つよつよとは、強そうに見える、または実際に強い様子を表す語である。
曖昧さ回避
概要
古語
「つよつよし」という形容詞や「つよつよ(と)」という副詞があり、12世紀後半(平安時代末~鎌倉時代初頭)から存在が確認できる。この意味は「破壊的に強い」というより、「頑健である」「丈夫である」に近い。
乙前八十四と云ひし春、病重くありしかど、未だつよつよしかりしに併せて、べちの事もなかりしかば、さりとも思ひし程に、程なく大事になりにたる由告げたりしに、近く家を造りておきたりしかば、ちかぢかに忍びていきて見れば、娘にかき起されて向ひてゐたり。
此の別当が年は八十に余ぬれども、身すこやかに、七十に無く強々(つよつよ)として有に、我れも既に七十に成ぬ。
今昔物語集
世阿弥の『風姿花伝』にも「強々と」という語があるが、読みは「つよづよ」とされている。
さやうならむ時の脇の能には、物になりて出づるとも、日頃より色々と振りをもつくろひ、声をも強々(つよづよ)とつかひ、足踏をも少し高く踏み、立ち振舞ふ風情をも、人の目に立つやうに生き生きとすべし。
なお、「強強し」という表記の形容詞自体はそれより前の10世紀ごろにはすでにあったが、読みは「こはごはし」とされている。
現代の正式な文書ではごく稀に「強々しい」という形容詞や「強々と」という副詞が使われることがあるが、あまり一般的ではない。
スラング
俗には、ひらがな表記の「つよつよ」という言葉が使われている。「力が強い」という意味から、転じて「能力が優れている」という意味でも使われている。以前からあった俗語である「よわよわ」の対義語としての意味もあるのかもしれない。
スラングとしての語の初出は不明。Twitterでも初期の2009年から見られる(参考)。ツイート数を見ると、2010年代前半での明確な流行のきっかけは無く、少しずつ使用者が増えている状態だったとみられる。2010年代前半まではゲームのキャラクター名等を添えて「○○つよつよ」とする表現が多い(参考
)。
「つよつよPC」「つよつよ絵師」など、「つよつよ○○」という用例は2014~2016年ごろからわずかに見られる(つよつよPC/つよつよ絵師
)。特に「つよつよ」や、「つよつよ○○」という語が広まってきたのが2018年であり、人気ツイートに限るとバーチャル系のアカウントでの使用例が多い(参考
)。
「つよつよ絵師」に関しては以前から用例があったものの、2021年2月に流行したTwitterのハッシュタグ「#いつか超つよつよ絵師になるので今のうちに推しませんか」以降に、特に頻繁に使われるようになった。先ほどの古語の例も挙げられるようになり、「つよつよ絵師をば打ち殺し、腕切り取って喰らいけり」などの物騒な手段に出るような文も生まれている[1]。
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
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