キャンピングカーとは、車中泊設備を設けた改造車のことである。
概要
自動車内での車中泊に特化した改造車のことを指す。
和製英語のひとつであり、英語圏ではRecreational vehicleあるいはMotorhomeと呼ばれる。
日本国内での登録について
日本国内では、道路運送車両法上では「キャンプまたは宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車」という分類の特種自動車として一定の保安基準を満たす改造を実施することで公道上を走行することが可能。
改造を行った車両はナンバープレートの分類番号が8で始まる、いわゆる「8ナンバー車」となる。
キャンピングカーは日常利用するものではないという考えから、自動車税や保険料等は通常の乗用車や貨物自動車よりも安価に設定されている。
必要事項
ベッドに関して
- ベッドサイズは以下の通りとする。
- 自走可能な車両の場合、乗車定員の3分の1以上が就寝可能な大人用ベッドが必要。
- 走行中のベッドの使用は不可。
- トレーラーの場合、牽引中にそこに乗ることは不可。
- ベッドの表面は水平かつ平らであること。
- 端数は切り捨て。
- 乗車定員が2名以下の車両は1人分以上を設けること。
- 大人用ベッドは3人目以上からは子供用ベッド2人分=大人用ベッド1人分と数えて良い。
- ベッドは座席との兼用は原則不可。ただし、折り畳み・展開によってベッドに変化可能な座席を設ける場合はその限りではない。
調理設備に関して
- 10リットル以上の清水タンク・汚水タンク両方を備えていること。
- 水タンクは取り外し可能なものでも良い(専用スペースがある場合に限る)。
- 流し台は真正面から利用可能なこと。
- 流し台のすぐ前に物品を設けてはならない。
- 流し台周りに大きな段差を設けてはならない。
- 流し台がある部分の天井高は160cm以上必要。ただし、流し台自体の高さが床面から85cm以下の場合は天井高は120cm以上あれば可。
- コンロが必要。カセットコンロ・電磁調理器でも可。
- コンロ・流し台とは別に20cm×30cm以上のスペースが必要。折り畳み式でも可。
- 換気扇もしくは専用の窓を設けること。
- ガスコンロを常設する(プロパンガスを利用する)場合、燃料タンクは車両外部かつ衝突時に損傷を受ける可能性が少ない場所に設け、配管は適切なカバー等で保護すること。
車両構造に関して
- キャンピング設備(ベッドや調理設備等)の面積は軽自動車で0.6平方メートル以上、普通自動車以上で1平方メートル以上あること。
- キャンピング設備の面積は運転席+助手席以外の部分の1/2以上あること。
- キャンピング設備は車体に確実に固定されていること。
- トラックに於ける「荷台」にあたる設備を設けてはならない。
バリエーション
- バンコン
- トヨタ・ハイエースや日産・キャラバン等をベースにしたタイプ。車体サイズがほぼほぼ変わらない為、駐車場に困らず取り回しし易い。ただし車内空間は狭め。ベッドスペースを確保する為に天井部分がポップアップテントに変形する機構を備えた車両も存在する。
- キャブコン
- トラックをベースにしたタイプ。メーカーによってはキャブコン用に荷台を無くして出荷する車両(例としてトヨタ・ダイナをベースにした「トヨタ・カムロード」、いすゞ・エルフをベースにした「いすゞ・びーかむ」)が販売される。バリエーションが豊富で車内空間も広いが、その分巨大になる為駐車場に困る(特に全高が高くなりがちなので立体駐車場に入れない)ことが多いのが欠点。
- 軽キャンパー
- 軽トラック・軽ワンボックスカーをベースにしたタイプ。車両価格が安価で車体サイズが小さく燃費が良いのが取り柄だが、車内空間の狭さ・積載能力の低さ・最高速度の低さという欠点を抱える。これもバンコン同様にポップアップルーフ搭載車が存在する。
- バスコン
- バスをベースにしたタイプ。その巨体を生かし車内空間の広さに加え、シャワールームやトイレの設置が容易等豪華な車両が多い。勿論その分非常に高額(低年式車で1000万円以上)で、バス・トラック用駐車場にしか止められない等駐車場に非常に困るのが一番の欠点。
- フルコン
- 既存車種の改造ではなく、専用シャーシに専用ボティを被せたタイプ。一から完全に専用設計の為豪華設備が充実。欧米で主流。日本国内で現在製造している業者は存在しない。バスコンよりも巨体の車両がザラに存在。車両価格は非常に高額で最低でも2000万円台、場合によっては1億円以上に達する物も存在する。
- キャンピングトレーラー
- 動力を持たず、既存の自動車で牽引するタイプ。コストパフォーマンスに優れており車内空間も広く寿命も長いが、全長が長くなる為運転に慣れが必要・フェリー乗船時に高い運賃を課せられる・有料道路の通行料金が高くなる・走行中は人は乗れない・牽引用車両に牽引装置を取り付ける必要がある・トレーラー重量が750kgを超えると牽引免許が必要になる・駐車場のスペースが2台分必要・自動車税や自動車保険が2台分かかる等欠点も多い。
- キャンピングシェル
- 軽トラック・ピックアップトラックの荷台に宿泊用の箱を載せたタイプ。価格が非常に安価で、積載する車両の改造が不要で、乗り換えても容易に載せ替えが可能で寿命が長いのが特徴。車検時にはキャンピングシェルを取り外すこと。デメリットはキャンピングトレーラー同様に走行中は人が乗れない・キャンピングシェルと自動車車室とのウォークスルーが出来ない点。
関連動画
関連項目
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