ← | → Birth in Heaven |
---|---|
|
|
- 5
- 0pt