カイザーとは、ドイツ語(der Kaiser)やオランダ語(Keyser)で皇帝・帝王を意味する言葉である。
概要
カイザーという語は元をたどればガイウス・ユリウス・カエサルの名前に由来する。
ローマ帝国初期に、後に皇帝と呼ばれる最高権力者(以下 「皇帝」 )がガイウス・ユリウス・カエサルにあやかって称号としてカエサルを名乗った。
たとえば初代「皇帝」オクタヴィアヌスやティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロがこのカエサルという称号を冠している。
カエサル自身は皇帝ではないが、彼は帝政に移行する前の共和制ローマの時代の人なので当然のことである。
このカエサルという称号がドイツ語にはいってKaiserとなった。ロシアの皇帝の称号ツァーリも同じくこれに由来する。
帝王切開
この部分は、独自研究を元に書かれています。 このような妄想はチラシの裏に書くことをオススメします。 |
そして帝王切開やカイザーはドイツ語のKaiserschnittに由来している。
ところでこの帝王切開という語の成り立ちは諸説あり、中には中国起源とするトンデモ説すら存在する。
根底には以下の2つが有名である。
1.についてはこれだけを否定する根拠はあまりない。
よくカエサルは皇帝ではないことを理由の1つに挙げることが多いが、そもそもドイツ語Kaiserが「皇帝」の称号Caesarに由来すると考えられるため、これを理由に挙げるのは少し難があるといえよう。
2.についてはこの帝王切開という語の由来がドイツ語のKaiserschnittであるため、明らかな後付だといえる。
そしてこのsectio caesareaの成り立ちに諸説がある。
I.は、caesareaにも切ると言う意味があるとする説である。
しかし、そもそもcaesareaに切ると言う意味はない。caedereに語源を見る例もあるが、切ると言う意味だけでなく殺すという意味も持つこの語をわざわざつけるのも疑問を覚える。
II.については説の説明はもう不要だろう。
当時母と胎児を両方生かすために母親の腹を裂くという行為は行われておらず、類似の行為は死亡した妊婦を埋葬する折に胎児を取り出さずに埋葬することは禁じられておりその腹を裂いて胎児を取り出してから妊婦を埋葬するという慣習が行われていた。また、それを度外視しても帝王切開は子宮の筋層を縫合するようになった近代までは母体死亡率がほぼ100%の胎児本位の術であった。
しかし、カエサルの母アウレリア・コッタはカエサルが40を過ぎてもなお健在であり、この説は考えにくい。
III.のlex caesareaとはII.の説明中にあった妊婦をそのまま埋蔵することを禁じた法の名前である。
これに対して否定する根拠はなく肯定する根拠もない。
IV.は妊婦の死後に行う帝王切開はすでに書いたように古来より行われてきたが現代流の生きた妊婦への帝王切開術16世紀になってようやく行われたものである。当時の人々がこの新しい医療に対して"らしくする"ためにラテン語名をつけたという説である。
これは、古代ローマ時代にこの語が存在した文献がなく、また各国の辞書の帝王切開の説明にも中世ラテン語起源とする例が多いことを理由としている。
ただしこれ単体では話のすり替えに近く帝王の要素の出展についての言及がないため、ただ話をまぜっかえしているに過ぎない。
ほかにもいろいろな説があり、謎は深まるばかりである。
そのほか
人名にもカイザーという名前がある。
また、何かの物事で優れたものの呼び名に含まれることもある。 例:ヘルカイザー
関連項目
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