カタール(katar, kutar)とは、インドで古くから使われていた刀剣である。
なお中東にある国家・カタール国(Qatar)についてはカタールの記事を参照。
概要
全長35~40cm、重さ350~400gの短剣。名前は「短刀」を意味する。その名の通りごくポピュラーなタイプの短剣で、木の葉状の剣身を持ち、鍔は薄く長い。主に突き刺し、斬りつけることを目的としている。両刃のものと片刃のもののいずれも存在する。
古くは紀元前4世紀、アレクサンドロス大王による東方遠征の頃から使われていた剣で、古い文献にもその名前を見つけることができる。
ジャマダハルとの混同
西洋を中心に、「カタール」の名は別種の刀剣であるジャマダハルと混同されている。
ジャマダハルは握り部分が2本の平行するバーの間に刃に対して垂直に2本渡されているという特殊な形状をした刀剣である。インドに特有のこの短剣はファンタジー作品などでもしばしば見かけるが、その多くが「カタール」「カターラ」という名称になっている。
これはムガル帝国のアクバル大帝に仕えた記録官アブル・ファズルによる歴史書『アーイーネ・アクバーリー』において、カタールとジャマダハルの挿絵が取り違えられて掲載されたものがそのまま欧州に伝わってしまったことが原因である。
創作作品におけるカタール
本来がさしたる特徴もない短剣であることもあって、ファンタジー作品やゲームなどに登場する「カタール」は大体が本来のジャマダハルである。
- ファイナルファンタジーVIII
プレイヤーキャラクターのひとりキロス・シーゲルの装備武器として登場。実体は本来のジャマダハル。キロスはこれを両手に装備し、斬りつけるようにして使用していたがジャマダハルは突き刺すことを目的とした武器である。 - ファイナルファンタジーXI
格闘武器のひとつとして「カタール」があり、「カタール系」という系統を成している。カタール系武器の中に「ジャマダハル」もあるが、いずれもグラフィックはジャマダハルに近い形状で統一されている。 - ラグナロクオンライン
武器のカテゴリのひとつとして「カタール」があり、その中に個別で「カタール」「ジャマダハル」などが含まれる。アレンジがかかっているものの、いずれも基本的な形状はジャマダハルのものである。 - 世界樹の迷宮
「拳で殴るように扱う刺突力の優れた短剣」として登場。ゲームのシステム上グラフィックは存在しないが、この説明文を見る限り本来のジャマダハルであると思われる。
関連項目
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- ページ番号: 4516754
- リビジョン番号: 2398850
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記事冒頭の「カタール」を太字化しました。「関連項目」に「インド」「ウルミ」「バグナク」を追加しました。