冥王星(Pluto)とは、太陽系第9惑星で、
太陽系の最も外側で太陽の周りを公転し続けている惑星である。
太陽系 : 太陽 - 水星 - 金星 - 地球(月) - 火星 - 木星 - 土星 - 天王星 - 海王星 - 冥王星
概要
……のはずだったが、2006年の国際天文学連合の総会で決議された基準により、惑星の定義を満たさないとして太陽系の惑星からは除外された。
というわけで仕切り直し
(※探査機「ニュー・ホライズンズ」撮影画像より)
冥王星(134340 Pluto)とは、太陽系の準惑星である。
太陽系 : 太陽 - 水星 - 金星 - 地球(月) - 火星 - 木星 - 土星 - 天王星 - 海王星
準惑星(ケレス - 冥王星 - ハウメア - マケマケ - エリス)
(改めて)概要
冥王星型天体で、冥王星族に属する。小惑星番号は 134340。
冥王星は1930年にアメリカの天文学者クライド・トンボー(Clyde W. Tombaugh, 1906-1997)により発見された天体である。太陽からの平均距離は地球のそれの 39.54 倍。公転周期 247.8 年。自転周期 6.387 日。直径 2,370 km(月の約3分の2)。地球から見た極大時の明るさ 13.6 等。:三省堂「デイリー 新語辞典」より
太陽系の惑星と比べて長い楕円形の公転軌道をしており、太陽に最も近づく『近日点』では約44億4200㎞、最も遠ざかる『遠日点』では約73億8800㎞まで距離が変化する。
かつて太陽系の惑星に分類されていた時代には、太陽からの公転軌道の順が「水金地火木土天海冥」で表されるように、太陽系惑星の中で最も外側の軌道を公転する天体であった。ただし、前述した楕円形の軌道により1979年~1999年にかけては、後二者の遠近関係が逆転し、「冥海」の順になっていた。
大気組成は窒素が約90%、メタンが約10%とこの2つで大部分を占めており、ごく低い濃度で一酸化炭素も含んでいる。冥王星はカロンという衛星(名前の由来はギリシア神話の冥府の川の渡し守り、なのだが、実際は発見者の妻の名前をもじったという説が濃厚視されている)を従えていることは観測されており、二重惑星とも考えられていることで有名だったが、ごく最近の2005年になってニクス・ヒドラという2つの新たな衛星が発見された。この2つの命名は準惑星への降格とほぼ同時に行われている。ちなみにニクスはギリシア神話の夜の女神、ヒドラは同じくギリシア神話の9つの首を持つ大蛇のことであるが、実際には後述する探査機「ニュー・ホライズンズ」(New Horizons)の頭文字をとって名付けられた。
上記の想像図を見ると冥王星表面は暗い部分とオレンジ色の部分に分かれているが、暗い部分は岩石が露出した場所で、オレンジ色の部分はソリンという窒素とメタンが宇宙線の作用で重合した物質であろうと考えられている。冥王星以外では土星の衛星タイタンの大気がオレンジ色なのもソリンによるもので、また太陽系外縁天体の一つであるセドナもソリンのために赤っぽく見える。
金星同様逆行自転をしている天体として知られている。より正確には、衛星カロンと常に同じ面を向け合いながらどちらも同じ周期で自転、かつ公転(冥王星・カロン系の共通重心は冥王星の外に存在する)している。冥王星から見るとカロンは空の一点に常に同じ面を向けたまま止まっているように見えるだろう。
2006年に準惑星(dwarf planet)に再分類されて惑星から外されたことで、かつては神話上の神プルートー、冥王星、ディ○ニーキャラクターのプルートといった、固有名詞しかなかったPlutoという語に「pluto=~を降格させる」という他動詞の意味が加わった。動詞的用法は、文語よりはもっぱらスラングとして用いられているようである。詳しくは「アルク」での語句検索の結果を参照するとよい。
放射性元素「プルトニウム」の名は、このplutoに由来している。なお、原子番号92~94の元素はウラン(天王星:ウラヌス)、ネプツニウム(海王星:ネプチューン)、そしてプルトニウム(冥王星:プルート)という並びになっており、当時新たに発見されたばかりの新惑星にちなんで名づけられた。
ちなみに「天王星」と「海王星」は中国で名付けられた物だが、「冥王星」は日本人の野尻抱影が名付けた物である。
2006年1月19日、当時まだ「惑星」であった冥王星に向けて探査機「ニュー・ホライズンズ」が打ち上げられた。
打ち上げから9年6ヶ月の時を経て2015年7月14日に最接近に成功し、この時の観測により冥王星とその衛星の詳細な外見などを明らかにした。今後はニュー・ホライズンズから送られてくる観測データにより、冥王星に対する研究が進むものと期待されている。しかし、冥王星は地球からの距離があまりにも離れているために、データ送信に数ヶ月を要するという。このため、謎多きこの星の全容が解明されるのは翌2016年になるものと思われる。
なお、ニュー・ホライズンズは2015年8月まで冥王星の探査・観測を行った後は太陽系外縁天体の探査を行う予定であり、最終的には太陽系を脱出する予定である。探査機「ニュー・ホライズンズ」の記事も参照。
ごく最近、ハッブル宇宙望遠鏡によって冥王星に四番目、五番目の衛星が発見された。公募により名前は四番目がステュクス、五番目がケルベロスと決まった。一部のスタートレックファンが衛星の名前を「ヴァルカン」にしようと工作したが没になった。
関連動画
冥王星をテーマとしたジミーサムPによるVOCALOID(初音ミク)のオリジナル曲、「The 9th」。
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