グリペン(JAS39 Gripen)とは、スウェーデンで開発された戦闘機である(グリペンはスウェーデン語でグリフォンの意)。
概要
サーブ37ビゲンの後継機として1980年から開発が開始された。1980年代において戦闘機開発は巨額の予算と高度な技術力を必要とするものであり、小国のスウェーデンではもはや難しいのではないか、という意見もあり当初は国外からの輸入も視野にあったらしい。結果的には自国産業総動員のような形でJAS(ヤース)グループが形成されている。
「JAS」には、Jact(戦闘)/Atack(攻撃)/Spanning(偵察)の意味もあり、この3種の任務をカバーできる多目的戦闘機としてグリペンは開発された。
機体の高価格化の原因になるアヴィオニクス(電子機器)はシンプルなものにし、ステルス能力についてもあまりこだわらない形とした。これが可能なのもスウェーデン空軍が基本的には防空を主体としているためである(ステルスが必要なのは基本的には侵攻・攻撃の場合)。
機体形状はビゲンのカナード+デルタ翼形状を踏襲。機体翼下にさまざまな兵装を搭載することが可能である。またドラケン、ビゲンから続く系譜として高速道路を利用した離発着能力も兼ね備えている。ただし前作のビゲンが任務の多用途化・航続距離延長のために機体が大型化、スラストリバーサー(逆噴射装置)を搭載したが故に短距離離陸に必要な滑走路の補強などを必要としたため、グリペンはこれをあきらめて、航続距離との引き換えに機体の軽量・小型化を実現することで短距離離陸能力を実現した。
また高い整備性も相変わらずで数人の地上クルーにより、着陸から離陸までターンアラウンド時間は極めて短い。
現在購入可能な新造機の中では購入代に加え維持・整備費も安く済むため、老朽化したF-5やMIG-21などの代替として数カ国に輸出されている。
バリエーション
単座のA型と複座のB型、それぞれに改良を施したC型とD型が存在する。
最新型の「グリペンE」は全長、全幅ともに拡大することで燃料タンクを増設し、航続距離の延伸と兵装搭載量を増加、エンジンはF404からF414に変更されている。スウェーデン空軍は60機、ブラジル空軍が28機採用している。[1]
日本における知名度について
日本において見ることがかなわない機体にもかかわらず知名度は高い。というのも、「群青の空を越えて」というPC用アダルトゲームの中で登場したりするわけで、ドラケンといい、妙なところで知名度が高い機体と言えるだろう。
それ以外に、人気のフライトシューティングゲーム「エースコンバット」でも初代からちょくちょく出ており、6作目「エースコンバットZERO」ではライバル機にまで上り詰めている。なおこちらでは、ドラケン、ビゲンといった他の欧州戦闘機もよく出る。
他にも欧州戦闘機が出てくる日本製ゲームはあるが、やはりグリペンを有名にした立役者と言えばこの二つが挙がるだろう。
関連動画
関連項目
脚注
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