ーそんな生き方では敵だらけになりませんか?
それでどうするんですか?
おいおい瞬殺だよ
彼はもう戻れない
破滅するその時まで
おいおい概要だよ
『ヒナまつり』に登場するセリフ。現代ヤクザを特集したドキュメンタリー番組に出演した、「血と暴力と金に餓えた男」こと「N」を象徴する一言である。
早くに父を亡くし、少年時代から喧嘩に明け暮れたN。成長した彼は当然の如く裏社会の住人となり、そして超武闘派として頭角を現していく。単独で敵対組織の事務所を壊滅させたとも噂され、昭和の任侠から義理と人情を切り捨てた暴力の化身は、いつしか「平成の怪物」の異名で呼ばれるようになっていた。
そんな男への取材で、最後に行われた質問とその返答が上述のやりとりである。
おいおい真相だよ
……というのは全て捏造。実際のNこと新田義史は、インテリヤクザではあるが血も涙もある人間。料理が得意で、趣味は壺の収集。噂とはまるで違う人物であった。実は、彼にまつわる伝説は義娘(?)であり未来からやってきた超能力者少女・ヒナによるものだったのだ。
だが、そんな事情を知る筈もないまま、「平成の怪物」への密着取材を敢行したジャーナリスト・瀬田は窮地に陥る。実際に会った新田は、全くTV映えしない普通のおじさんであり、「伝説の超武闘派」への取材は完全に破綻した。かといって番組の構成に穴を開けるわけにもいかない。既に上司には大見得を切ってしまっているのだ。……追い詰められた瀬田に残された手段はただひとつ。捏造のみ。父娘のホームビデオ同然だった新田への取材映像を切り貼りし、嘘八百のナレーションを乗せるのだ。新田がヒナとの格闘ゲームで負けた際にこぼした「おいおい瞬殺だよ」は、暴行した相手への侮蔑に見えるよう最大限、効果的に演出。ありもしない虚像の怪物・「N」の誕生である。
完成した映像の(MADとしての)出来栄えは見事なものであり、番組放映から暫くの間、新田が身内からイジられまくったのは言うまでもない。
ニコニコではバトルものアニメの配信や競技系動画において、勝負の早期決着や試合内容の省略が発生した場合の定番コメントとして定着している。
おいおい動画だよ
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