かっこう(カッコウ)とは
概要
全長約35cm。ユーラシア大陸やアフリカに広く分布し、日本では夏鳥として5月頃に飛来するのが見られる。名前の由来はまんま「カッコウ」と鳴くからカッコウである。
カッコウと言えば有名なのが托卵という行為である。ヨシキリやホオジロなど他の鳥類の巣から卵を丸呑みするなど元の親鳥に見つからないよう除外して、代わりに自分の卵を巣に産み付ける。
この行為がバレてカッコウの卵がすぐ排除される場合もあるが、基本的には産み付ける先の卵と柄をよく似せた卵を生むため、雛はバレずにそのまま孵化出来る。
カッコウの雛が卵から還るまでの期間は、わずか10日から12日間程度に過ぎない。生まれてすぐの雛は、毛も生えず目も開かないうちから、巣の持ち主が本来産み落とした卵を本能的に巣の外へ押し出す習性を持っている。
運良く落とされなくても、成長したカッコウの雛によって元の子らが淘汰されるのは必須であると言える。
カッコウの雛は、大体の場合托卵先の親鳥よりも遥かに大きく巣からはみ出る程に成長する。明らかにおかしい図であるが、托卵された親鳥は雛の鳴き声を聞くと本能的に世話をせざるを得ない状態になり、結局カッコウの雛が飛び立つまで面倒を見ることになる。
ちなみに旅立ちの瞬間でも、カッコウの雛は育ての親に対する情愛などはなく、かなりあっさりな別れを迎える。
その血も涙もない習性から嫌われることも多いのがカッコウだが、この托卵という行為を行うのはカッコウだけではないので、カッコウばかりを責めるのは少々酷である。
ここで、そもそもどうして托卵をするのか、なぜ自分で温めないのかという疑問が産まれる。
これは研究者の間でも意見が別れており、核心的な事情は明らかになっていない。
有力なのは、カッコウを初めとした托卵の習性を持つ鳥達は、体温変動の激しい変温動物であるためという説である。
つまり彼等は安全に卵を温められるという保証がなく、それを解消するためこうして他の鳥に生育を任せるという方法を編み出したというわけである。
托卵は子孫を安全に残すための知恵であり、残酷ながらも自然界の厳しい掟の中で培われた賭けというわけだ。
裏を返せば、カッコウ達からしてみれば「ちゃんと育てられる身体だったらこんな回りくどい方法をとってまで大事な子供を託したりなんかしない」と言いたいところではないだろうか。
実際、下記の関連動画にもあるように、托卵されることに感づいている鳥類などはカッコウが卵を産み付けられないよう、巣をトンネル状にしたりと様々な工夫を行なっている。
子孫繁栄のため、今日も鳥達は、日夜策を弄しあって戦っているのである。
ちなみに、閑古鳥が鳴くという言葉はこのカッコウが元になっている。その為、海外のカラクリ時計である「カッコウ時計」は、縁起が悪いとの事で輸入された際「鳩時計」に名前を改められた。鳩時計から出てくる鳥は実はカッコウなのである。
関連動画
関連項目
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